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[追記] 査読者募集は終了しました。(11月22日 0:17)
毎度毎度のことですが、「逆GDPギャップ」とかいう珍妙なことを言い出した人がいるので、正直に言って何とかしたいのですが、その前に研究者の本分としてやるべき仕事があるので、まずはそれをやりたいと思っています。それは以下の通りです:
[「DSGEとベイズ統計学」解説論文査読者募集]
今年4月に書いた「DynareによるMCMCマニュアルは必要ですか?」というエントリーから半年以上が経過しました。そのエントリーでいただいたご要望に応え、余暇で少しずつ原稿を書きためてきました(余暇しか使えないので、第1稿に到達するのに半年以上掛かってしまいました)。
現在、矢野が執筆中の解説論文「動学的確率的一般均衡モデルとベイズ統計学〜理論と実践〜」の査読者を募集します。
[経緯の説明]
去年、「DYNARE による動学的確率的一般均衡シミュレーション〜新ケインズ派マクロ経済モデルへの応用〜」という解説論文を発表しました。近年のマクロ経済学の研究で主流であるDSGEモデルへの入門とそれをシミュレーションするためのパッケージであるDynareを解説した論文です。
この論文の執筆には約1年をかけました。最初は非常に不完全な原稿しかないものを周囲の人たちにご意見をいただきながら、1年ほど掛けてかなり包括的なものにしました。最初はほとんどの読者から「読みにくい」「分かりにくい」という評価しか得られなかったのですが、ご意見をいただきながら修正して行くうちにそれなりに分かりやすい内容に改善されたようです(ご評価は読者の皆様にお任せするしかありませんが)。
また、内容自体も「Christiano, Eichenbaum, and Evans (2005)の定式化と簡単なDynareファイルの解説だけ」だった第1稿から(1)近年のDSGEの動向、(2)新ケインズ派DSGEモデルの導出、(3)Dynare開発者によるDynare入門の翻訳、(4)NewIS-LMの導出、(5)Sims (2002)のアルゴリズムの解説と内容が大幅に拡充されました。
現在、矢野は「DSGEモデルとベイズ統計学」について解説した論文を執筆中です。「DYNARE による動学的確率的一般均衡シミュレーション」作成の経験を踏まえて、今度は「DSGEへのベイズ統計学の応用」に興味のある方(読者として経済学部大学院生[修士課程もしくは博士課程]を想定しています)に広く査読のボランティアをお願いしたいと思っています。
[事前のお断り]
[応募要領]
[現時点での解説論文タイトルと概要](ただし、今後変更の可能性あり)
[タイトル]
動学的確率的一般均衡モデルとベイズ統計学〜理論と実践〜
[概要]
実物景気モデル(Real Business Cycle Models)から始まったミクロ経済学的基礎付きマクロ経済学は、その後、生産物市場の不完全性や、労働市場の不完全性、資本市場の不完全性を取り入れた各種の新ケインズ派のマクロモデルを含め、動学的確率的一般均衡モデル(Dynamic Stochastic General Equilibrium Models)と呼ばれている。特に近年、それらの新ケインズ派動学的確率的一般均衡モデル(New Keynesian DSGE)が急速に発展し、マクロ経済理論のみならず各国政府機関・中央銀行における標準的ツールとして普及している。政策分析に用いる必要性から近年ではマクロ経済データに基づきベイズ統計学を用いてDSGE のパラメーター推定を行うことが少なくない。現在ではベイズ統計学の一手法であるマルコフ連鎖モンテカルロ法を用いてDSGE のパラメーターを推定するためのツールとしてフランスCEPREMAP で開発されたDynare がしばしば用いられる。本論文では新ケインズ派マクロ経済モデルなどを題材に用いて、(1) DSGE モデルの線形合理的期待モデルと状態空間モデル、(2)ベイズ統計学の基礎、(3) カルマンフィルター、(4)マルコフ連鎖モンテカルロ法、(5) DSGE のパラメータ推定、(6) Dynare を用いた中型新ケインズ派DSGE モデルの日本経済への応用について解説する。
[念のため再度のお断り]
[以前のエントリー]DynareによるMCMCマニュアルは必要ですか?
http://d.hatena.ne.jp/koiti_yano/20090415/p1
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