「花のれん」は吉本興業の創業者・吉本せいをモデルに、ショービジネスに人生を捧げた興行師・河島多加(かわしまたか)の生涯を描く物語。21歳で大阪・船場の呉服店に嫁いだ彼女は、怠け者の夫・吉三郎によって経営悪化の岐路に立ったことを機に「いっそ、道楽を本業に」と場末の寄席小屋を買い、夫婦で寄席商売を始める。しかし吉三郎は愛人を作った末にあっけなく他界。多加は彼が残した借金返済のため、持ち前の根性と商才で小屋を拡大し、大阪の街に笑いを届けていく。そんな中、多加は窮地を救ってくれたある男性客に淡い恋心を抱くのだった。
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