IPA がソフトウェア開発分析データ集 2022 を公開していたのでメモ。
エンピリカル系のソフトウェア工学では基礎なる貴重なデータですね。
特にグラフの欠陥密度についてのデータが興味深いです。これは稼働 6 ヶ月後の kSLOC(Source Lines of Code) あたりの欠陥密度、つまり、「リリースから半年でソースコード 1000 行あたりバグがいくつ見つかるか?」という値です。
惜しいのは欠陥の定義が書かれていないので、どの程度の欠陥で 1 件とカウントされているのか分かりません。そんなわけでこれを多いとみるか少ないと見るかは判断が分かれそうですが、とりあえず規模が小さいほど、ばらつきが大きいという傾向については間違いなさそうです。
「ソフトウェア開発分析データ集2022」の発行:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
これまでに収集したデータ数は分析データ集2020で5,000件を超え、今回の分析データ集2022では5,546件になりました。この分析データ集2022では、分析データ集2020と同様に、過去のデータ白書であまり見られていない図表などは省略しコンパクトにすることで読みやすくし、開発プロセスに依存しない普遍的なメトリクスである信頼性を中心に分析しました。前回の分析データ集2020では「信頼性は向上するも生産性は低下」が特徴でした。そして、今回の分析データ集2022では「信頼性も生産性も低下」という傾向になりました。
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