野島美穂 展
【 野島美穂 展 「月の夜に」】
2025年5月15日(木)-6月1日(日)
open 木 金 土 日 12:00-19:00
close 月火水
作家の在廊は画廊までお問い合わせください。
03-5343-1842
野島美穂インスタグラム

「月の夜に」混合技法 65x53cm

「波もくだけて」65x53cm
箔を使った古典技法の平面作品約20点を展示いたします。
画面の中の独特な形や色彩、特に ”ひかりあるいは輝き” は野島作品の特徴と言える
でしょう。この幻想的とも言える作風が作者にとって単なる空想ではなく、かなり
リアルに心に現れるイメージのようです。
福島県いわき市の海に近い環境で生まれ育ちました。そこでの空気、光、水、風、土などは
幼少期の野島の感性を育み、地球、宇宙、生命むろん自分自身も含めて全て自然は一体、と
いう思いが心に刻み込まれたようです。野島の身体・精神を透過するこの自然観は豊かな
イメージをもたらし、時にユニークで時にユーモラスであったり美しくもあり、ある種の
生命体を連想させることもあります。
描画素材の選択も野島にとって大事な制作の要素です。素材とイメージとの思考錯誤の対話
は画家自身の意識を覚醒し、作品の内容を一層深めるという、自力と他力を頼りに時を費やし
丁寧に育てあげられた作品です。(画廊主)
【画家コメント】
「素足では歩けないほど熱い砂浜の眩しさや乱反射する風に揺れる波、盛り上がっては砕け
落ちる白い泡、幼少の頃に刻まれた海辺の強い光と水の記憶が、箔などの光る素材や水と油
を乳化させるメジウムを選ばせているように思います。ひとつひとつ工程を重ねて支持体から
作っていく古典技法は、深い集中と瞑想に私を誘い、さまざまな未知なるイメージの受け皿と
なってくれます。
個展が終わる頃には梅仕事の季節。ここ数年実のなるものが不作とのことですが、幸い毎年
梅干し用に分けていただく友人宅の梅は、今年もさほど変わらず実っている様子。梅干し作り
は祖母との思い出でもあり、ひとつひとつを手順通りに進めていくと、いつの間にか、あたた
かな祖母の陽だまりに包まれているのです。」野島美穂