2025年6月。南鳥島(東京都・小笠原諸島の最東端に位置し、東京から約1,900km離れた孤島)に眠るレアアースが「世界第3位の埋蔵量」と報じられた。中国がレアアースの輸出を規制し始め、米中対立のなかで素材供給が「外交カード」と化す中、日本は突きつけられている。「資源を自国でどう確保するのか」という問いに。 でもこの話、実は「新しいニュース」ではない。 2013年、東京大学の加藤泰浩教授のチームが、南鳥島の深海に大量のレアアースが含まれている「レアアース泥」を発見していた。そこには、通常入手が困難な「中・重希土類」も豊富に含まれていた。 それなのに、なぜこの10年以上、動きがなかったのか。 ■…