さて、最後、ベスト10です。
1位 160万枚 青春アミーゴ 修二と彰
2位 95万枚 さくら ケツメイシ
3位 92万枚 未来/and I love you(四次元) Mr.Children
4位 84万枚 粉雪 レミオロメン
5位 63万枚 * 〜アスタリスク〜 ORANGE RANGE
6位 56万枚 ただ…逢いたくて EXILE
7位 54万枚 SCREAM GLAY×EXILE
8位 53万枚 Anniversary KinKi Kids
9位 51万枚 OCEAN B'z
10位 47万枚 supernova/カルマ BUMP OF CHICKEN
2005年の前半には、今年は『さくら』の一人勝ちかと思ったのですが、中盤にミスチルが肉薄。そして、秋から『修二と彰』がぶっちぎってしまいました。それにしても、桜ソングは例年強い。
ミスチルは、タイアップ付き四曲が入ったCDで、熱狂的なファンでなくても、お得感を煽られて購買したという層が結構いるはずです。カップヌードルとポカリスエットという強力なCMタイアップは効力抜群で、相変わらずのモンスターバンドぶりを見せつけました。ちなみに2004年度には「Sign」が年間4位で、2003年度には『掌』が年間8位で、年間ベスト10を三年連続で達成。当然2003年から2005年にかけてそんなことを達成したアーティストは他にはいません。自身の記録としては、年間3位は、『Tomorrow Never Knows(94年年間1位)』 『名もなき詩(96年年間1位)』に次ぐ、そして『innocent world(94年年間3位)』に並ぶ記録です。
ケツメイシは音楽番組出演もタイアップも特にない中、前年度までにシングルでスマッシュヒットを続け(2004年に『君にBUMP』が年間16位、『涙』が年間24位)、アルバムも好調で固定ファンを掴んでいたことや、例年の「桜」ソングの強さの後押しを受け、大ヒット。
1位の『青春アミーゴ』を歌った『修二と彰』は、亀梨和也(KAT-TUN)と山下智久(NEWS)の二人で構成されるユニット。修二、彰はそれぞれ、「野ブタをプロデュース」というドラマ内の役名。
曲のノリの良さと、KAT-TUNが長らくCDデビューしていないという鬱憤と、特殊ユニットなのでアルバムは出ないということと、企画モノゆえに熱狂的ファンでなくてもなんとなくノリで買っても許される雰囲気が後押しして、大ヒット。ちなみに中高年もカラオケ用に買ったという情報が流れましたが、あれは、あの当時の調査統計を見る限り情報操作だった気がします(その情報が流れてから、需要が高まった可能性はあります)。
とりあえず、ジャニーズは商売が上手い。
12月から2006年にかけて大きく売上を伸ばしたのはレミオロメン。ミスチルと同じ事務所の後輩になります。オリコン発表時点での2005年間チャートでは年間ベスト10に入ってなかったのですが、80万枚を越え年間第4位にまで伸ばしてきました。
ヒットするのかどうか、歌唱力と顔とアレンジセンス全てが微妙な感じだったのですが、とりあえず小林武史のもと楽曲の洗練度は上がった感じです。顔はどうにもならないとは言え「かっこいい」と勘違いした風な髪型・格好はあきらめて、もっと「普通」な感じにした方が見ている方が辛くないと思います。歌唱力は、CDでは良いのですが生歌では かなり微妙(昔のミスチルを思い出します)。これから修行して伸びいくのだと思いたいです。
EXILEの「ただ逢いたくて」も年末から2006年にかけて売上を伸ばした曲。最近は売上が不調だったのですが、終わってみれば自身が持つ最高順位2003年の「Breezin'〜Together〜」年間16位を上回る好成績。ただ、ツインボーカルの一人清木場の脱退が惜しまれます。
ちなみに、現ボーカルATSUSHIがASAYANのオーディション(優勝者はケミストリーとしてデビュー)で見出されたということもあるのか、今度のボーカルも大々的なオーディションで新ボーカルを選ぶということです。
7位には、GLAYと組んで出した『SCREAM』もチャートイン。GLAYは、2002年『Way of Difference』以来の年間ベスト10となる久々のヒット(2003・2004は年間30位以内にも入れず)。GLAYで売れたのかEXILEで売れたのか、企画性故に売れたのか謎ではありますが。
「ただ逢いたくて」「粉雪」「supernova」は、先頃発表されたオリコンの2006年上半期チャートで上位に入ってますが、2005年にチャートインした曲であるため、ここでは2005年度として扱っています。
冬に入ってから、または翌年になってからの伸びで最終的にベスト10に入った曲が結構あります。11月末時点で集計を切ってしまうオリコン発表の年間チャートによると
1位 青春アミーゴ 修二と彰
2位 さくら ケツメイシ
3位 未来/and I love you(四次元) Mr.Children
4位 * 〜アスタリスク〜 ORANGE RANGE
5位 SCREAM GLAY×EXILE
6位 Anniversary KinKi Kids
7位 OCEAN B'z
8位 ラヴ・パレード ORANGE RANGE
9位 ファンタスティポ トラジ・ハイジ
10位GLAMOROUS SKY NANAstarringMikaNakashima
でした。
この時点での8位〜10位が、ベスト10外に落ちました。
中島美嘉はファンタスティポをギリギリで追い抜いたものの、後ろから来た伊藤由奈に追い抜かれました。
さらに、「ただ逢いたくて」、「粉雪」が、これらの曲を、ごぼう抜き。
そして、じわじわと売れていた、バンプが、最終的にはベスト10争いを鼻差で制覇。
相変わらずですが、BUMP OF CHICKENは「誰が買っているのか」顔が見えません。テレビとかへの露出も無いだけに、何がこの売上を支えているのか謎。
バンプは、2005年度は39位に「プラネタリウム」も入りましたが、自らの「天体観測」(2001年年間25位)、「ロストマン/sailing day」(2003年年間27位)、「アルエ」(2004年年間48位)を上回るヒットを飛ばしたことになります。嫌いな曲とかではないのですが個人的には「年間ベスト10????」という印象を抱いているのは確かです(曲の良し悪しではなく、ヒットの印象度として)。
KinKiは8位と27位。剛がトラジハイジとして14位と、相変わらず堅調です。ファンだけが買うという固定ファンの強さに支えられていますが、年間ベスト10に食い込ませるだけの固定ファンがいることが何よりも強烈です。
9位にはB’zが入りました。年間ベスト10に入ったのは久々です。2001年9位の『ultra soul』以来。B’zも固定ファンの数が多いため週間売上では確実に一位になりますが、ファン以外への広がりが少ないため割とすぐにチャートから消えてしまいます。ただ、良いタイアップで浮動票層に食い込むと、大きなヒットをするのは底力ゆえ。これからも、数年に一回年間ベスト10に食い込むという動きをするのではないでしょうか。
前々回書きましたが、年間30位以内ということであれば、90〜2005の16年連続で達成しています。おそらく今年も入りそうですから、17年連続を達成することでしょう。ありえません。サイクルの早いJ−Popで、17年もの長い間ヒットをし続け、かつ「休止」が無いグループとして、唯一無二の存在と言っていいと思います。
==============
ベスト10は、ケツメ・レミオ・レンジなどの新しいバンドに、ミスチル・GLAY・B’zなどのベテランバンド、EXILE・バンプの中堅どころなどがぶつかりあう新旧グループ対決にジャニーズ二組が絡むという状況でした。
「そろそろヒットするかも?」と思われていたレミオロメンやコブクロがヒットしたため、残っている「ヒットするかも?」という期待値が高いアーティストはスキマスイッチぐらいしか浮かびません。ですから、もし新しいアーティストが今年ヒットするとしたら、2005年時点で小さなヒットすら全く無いアーティストかもしれません。
アルバムチャートを参考にしてみるならば、大きなブレイクの予兆があるのは、DefTechとAquaTimes、あとは以前から話題ではありますがHYとアジカンでしょうか。
前回も書きましたが、ベスト10には女性の曲が入っていません。2004年度はベスト10に平原綾香、柴咲コウ、大塚愛がランクインしていたのですが・・・。また、50位以内で言っても、女性の曲は11曲しかありません。
ちなみに現時点でのチャートを見る限り2006年になっても、この傾向は変わってない感じです(こういう波の時は、来年か再来年辺りに「歌姫の年」みたいなのが来る可能性が高いですが)。個人的には映画出演もあるYUIのブレイクを期待。
2005年同様、2006年もジャニーズは強いです(現時点でベスト10の半分がジャニーズ)。しかし、レミオ・レンジ・ケツメは今年は年間ベスト10は厳しいかなという雰囲気。
夏・秋にミスチルやサザンがどのぐらいヒットするか、女性アーティストが誰か大ヒットを飛ばすことが出来るか、新しいアーティストがブレイクしてくるのか、その辺りに注目しながらチャートを見てみてください(相変わらず、何の目的で誰に何を勧めているのかが不明です)。
と、4回にわたって2005年の邦楽ヒットチャートを総ざらいしました。ここに出てきたアーティスト名だけでも頭に留めておけば、浮世離れした仙人扱いとかはされないことでしょう。話のネタなりカラオケで歌う場合の参考にでもしてください。