その昔、国が帝によって治められていた頃の話。
国には、古来より伝わる三種の神器「赤の恵夢帽子(あかのえむぼうし)」「金の破魔星(きんのはまぼし)」「退魔の大槌(たいまのおおつち)」が奉げられ、その神力によって人々は平穏な生活を送っていた。しかしある時、闇より現れた怪物「異形(いぎょう)」によって三種の神器が奪い去られてしまう。この出来事を境に国情は一変、人々の間で飢餓や疫病が蔓延し、国は急速に衰退の道を辿っていった。
帝が世を憂えている中、廃墟と化した都にそびえる「魔楼閣(まろうかく)」の地下に三種の神器が隠されていることが判る。これを受け、帝は魔楼閣に猛者たちを向かわせ神器の奪還を図ったが、彼らが戻ることはなかった。帝はわずかな望みに賭けて古都の守り神に親書を送り、窮地を救う者の訪れを待った。すると帝の前に、白装束を纏う一人の若者が現れた。不思議な霊力を備えるその若者・蔵部景品(くらべかげしな)は、帝から託された使命を受け、神器が眠る魔楼閣へと向かった。
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