MySQL を業務で利用する際、ほぼ例外なく指定されるのが ENGINE=InnoDB である。 これは単なる「デフォルト設定」ではない。 InnoDB は、 データを どのように保存し 同時アクセスを どの粒度で制御し 障害発生時に どこまで復旧できるか という データベースの根幹設計そのものを担うストレージエンジンであり、 MySQL を「実務に耐える RDBMS」に押し上げている中核実装である。 1. ストレージエンジンとは何か MySQL の特徴の一つに、 SQL 処理層と、データ保存方式（ストレージエンジン）が分離されている という設計がある。 CREATE TABLE jobs (…

この記事は every Tech Blog Advent Calendar 2025 の 16 日目の記事です。 はじめに こんにちは、リテールハブ開発部でバックエンドエンジニアをしているホシと申します。 現在、小売アプリ開発で Laravel 11 を利用しながら日々サービス開発に取り組んでいます。 先日、サービスのパフォーマンス改善を目的として、MySQL の SQL チューニングを行う機会がありました。 これまでも EXPLAIN を使って実行計画を確認することが多かったのですが、以前から「EXPLAIN の内容と実際の動作が一致しない」ケースをいくつか経験していました。今回のチューニン…

こんにちは。 ATOM事業部の田村です。 今回はセキュリティアップデートによる予想外の障害に巻き込まれた件について書いてみました。 概要 今回障害があったシステムは、AWS 上で動いています。 オートスケーリングしていて、システム負荷によって動的に EC2 インスタンスが起動・停止するようにしてあります。 しかしこのインスタンスが起動中 (Pending) から勝手に終了 (Terminating) してしまうという問題が発生しました。挙動を見ていると、十数台に一台は起動するインスタンスがあるのですが、ほとんどが起動中→終了してしまっています。 そのため、現在起動しているインスタンスが落ちない…

ランキング参加中プログラミングランキング参加中Linux $ mysql -uhoge -ppiyo -h192.168.101.83 testdb ERROR 2026 (HY000): TLS/SSL error: SSL is required, but the server does not support it --skip-ssl オプションを使う $ mysql --skip-ssl -uhoge -ppiyo -h192.168.101.83 testdb

モチベーション OSS であれ会社のソフトウェアであれ規模のデカいプロジェクトを共同開発する際に、コードベースを全て理解し、各種処理やそれらの依存関係を全て把握しながら実装するというのはマトモな人間のなせる業ではない。 また、ソフトウェアはなるべく疎結合であるように作れ、とよく言われるが、規模が大きくなるにつれてどうしても密結合になってしまう部分というのは出てくるものである。 特にシステムのコアとなる機能やその周辺コンポーネントは大きくなりがちだと思う。とは言え、「コードを理解せずにガッと実装したら思わぬ依存先に影響が出て景気よく障害を出しちゃいました！テヘヘ」という言い分が笑って済まされるほ…

2025 Nov. 03. 次の内容のbashシェルスクリプト"backup-mysql-each_db2each_file-unix_socket.sh"をrootユーザーのコマンド検索パスが通ったディレクトリ内に作成する。 #!/usr/bin/env bash # 2025 Nov. 03. # backup-mysql-each_db2each_file-unix_socket.sh # Intended to be run by root (e.g., from root's cron) set -euo pipefail progname="$(basename "$0")" us…

Drizzleという新興のTypeScript向けのORMに関するバグについてのメモです。一応、2025年10月現在ではDrizlenoGitHubリポジトリのIssueに似たような報告が挙げられていますが、未修正です。 バグはDrizzleが既存MySQLのデータベースからTypeScriptのソースコードを作成する際に関係しています。 バグの再現方法はGitHubにアップロードしてあります。