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LOVEの穴

2013年06月

28-01













 なんていうか、オレずーーーっと「一期は一期でそれなりに綺麗に締める」「提示された物事にひととおりの解決をみる」ハズだと強く思い込んでたんですね。なのでひたすら「最後の一話で綺麗に全部解決する」ルートだけを夢想していたのだけど…
28-02













 全部が全部後半に持越しッッッ!!
28-03













 …で終わってしまったwwwショーコもエルエルフもハルトも負けたまま終わり。キューマは仇を討つどころか残ヴァルヴレイヴ3機まとめてオーバーヒートしたっきり。そもそもモジュールが目的地の月に到着すらしない!!12話で片付いたエピソードは「ハルト&サキ」と「ショーコ&アキラ」だけで、カインが「元々ミジンコ用に作られていた弐号機にミジンコを入れて動かす」ってところまで、さすがに話中で描かれたそこまではほぼ予想どおりだったのだけど、ホントにちょうどそこで終わり
28-04













 ショーコとエルエルフは「親越え」をまだしないでいいからこの時点でカインを出し抜かなくていいし三度目の正直の演説もしなくていい。むしろカインがエルエルフの「超えられない父」である、というコトをもう存っ分にアピールして終わっちゃう。ハルトもここでいいトコを見せなくていいから「エピソードの主役」が廻ってきたアキラにドリルを始末する花形を演じさせていい。月に到着すらしなくていいから、まだ咲森学園から「卒業」しなくていい。肝心の前提を見誤ると全部が全部を見誤る目隠し完全計器飛行によるシミュレーション結果の典型だわね。
28-05













 「僕の人生を懸けて責任を取らせて欲しいんだ」
 「ハルトだってわかってるんでしょ。あれが神憑きの発作だって」

 "取らせてくれと願う責任自体が存在しない"コトを"ハルト自身もわかっている"とサキが指摘するコトで、めでたく伝説発動キャンセル。6話のこの位置のやりとりを踏まえたうえでみると、アレな前段部分がホントかウソかは察するコトができる。サキが切り出した「ウソだと言い張るシビアな過去」は「薄々じつは本当」なのが6話。じゃあ「ホントだと言い張るシビアな過去」ではじまるこの12話は?…ああそういや、
28-06













 「この機体は頂いていくよ。一族の未来のために」

 願掛け機のまえで、こんなふうに「自分が〇〇する」と宣言してもそりゃまったく無意味。単純に「願えばいい」。「俺達が見張っててやるよ」なんて自分から言っちゃったら超キケン!
28-07













 「長い人生に友人は大切だよ

 これはプルーのコトなのか、他の誰か(総統etc)のコトなのか。「長い」は不老不死の隠喩として、そう語りかける先がアードライってのも実に思わせぶりな芝居で、どうしてもいらんコト思っちゃうわw
28-08













 「君は私の左目となって、私の革命を一緒に見るんだ」

 なんか7話以降ひたすらヨゴレを避け続けてきてとうとうコレだ。内側からのドルシア革命を目指すのがアードライ。むしろヨゴレはハーノインが引き受けるっぽい雰囲気。
28-09













 「君には嫌な記憶しかないだろうが…頼むよプルー」
 「人間め…!」

 二番目にしてこの12話最大のビックリ。「シルエットは時縞博士」じゃなく「カインはピノの兄」じゃなく、ミジンコがシルエットの人物にしてピノの兄だった。これでヴァルヴレイヴサイドの兄妹系の天岩戸自体は成立したけど、カインの妹じゃないようだ。「ようだ」というのは、彼らの正確な相関関係がまだ不透明というか「欺瞞されていたものが鮮やかに暴かれたら、まずまっさきに"その暴きも欺瞞かもしれない"と思え」が鉄則だから。ネットでよくある「〇〇ってじつは××なんだって」。「"じつは"のロジック」ってあまりに好まれ易いのだけど、好むがゆえにその「じつは」の方を疑わなくなってドツボに嵌るパターンがあまりに多い。…しかし疑うよりもなによりも、まずとにかくまんまと出し抜かれて超スゲーと思ったよ。導き出される「兄の存在」とイメージで捉える「シルエット」が同一にしてあらたな人物で、それぞれ容易に類推されるカインと時縞博士ではどちらもない、という。
28-10





 

 ショーコとエルエルフがここまでの密度で父越えの物語(=子どもの独立は親からの独立)をやってる以上、ハルトにだけ父越え要素がないってそりゃおかしいし、早々ともう「私たちが世界のウラです」なんて雁首揃えてハッキリ自己紹介しちゃうくらいなんだから、ウラのウラはしっかりあるんじゃね。全世界のオモテとウラのあらゆるすべてを敵に回すなんてとある秘密の組織ではとうてい無理、もはやいち個人でないと実現不可能でしょう。リーゼロッテがとうとうカケラも出てこない一期最終回をみて、「今回描かれたモノこそ物語の重要な要素のすべて」だなんて思えるハズがない。
28-11













 「ピエドラ=デルソル最強!」

 またもその名は"石の太陽"。しかし英語、独語に続きスペイン語までチャンポンのまじドルシア無国籍。
28-12













 「アイロン!?」

 「ぎんいろ」に続きサキの言語感覚の描写も細かい。ここまでしつこく冷却問題をアピールしまくって「打開策がない」なんて「ない」ですよねw
28-13













 「進化を遡ってミジンコになれっていうようなもの」

 自分は偶然あの結晶体をミジンコミジンコと言い表してきたのだけど、虚を突かれて実際に台詞にして聞くと面白かった。コレも流れからはあまりに唐突な台詞、示唆深い。冒頭&ラストの芝居からいっても、人類の起源とかに纏わる展開っぽいよね。
28-14













 ダイナミック外出。天岩戸系の「扉」がひらくトリガーは、現時点の見立てでは「親越えへの挑戦」からの「約束」かな、と。 「約束」ね…。
28-15













 流石にコレは今の自分には解釈はムリ。今はムリでも「いつかは」の可能性は捨てはしないけど。ドリルに引っ掛かってぐうぜん昇ってきたというのは無茶だし、だからって誰かがこっそりココまで持ってきたとかありえるのだろうか?なぜか機関部シャッターが開いてるあたりが伏線ぽくも見え、そうでないようにも見え…
28-16













 「お兄ちゃん!」

 そしてなる程CV茅野先生はこうやって使うのか!と今回三大ビックリのラストがコレ。アイナとのじつに見事な入れ替わり劇!
28-17













 かくて咲森学園の卒業式はキャンセルされた。じっさいのトコ、「月に着いたら」のフラグがキタのは「ショーコ個人が」とか「ハルト個人が」ってレベルじゃなくて「咲森学園の全員が」そうだった、というオチ。秘密の組織はドルシアとジオールにまたがるだけでなく、アルスの内部、トップまですべてグルということで、結局世界のどこにも中立安寧の地はありませんでした。
28-18







 月に到着してめでたしめでたしにはもはやまったくならなくなって、このまま月を超え、もう直接地球本陣に攻め込むしかない。月到着後は中立領土組とスリーV独立殴り込み隊の二手に分かれるんじゃないかと思ってたのだけど、こりゃまとめて一蓮托生の行動するしかないね。この戦いで国民をガンッガン間引き・口減らしして、コンパクトな移動単位が可能な規模、同行して取り回せる人数にまで切り詰めなきゃ。
28-19













 そして子ども独立劇が必要だったのは、そんな「世界まとめてグル」な状況があったが故という…。
28-20













 ああ、ここまでやっておいて二期が「この対峙のシーンの続きからはじまるとはとうてい思えません。この緊迫させまくった展開のヒキをまるっと無視して、まったく説明もせず、回想も入れず、いきなり「数か月後の地球本土」で、それなりに落ち着いてる彼らがなんやかんやするトコから後半1話がはじまるんじゃないでしょうか。
 「この窮地のあと何があったのか・どうやって皆がドルシア軍から逃げ出せたのか」は二期の革命が実行開始されてから、あるとき折りをみてやっと明かされる、そんなような。

 あと、この弐号機は終始全作画だったんで、二期にはちゃんとしたCGのガワがつくと思いますよ。 
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#革命機ヴァルヴレイヴ

 「ピット」が破壊され命綱の冷却設備を失ったヴァルヴレイヴ陣営。ガンガン敵兵に侵入されて、システム崩壊寸前状態。どうすんの!?…というかですね、ヴァルヴレイヴ・システムにオレはずーっと違和感を抱え続けてるんですよ。この冷却問題に関して。「どうすんの?」のクエスチョンマークがずっと頭から離れない。

 だって、そりゃあヴァルヴレイヴは攻防の性能だけみれば「単騎」で艦隊を相手にできる戦略級の超兵器だろうけど、どうやっても「単騎では軍隊相手に運用できっこない。この矛盾。
 本番運用、実戦配備されるときは、まぁドルシアに攻め込むにしても、ジオール領土を回遊して守備に就くにしても、理屈の上では「ヴァルヴレイヴと作戦行動を共にする"移動式冷却システム"」が、実機とセットで必ず用意されるハズなのよ。そうでなくては一度きりのビックリ芸、ネタがバレれば消耗戦でたちまち負けて、それでおしまい。

 なので、他作品の機動兵器ならいざしらず、この設定に基づくスリーVプロジェクト内では「ヴァルヴレイヴの母艦となる専用航宙艦」も同時開発されてないとおかしいの。こんだけ繰りっ返し繰りっ返し冷却問題を取り上げて印象付けているのに、なぜかその手の「母艦の影がいっさいみえない。これは流石におかしい。

 もちろん、まず本体だけを先行して開発し、試験運用のためにとりあえず開発拠点のモジュール内に冷却システムを据えました、運用の要になる母艦の方はさあこれから着手する予定でした…という流れでも良いのだけど、母艦以外のすべてはいきなり実戦運用に耐えうる完璧なレベルで揃っていて、母艦だけがまるっと空白、というのはすっごい気になる。コレは運用デッキ実装が明かされた6話から、ずっとアタマに引っ掛かって引っ掛かって引っ掛かり続けてきたコト。
 「現時点でまったくカケラも開発されてなかった」ルート、その場合どうなるのかというと、彼ら独立を果たしたヴァルヴレイヴチームには今後も冷却設備が必要なのに、たとえばドルシアかアルスの軍艦をブン獲ってきても、特有の冷却システムだけはどうにもできない。自前で用意する工業力も、それに掛けられる時間(半年後に天下統一完了)もまったくありゃしない。

 すると、このどうしても回避できない致命的大問題には「もう既に母艦も完成していて、モジュール内に密かに用意されている」しか「解」がないような気がするのだけど…。それ以外の解が、自分のチンケなオツムじゃひと月掛けてもいっこうに思いつかない(まず思い至った「母艦が既にある」って解に依存し過ぎて、他の解を模索するちからがないともいう)。

 5~6話で舞台から姿を消してたエルエルフさん、一週間以上も単独行動で「たんけん!ぼくのモジュール77」をみっちりやったハズなので、そのトキに彼一人だけがヴァルヴレイヴ母艦を見つけてるのかもしれない。

 それを8話の契約締結をもって皆にサクッと明かし、9話以降、国民すべて「我が国は"脱出にも使える"母艦を保有している前提ですべてコトを運んでる、そんな「仮定」をここで提示したい。独立劇のトリックと同じ手法「劇中の誰もが知ってる常識」だけど「視聴者にだけは肝心のひとことが知らされない」情報操作の印象操作。伏せられた「月への脱出」と同じロジック、「母艦での脱出」…以降全てはこの「仮定」に基づくので、この仮定がハズれてたら、こっからだらだらだらだら書くコトは全部無効。それでもいいからまぁ書いてみるよ。脳内でとっても楽しいから。

 10話でイデアールに取り付けられたのは多段階ブースターみたいなものかなと思ってたけど、男の武器・ドリルwだった。まっすぐ筒型で、これがまるでラミエルみたいにモジュール77内を掘り進む。カイン達はそれについていくでもなく、まるきり別方向に進んでいくんで、コレは歩兵突入用のなんやかんやではないらしい。かといって地上まで貫通させても「だから何?」の世界なので、きっとおそらくモジュールの構造中心で爆発させるつもりのミサイルなんだろう。
 ハッ!!もしかしてヴァルヴレイヴ最終回を飾るファイナル駄洒落は「土管でドカン!」なんじゃねえの?また世界を暴いてしまった!ドリルミサイルのちょっと変なカタチと色には重大な意味があった!
 
敵を誘い込んでからの殲滅戦。私の指導が行き届いているようで嬉しいよ」

 やっぱエルエルフの真骨頂って「それすらも予想済みだ」なワケですよ。彼が目論んでるのって、カインの得意げな台詞そのものをじかに行っちゃうかんぺきな出し抜き劇、「突入部隊をモジュール内に誘い込んでからの」「一網打尽の殲滅戦」なんじゃないの?
 
 独立後に描かれる戦いは5回、そのうち6話戦と8話戦にはおそとで交戦中に生徒が教室に待機して騒ぎまくってるシーンが設けられている(7話戦はクーデター中)のに、エルエルフ参画後の9話と11話にはじつはその手のシーンはひとつもない。総理官邸に向かうシーンでは、むしろまったくひと気がない。校舎はすっからかんの無人状態。彼らはいったいどこに行ったのか。

 エルエルフが軍師に座って以降「一般国民は、戦闘発生するたび速やかに母艦に避難する段取りになっている」としても理屈はとおる。たとえそれが母艦でなくても、ノン気に地上施設にそのまま居させるよりか、地下のなるべく安全なブロックに避難させるのがスジですから。千人規模の非戦闘要員は、とっくに全員母艦に乗り込んで待機してるのかもしれないんだ。
 
 最後は戦闘要員も全部集めて母艦でモジュール77を離脱、同時にドリルミサイルをこっちから先に起爆させ、離脱する前のカインも敵軍も全部まとめてモジュールごとふっとばす作戦。モジュール77に奇襲をかけられドリルミサイルがブチ込まれるのも、歩兵にガンガン突入されまくるのも、それこそがエルエルフの作戦の前提部分。「我らが愛する咲森学園」を粉微塵に破壊してしまうなんて作戦、どうやっても国民の同意が得られっこないから、そのキモの部分だけをずっと伏せ、あらかじめ母艦避難をルール化し、あえて出し抜かれたように見せかけて「もうそれしかない状態にわざと追い込むと。

 今モジュール内で応戦し慌てふためいてる戦闘要員連中はその肝心の自爆戦法の部分をまだ知らないから、これからも暮らしていけると「信じてる」大切なモジュールの破壊阻止に懸命なだけ。そう見立てると成り行きがすこぶる自然。
 
 そしてこのルートだと、いよいよになって「咲森学園なんか要らない。爆破して捨てるんだ」とエルエルフが冷たく国民に言い放ち、ワザと暴動寸前にもってって、そこで「あえてドン底に蹴り落とした」初代総理大臣に振り、いきり立つ彼らをショーコひとりで収めさせるコトで彼女を立ち直らせるってのが纏まりが良い。演説だって語る相手は聴衆じゃなくて自分自身」だもの。「身を切らねば活路がない」状態の重ね合わせに持ちこむのが11話からの仕込み。ショーコをスパルタで鍛えて革命の指導者としてステージアップさせるのがエルエルフの狙い。つい今さっき、何もできず父を見殺しにするしかなかった自分自身の境遇こそが迫真の説得、演説に繋がるの。

 エルエルフの醍醐味が「卓越した頭脳による予測」なら、ショーコのクライマックスは「個性に拠る堂々たる演説」。これが4話、10話、12話の三連鎖で完成されるイベントになる。「誰にも頼らず、自分の足で立って」「やりたいコトをやろう」「そのために覚悟を決めよう」…。

 そしてショーコの演説には夫唱婦随のハルト(ハルショーの場合は常に婦唱夫随だが)のアクションが必ずセットで同時進行するのがルール。一度目4話は「モジュール」を「上から」ガンガン押してダイソンスフィアから離脱。二度目10話はサキの体に「下から」「ブチ込んだ」(←)でしょ?だからこの三度目は、それらを踏まえて「モジュールという体」に「下から」「ブチ込む」んだよ。今回こそ三度目の正直、ハルトはしっかりショーコのメッセージを聞き届けてから撃ってほしいのです。
 
 母校咲森学園の地下、中心地点で止まってるドリルミサイル。これに色欲が本質のハルトがブチ込む。つまり、モジュールそのものを女体に見立てたときの所作、真下からハルトがライフルを使って「外壁という処女膜」を破り、あらかじめドリルが掘削し貫通してる「坑道という膣」を通り、「半透明のビーム弾体という精子」を「ドリルミサイルという卵子」に到達させる。すると「受精」したミサイルはいのちが生まれる大爆発を起こすって筋書きだ。

 主役トリオ最後のひとり、締めはやっぱり「ロボットのちからで爆発させる獣性」のハルト、でしょう?
 
 そしてそして、「宇宙要塞の垂直坑道で下から真上にライフルを一発撃つ」ってコレ機動戦士ガンダム最終回の語り草、ラストシューティングの構図そのまんまや!

  ガンダムのラストシューティングってさあ、ポスターとか見るとワカりいいんだけど、肩アーマーがひっくり返ってないんだよね。モーションよりも画ヅラ優先で、肩アーマーを天地逆にしないようにしてる。あの画どおりにライフルを構えるなら、腕は体前方じゃなくて右方向から振り上げないといけない。
 流石にいまどきの物理可動が前提のデザイン、ヴァルヴレイヴにはそんな問題は発生せず、肩アーマーが肩関節から独立して回転できるんで、別に正面から振り上たって大丈夫。でもこのシーンだけ、むしろ肩端装甲に干渉してでも「あえて横から振り上げる」としたらどうだろう?大の字に立った姿勢で、右手をおおきく横から振り上げる所作。

「サヨナラ」の芝居。

 4話で極限のカタルシスを得たのは「生徒たちがめいめいに突き上げる拳」と「ヴァルヴレイヴがモジュール天板を押すために突き上げた両腕」の所作のシンクロ。だったら最終回のクライマックスを決めるシーンも「ひと」と「ひとならざるもの」の一瞬の同化であってほしい。

 モジュール77も視点を変えれば二項化同心円の天岩戸。「モジュールという固い外郭」>「校舎というユルい内郭」の二重構造の揺り籠で暮らしてるのが咲森学園生徒なのだから、ショーコとエルエルフのダブル親越えをトリガーにして扉を開き、いいかげんここらで安寧の住処から巣立たないといけないのですよう。 
 ショーコの身を切る演説で生徒たちは覚悟を決め、彼らを乗せた母艦が脱出し、それと同時にヴァルヴレイヴ壱号機によるドリルミサイル狙撃開始。ロボットによる「ラストシューティングという"サヨナラ"」と共に、巣立っていく生徒皆がめいめいに手を振って、母なる咲森学園に「みんなで"サヨナラ"」して終わるんだ。

 いやー脳内でドーパミン充実。

 …ああ、あくまで「一話でここまでの全部を解決す」なら、たとえば自分ならこんなかんじに組み立ててみる、「おれならこうする」って一例なので。それにコレじゃ二期に向けてのヒキ要素がまったくないしね。そんなコトよりあー願わくばせめて母艦、ボカン!
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#革命機ヴァルヴレイヴ

26-01













 11話といいながら10話ぶんのダベりからスタート。
26-02













 うふふこのシーンって連鎖イベントだよね。立ち位置と向き言ってる内容がリンクしていく続き物。ハルトがカミ手に立ってシモ手に向き合い語るとき、相手がショーコだと「離別」になり、サキだと「接近」になんの。「大切な人のために」例によって超理論で「勝手に決別宣言」しちゃう10話と、それよりランク落ちの「友達のために」だったら素直に「相手の要求を呑もう」とする6話の対比が特に面白い。 
02-06-01













1話「夕:祠の前でハルト→ショーコ :ハルト/告白未遂」
01-07-02













2話「夜:ヴァルヴレイヴの前でショーコ←ハルト←サキ :ハルト/告白キャンセル」
26-03













 6話「夜:ヴァルヴレイヴの前でサキ←ハルト :ハルト/友達が泣いているんだ」
※「夜」なのに照明美術で「夕」に擬装してあるのが面白い※
26-04













 6話「朝:祠の前でサキ→ハルト←ショーコ :サキ/告白未遂???」
26-05













 「夕:祠の前でショーコ←ハルト←サキ :ハルト/大切な人が泣いているんだ」

 そんでもって「の前」と「ヴァルヴレイヴの前」が対応するのは、ヴァルヴレイヴが"願いを叶える悪魔"を収めたいれものだから。今回もカメラ廻しが工夫されてて、立ち去ろうとするハルトがカミ手になるようグルッと回転する。そんなもんだから、絵馬掛け側から撮ったこのカットだけだと、もはや祠の前に居るように見えない

 祠の前に見えない…つーか、アレッ? そもそも絵馬って「願いを叶える装置」じゃん。
17-20












 
 咲森の場合、「の前」イコール「L字対角に設置されてる絵馬掛けの前」になるね。…二重の引っかけかコレ!人々が伝説を認識するとき「の前」だと勝手に捉えてた成立要件、ホントは「絵馬掛けの前」なんじゃねーの?「誰かが言葉で説明してくれたものが事実なのだ」って、それ全編に仕掛けられた思い込み誘発トラップそのものだ!事実はひとつ、観測者の数だけ真実は無数に存在する…。
 イメージ先行だと「ロマンチックに」祠の前「だと思いたくなる」が、じつは「カッコ悪く生々しく」絵馬掛けの前だった、というのはとことんハード志向の革命機ヴァルヴレイヴにマッチするトリックじゃね。戦略兵器ヴァルヴレイヴはイメージ先行のロマンチックな神でも悪魔でもなく、ひたすら純粋に願いを叶える装置」であるということなのか。

 なら「伝説」の内容そのものも何の突拍子もなくごくごく自然、「願いを叶える装置の前で告白するから願いが叶って両想いになれる」という至極あたりまえのハナシ。「いっけんしただけでは奇天烈にみえ、よくみるとじつは順当」それってヴァルヴレイヴの作劇そのものじゃん。
26-06













  しかしさあ、その前でじかに願掛けしても有効なほど超強力な「願いを叶える装置」なんだったら、「ふつうに絵馬を使って」願掛けしても有効なんじゃないの?…掛かってる絵馬はほとんど恋愛に関するモノで、その手のはもちろんどうでもいい。どれが誰のかワカんない以上成ったかどうかワカんないし、こぢんまりした願いは努力次第で成せなくないもん。まぁとりあえず読めるモノを全部読むか。
26-07













「長生きできますように…」
「健康第一」
「恋したいっ」
「恋ってなんだ」
「恋愛成就」
天下統一
「まぁくんとずっとラブラブ」
「お菓子一年分ほしーいっっ!!!」
「クリスマスまでに彼氏ができますように 郁子」
「パティシエになりたい」
「ななみちゃんみたいな彼女!」
「できればケンジと一緒に 〇み」
「恋したい」
「サキちゃん好きだー!」
「テストで100点とれますように☆」
「視力がよくなりますように 〇」
王子サマの登場求ム!
「ダーリンと結婚 」
「ライブ 〇〇」
「ヤマト様と巡り逢えますように」
「週休5日制」
「マサくん↑あたし マサくん大好き」
「医者の〇できますように」
「豪遊したい(笑)」
「貴生川先生 〇〇」
天使に会いたいぜ!!
「俺も変したい ←恋だバーカ」
「大塚センパイ ラブラブラブラブ 愛してる」
「SNRのライブ 〇〇」
生まれかわったら男の子になりたい..(o´v`o)
「忍耐力」
「消費税が上がる前にマンション購入」
「お金もってる彼〇」
「修学旅行であの人と一緒にまわりたい」
「この恋が叶いますように」

 ふうやれやれ。意外と多かったがなんとか全部チェック終了。このなかで恋愛だの健康だの就職だの財産だの以外の「絶対叶わないハズの無茶な願掛け」は4つしかない。それが"これまでに"叶えられたかどうかを調べれば、このシステムが有効であるコトは証明できる。その4つは…「王子サマの登場求ム!」「天下統一」「生まれかわったら男の子になりたい..(o´v`o)」「天使に会いたいぜ!!」ええっ?まさか、これって…!
17-14












 
 「生まれかわったら男の子になりたい」 →6話「生まれかわって男の子になってみた」
21-14













 「王子サマの登場求ム」→7話「ドルシアの王子が単身咲森学園にやってくる」
17-24













 「天下統一」→7話「200年以上続く第三銀河帝国の成立」
26-08













 「天使に会いたいぜ」→9話「天国からの使い=アイナの幻影に遭遇する」
 
 無茶苦茶な願いは「全部」「とっくに」叶ってたwwwするってーと、今回出たあたらしい願掛けも、その答えは同時に出てたワケだ。「お父さんが無事でいますように」。指南総理大臣は無事だ。いや、良かったねショーコ。

 ここまでが10話視聴後の思いふけり。正確には11話初回オンエアの2時間前。んで11話に臨む…。
 
26-09













 はい、ショーコの願掛け「お父さんが無事でいますように」もとうぜん叶えられました。
26-10













 …しかしさあ、たしかに叶えられた、叶えられたけれど、成就直後に死んじゃうの。願掛けした者自身が見殺しにしちゃう。なんてエグい顛末なの。
26-11












 
 「無事でいる」願いを成立させるといっても、人間はそりゃいつか死ぬのだから、それこそ不老不死になって「永遠に無事でいる」か「願掛け者に無事であることを認識させてその瞬間にシステム保護を打ち切る」かの二択。今回は後者で、ショーコが認識したらその時点で契約成立し、成立したとたんに暴力を振るわれはじめた。
26-12













 かんじんの相手が死ぬことで天使に出会えたキューマ、ニンゲンを辞めることで男の子になれたサキ(その絵馬にだけ顔文字が書かれてある!)、王子が登場したにはしたけど敵軍だった無名の願掛け者。絵馬も相当な猿の手システムだ。願いを叶えるかわりに相応の対価を要求する押し売りシステム。天下統一は7話アバンで示すコトで「既にかなった」。どんな無茶な願いでも必ず叶えてしまう超絶ハイスペックなシステムであることが証明された。
26-13













 番組内で「必ず叶う」とハッキリ証明されて"から"、番組内で「初めて」絵馬として掛けられたのがショーコの願い。それが10話。だからそのシグナルさえ見落とさずにいれば、次の11話でいきなり願いが叶うコト、代償を支払うコトを予想するってのはじゅうぶん可能だったワケだ。
26-14













  まぁこの伝説システム、比喩じゃなく語義どおり解釈するとか、成立させるために平気で外道レベルの無茶するとか「性根が腐った悪魔」にも思えるんだけど、ここは同じく「願いを叶える装置」であるヴァルヴレイヴ…女神のキャラに通じる、善意も悪意もないキチガイじみたレベルのただひたすらの無垢さなんじゃないだろうか。プラスでもマイナスでもない純粋な"ゼロ"。
26-15












 
 「天下統一」のためにまず人が死にまくるとか、「天使」の要件を成立させるために殺しちゃうとか、「代償の先払い」を容赦なく強いたりもすんだけど、いっぽうで「願いを叶える代償は先払いが可」なのも劇中でサキが示してちゃってんだよね。プラマイゼロ理論。オモテにはウラがあり、オモテとウラを足すとニュートラルになるという。つまり、ここまででモノすごい先払いをした人には、ひきかえに後でモノすごいリターンがある、ということにもなるハズ。
 
 …そしてそんな伝説システムの真実についてさらに一段階解釈を深めたタイミングぴったりにの示唆が提示されるんですよ。じつにエグい。己の思考全てがまるでエルエルフの掌の上、ヴァルヴレイヴはほんとうに微塵も容赦ない。11話ラスト、ハルトはわざわざ壱号機を降り、対面の四号機に飛び移って…
26-16







 「"願いを叶える装置"という成立要件」を満たしたうえで「プロポーズ」する!

 えっ?…じゃあコレなんなの?ここで伝説が成立しちゃうの?いったいどうなるの?
 伝説のルールが発動すると断るコトが絶対にできない」のだから、このまま「時縞ハルト様&時縞サキ様・ハッピーマリッジ!おめでとう!」しかないじゃーん!ショーコの方はどうなんのーっ!?
26-17













 うーん、うーん、伝説の法則を回避できる方法があるとすれば、サキが「ソレ本気で願ってないでしょう、責任を取ろうとしてるだけでしょう」と指摘し、ハルトが図星!って顔をして、そのうえで断る、あたりかなぁ…。「願ってないコト」だとされれば「叶えるシステムが起動しないからね。ああ、いったいサキはどういうリアクションをするんだろう?
 
 でもしかし、ハルトのプロポーズのシーケンス、この芝居…なんだかどこかで「既に観たコトがある」ぞ。ああそうか。5話ラスト~6話アバンのハルトとサキふたりきりのやりとりを"再演"してんだ。
26-18







 「ハルトが四号機コクピットに押しかけて追い出される
26-19







 「サキがハルトを恋人つなぎで捕まえる

 じゃあ、次回アバンでやるハズの「プロポーズへの返事」は何の「再演」になるんだろう?象徴的なシーンのうちどれか、って脳内サーチしてみたら…
26-20




































 コレだ!きっと次回アタマにこれをやるハズ。このシーン、サキが何と言ったか覚えてます?

 「ハルト、あなたって良い人ね
 「ごめんね
 「だって、ウソだから

 コレって一字一句変えずにプロポーズへの返事として成立しちゃってる台詞じゃんwww

 つまりサキは次回「ごめんなさい。だって、あなたのその告白はウソだから」と断ってしまう、と。
 
 サキが「ウソだから受けない」と言い回した瞬間、「それはハルトの"願い"ではない」と確定され、壱号機を前にすることで条件成立してる「願いを叶える悪魔の伝説」もフルオートでキャンセルされるコトになる。なんて精密完璧な仕込みなんだ!…きっと、たぶんwww
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#革命機ヴァルヴレイヴ

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 ご覧いただいた画像は自家製「かんぺきなハムエッグ」。この理想的なバランスを得るタメには、まず市販のパック入りよりもひとまわりデカいハムが必要。んでそのハム(お高い…)を単体で焼く。それとは別進行で、玉ねぎを輪切りにし、中央最外殻だけを抜き出してフライパンにセット。ここに玉子を割り落とし、ゆっくり焼いて目玉焼きをつくる。ハムの肉と脂が熱せられジューシーに焼けたらその真ん中に目玉焼きを乗っけて大完成!
 オレンジ色に輝く黄身の鮮やかさを損ねないため蓋はしない。最後まで玉ねぎフレームにセットしたままだと、いかにも「枠に嵌めて焼きました」感が出て自然さがなくなるので、半分熟したころにそっと枠を外して若干の輪郭の流れだしを設けるのがコツ。まさに「意図されたぐうぜん」だね。
07-07-0207-07-0107-06























 ええとそんなハムエッグ、これが"世界"の比喩にして"ヴァルヴレイヴ"の比喩ではないかというのがかねてからの自分の見立て。これをさらに確信させたのが8-9話。
25-01













 「を"はんぶん"になんて、できるわけがない!」
 「ハムエッグの黄身は"はんぶんこ"にはできない」との衝撃的な発言で有名なハムエルフ氏、そのルーツが8話終盤に明かされる。
20-09













 「これで我が一族は…を繋ぐことができる」
 そしてその直後、エピソードの"ヒキ"。無垢なエルリゼと対比されるように明かされる、謀略家カインの目的の一端。自分らののためにヴァルヴレイヴを得ようとする。
25-14













 搭乗者契約は肉体の不死化。永遠の。ああ、なる程「がいちばん大事なんだ。
 ソレは置いて、9話感想。9話はもうキューマに尽きる。ああ、なる程「9話」だけに…。
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 「もうこれ以上犠牲を出さないためなんだ!"みんな"で幸せになるためなんだ!」
 「…"みんな"って誰のコトだよ?」
 「その"みんな"ってやらのなかに、てめーは入ってんのかよ!」
 「自分が入ってねぇ"みんな"なんて、クソだろうが!!」

 かんじんの自分自身を抜きにした「みんな」、この世界なんて絶対ありえない。自分の吐く言葉、とる行動は、誰でもない自分のためだけにある。エルエルフと山田を通して9話でキューマがやっと辿りつけた答え。"この物語"における真理。この世で最も尊く美しいものはエゴ。
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 「…"みんな"のためじゃない。」
 「俺は…"俺のため"に戦いたいんだ!」
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 10話のショーコの演説とレイプ劇はその拡張。他の誰かのためじゃなく、何かに強いられたからじゃなく、ひとは自分のやりたいことをやるべきだ。…やりたい願い、それが「たまたま」他の誰かのためなんだったら、それもためらいなく全力で、誰でもない自分自身のためにソレをやれ。もちろんやりたいことをやる以上、代価は必ず支払わねばならない。おおきな願いにはおおきな代償が必要だ。覚悟して、それでも「やれ」と。それを決断するのも誰でもない自分自身
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 サンプル1 距離:遠 「"ヤスラカニ"、っと」
 サンプル2 距離:中 「櫻井さん、見てる?…結局言いそびれちゃったわ」
 サンプル3 距離:近 「ああ、解ったよ。アイナ!」

 アイナという他人へのそれぞれからのバラバラな距離感、めいめいに身勝手に折り合いがつけられるアイナという人物像。「他人」というものは「自分」という観測者がいなければ成り立たない。善きにつけ悪しきにつけ、この世界において他人とは「自分のために存在するオブジェクト」に過ぎない。
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 自分にウソついて"遠い"フリして「ヤスラカニ」を押しても折り合いなんかつきっこない。自分の本心を自分に向かって正直に吐露し、その指で改めて「ほんとうの折り合いつけの"ボタン"」、自分を殺すほどの激情の「Yes」をついに押すキューマ。
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 戦いのさなか、"まさにいよいよ"なタイミングでパイロットたちの前にあらわれるアイナのイメージ。死して尊い聖母が少年を導く…まったく「サンライズ的演出ではあるのだけど、このヴァルヴレイヴではそんな「聖母はまったくの虚像でしかない。何の奇跡ももたらさない。何の意志も行使しない。もちろん台詞なんかあるワケない。巨大アイナ像は戦艦のビーム砲を止めちゃいない。
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 機動戦士ゼータガンダム最終回で主人公カミーユの前にあらわれた戦死者たち、折角眼前にあらわれたのに、肝心のそのカミーユをほっといて幽霊同志で痴話喧嘩おっぱじめるのは流石というか何つーか、すごい衝撃的なシーンだったw…いっぽうガンダムUCで描かれる「死して尊いすがた」はヴァルヴレイヴと同じタイプ

 ハルトもキューマも「そこにいないアイナを見るという"儀式"」をもって決断を果たす。他人とは自分自身を見るためにだけ存在するもの。「下すべき決断」なんか内心とっくにわかっちゃいるけど、どうしてもわだかまりがまだ残ってる。それを振り払うために、身勝手にアイナという他人を使ってる」んだ。このアイナ像の描写においてはファンタジー現象、オカルトなんかどこにもない。その対極、ただ生々しい人間の行動があるだけ。
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 偽りのアイナが喋る言葉は、誰でもない自分が発してる言葉。「エルエルフと手を組むべきだ」「死んでしまった者への執着は捨てるべきだ」…そんな聞きたくなかった自分自身の声と彼らが向き合うためのツールがアイナという自慰玩具。ヴァルヴレイヴの物語は、誰も彼もがとことん身勝手だからこそ美しい。もちろんアイナ自身にもじつはアイナだけの身勝手な世界があり、見た目どおりのただの「天使」に終わらないキャラクターを抱えてる。誰も彼もが身勝手だから美しい。

 俯瞰したこの世界がどうあるか、あるべきなのかなんてコトは心底クソどうでもいい。事実なんかより大切なのは、誰でもない自分自身が事実とどう向き合い、どう解釈するのか。自分だけの真実、たったひとつそれだけが世界のすべてだ。エゴだけがすべて。「命は等価、世界は平等」なんて冗談でしょうw この世界=誰でもない自分自身にとって「重い命」と「軽い命」の格差はハッキリ存在するんだよ。それがない世界、それに目を背けて過ごす世界なんてディストピアそのもの、まったく笑えない冗談でしかない。モブはモブという身分を重々わきまえてひっそり死ね。
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 うぁーいかに9話のハナシが「この世でこの自分自身だけが大好き」を常日頃から強く標榜し続けてるオレのツボを突いたか、描かれる価値観強く共感したかはまぁさておき、9話をフルに使って訴えかけられたメッセージ、それは自分世界の関係。

 世界とはイコール自分自身のこと、この自分こそが世界。世界という概念がハムエッグに見立てられるのなら、まったく同じように自分自身もハムエッグに見立てられなきゃおかしいよね。ダブルスタンダードは絶対に許さない。ハムエッグは世界ハムエッグは自分自身。その中心、欠かせざるモノ…「ハムエッグの黄身」=「世界における輝く太陽」=「はんぶんこにできないひとのいのち」。この簡潔に成立する等号よ。太陽はいのち。
 すると「ハムエッグのハム」の方は「世界における大地(それを可視化したものがダイソンスフィアの外殻構造)」であり「ひとの肉体」というコトになるな。世界もひとも、そのすべてが二項化同心円として図示される。命=太陽=心、中心にある抽象的なこのへんの概念を纏めて「」と呼び、大地や肉体といった外殻部分、物理的な存在を「」とでも呼ぶべきか。
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 しかしそれにしても「」というこのお題、もちろんここではじめて出てきたワケじゃない。革命機ヴァルヴレイヴは最初っから一貫して、清々しいくらいに「」をあらわしてる。
 ヴァルヴレイヴという機体が全力で体現する太陽は、命の象徴。太陽とは永遠に燃え盛る命。太陽崇拝とは生命への崇拝。そしてヴァルヴレイヴが実際にもたらしたものは文字通りの永遠の命。コア機関部=太陽=命=霊、それと一体化せずただ取り囲むフレーム=大地=肉。ヴァルヴレイヴも同心円構造だ。
22-02













 そしてキーワードである「革命」、それは語義どおりの「世界を変革すること」であり、字義どおりの「命をあらためること」でもある。このダブルミーニング。作品を貫くポリシーはブレなくひとつ。ヴァルヴレイヴはどこを切っても「世界=自分=二項化同心円」。強烈な意志、強烈な作品性。あーじつに素晴らしい!
25-13













 「諸君!国家とは何だ!」
 「総ての国民が最も必要とし求めているもの、それは"命"だ!…自由も平等も総ては命があってこそ
 「が無ければ正義も正論も通りはしない!国家とは力である!」
 「赤い木曜日の悲劇を忘れてはならない。」
 「未来を違え失われた同胞の血に懸けて、ドルシアに絶対無敗の勝利を!」
 
 もうすっかり記憶の彼方にいっちゃった、5話、ドルシア子安総統の全国民に向けたすこぶるどうでもいい演説。コレ2行目いらなくね?この時点ではよくある「アホ独裁者の演説」と思って聞き流してたんだけど、一字一句正確にことばを追うと、2行目だけ他全体と噛み合っているようで噛み合ってない。特に2行目から3行目への論理展開がまるでなってない。命か~ら~の~、だったら話の流れは「力が無ければ」→「が脅かされる」等になるハズだし、最後だって「同胞の」じゃなくて「同胞の」にならないと締まらないでしょう?どんな素人演説だ。いっそ抜かしていいよ2行目。2行目さえ抜かせばキチンと筋道とおった演説になるから。

 この革命機ヴァルヴレイヴやアクエリオンEVOLは異化のお話。「"おかしい"を無くしたい同化の作劇」とは真逆、「"おかしい"を生みたい異化の作劇」。異化にあっては「おかしい」は観客の思考を誘発するために与えられたツール。積極的に挿し込まれた違和感を見つけ、それをトリガーにして考えろと。異化にあっては、同化で尊ばれ絶対視される「キャラへの感情移入」はむしろ積極的に否定するべき要素とされる。同化劇という「オモテの世界」と対極なのが異化劇という「ウラの世界」。作劇手法をひっくり返すから価値観もひっくり返る。
22-23













 2行目を抜かした「正しい演説」と、2行目だけの「おかしな演説」の2つを同時に子安は力説してる。前者がキャラクターの視点「ドルシア総統からの国民へのメッセージ」。国家とは力だ。なら後者は?…物語の視点「革命機ヴァルヴレイヴからの観客へのメッセージ」。まず命ありき。なんじゃね。アクエリオンEVOLでも、ときどき「おかしな台詞」が登場する。劇中その状況下、その人物の立ち位置・知識からは吐き出されるハズのないおかしなロジック、象徴的な単語。それは「その人物のことば」ではなく、物語がとつぜんキャラクターに"憑依"して喋ってる「物語のことば」。

 いやしかし、物語に沿ってひたすらに命=心=精神性=」を志向するエルエルフ&サキはいいけれど、そうではない人たちこそが、かんじんなポジションにいますよね。
17-16













 「ハムエッグの主役はハムでしょう!」と言い切り、「うん、ハムは大事だ」と即座に同意するハルト。やっぱりハルト&ショーコは「」担当ってコトですわ。

 大事なのは命、「」の方こそが絶対的に尊いのだ!…んなわきゃない。「霊」と「肉」どっちか片方だけが大事なんでなく、両方キッチリ揃えてこそですよ。対極を志向する半端者どうしが手に手をとって団結してはじめてコトが成せるハズ。なんせ、「霊肉一致」して誕生する理想世界が「第三帝国」なんだから。はじまりはすべてをあらわす。彼らと世界が行き着く「答え」は、まさに1話冒頭のナレーション、いきなり言葉で提示されてるモノそのもの。
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#革命機ヴァルヴレイヴ

24-01













 さていよいよ最終決戦も間近。ヴァルヴレイヴはようやく4機揃い、ドルシア少年隊4機ときっちりタイマンバトルできるお膳立てがやっと揃ったよ。未だ登録されてない六号機?…ああ、あれはプロレス要員じゃないでしょう。その機体特性とキャラを最大限に活かし切る「ふさわしい舞台」が、タイマン戦とは別にちゃんとある。夢を語ろうー。
24-02













 敵軍がはじめて総力で臨む最終決戦、おそらくその「開始後」に初起動、乗るのはおそらくアキラ(cvあお)、機体仕様は電子戦特化…そしてドルシア軍装備の決定的特徴から導き出される答えはおそらくwひとつ。
24-03













 視界を覆い尽くさんばかりのバッフェ隊、これまでにない規模の数押しゴリ押しで、自軍がロボットたった4機じゃちっとも防戦が追い付かない!もうダメ!無理!ってトコにさっそうと駆けつける紫のVI号機。
 24-04













 マジカルステッキをひと振りすると…雲霞の如く押し寄せてた無人バッフェが全機ピタッ!と停止、もうひと振りすると全機が高度なチーム機動を披露しながら有人バッフェに容赦なく襲いかかんの。一発形勢大逆転のキメ技「無人機全ハッキング」。RX-0ニュータイプデストロイモードでいう、相手のファンネル・ビットの制御権ブン獲りと同じ技ですね。
24-05













 バッフェの基本編制が「有人機+随伴無人」ってのがここでのミソで、無人機すべてが寝返っちゃうと、どんな大規模編制だろうが必ず戦力の2/3が敵方に回るコトになる。戦艦やイデアールも勘案すれば、いっきに五分五分近くには持ち込めるって寸法。
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 これは魔法少女の起こすビックリ一発芸。ネタがバレれば対策なんか容易なんで、コレはたった一回だけ通用する乾坤一擲の大勝負、とっときの大技。まさに"まどか"ってワケじゃないが、第一期終了ギリギリの"最終決戦"にだけ参戦するコトに「意味」を乗せるならコレじゃないかなぁ。しかもなんと素晴らしいコトに、これは戦況全体をひっくり返す大技でありつつ「有人には効かないという、とっても都合の良すぎるギミック。ザコを一手に引き受けつつ、イデアールの少年隊だけはそのままヴァルヴレイヴとガチンコバトルが続けられるんだ。最終決戦における「出番のわきまえ度」を絶妙な按配に位置づけられる。
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 いやまぁ、そんな夢いっぱいの「こうなったらいいな」話はおいといて、仮にタイマン戦があるとすれば、予想されるそのカードを順にみていきたい。まず下っ端から。山田vsイクスアイン。他の組み合わせと違ってここだけどっちも何も背負ってないアタマも悪いわ、カンペキ前座格の対戦カード。ああ、ここでいう「アタマが悪い」って「察しが悪い勘が鈍い」って意味ですね。脳筋ゴリラvsインテリメガネの弾幕戦、コントラストもすこぶるちょうど良いでしょう。
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 そして次にハルトvsアードライ。エルエルフを巡る「修羅場対決」なのは言うまでもない。
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 そしてこの戦いのメインイベントは、もちろんキューマvsクーフィア
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 キューマの大将、ここで梶を討たんでいつ討つんだよ!今でしょ!ってなモンですよ。脱出ポッドも取り逃さずクーフィアの息の根をきっちり止めるべし。容赦なくブッ殺せ。
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 …ええと、残ったのはサキvsハーノインか。これも必然。
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 「今日は特別に新しいステップを魅せてあげる!」
 「…一騎打ちってわけ?」
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 「そうしたいトコだけどよ…!」

 7話、例のブーメラン作戦発動直前のやりとり。ここでハーノインは「サキから申し込まれたダンス」を「仕方なく断ってる」の。最後にちゃんとこの埋め合わせをしないでは、優男がすたるってモンですよ。
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 2話冒頭でもハーノインはアイナを連れて駆け出すサキに反射的に銃をいちど向けて、それから思い直してレディを見逃し、ハルエルフに改めて銃口を向ける。あれがハノイじゃなくクーフィアだったら様子をみるまでもなく即行で乱射してふたりを殺しちゃってたかもしれない。「ハイ、ココで説明させていただきますよ!的台詞だけに頼らない、ほんの一瞬の無言の所作で為人をみせる細やかな演出ですね。この夜の一連の銃撃戦もじつに示唆深く、それだけでまたひとつ記事ができる量のネタが込められてるのだけど、例によってパス。
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 ヴァルヴレイヴの映像は、気にも留めない画面の隅っこで各キャラクターがこっそり無言でガンガン自律行動してて、それが間を置いたのちのエピソードに密かに繋がってくんで、観る者に存分に「唐突」をもたらしてくれるつくり。
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 それから、ああ、そういやこんなのもあったな。サキの相手はハーノイン一択じゃね?

 …ここまでがとある話の前フリだったんだけども、無駄に長くなったんで、このヨタ話はここで切って終わりにします。いやしかし、この最終決戦にかける期待の高さがうかがえますね!オレの!

 だからとにかく個人的にはアキラちゃんを乗せてください。ソレだけでいい、お願いします。

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