証券界における強引な資金集めで詐欺罪に問われ服役していた北浜の風雲児の異名を持つ伝説の相場師・内藤が、5年の刑期を終えてナニワの街に帰ってきた。株取引で多くの人を苦しめたことに負い目を感じていた彼は、きっぱりとその世界から足を洗うことを誓っていたが、多額の利益を生み出す彼の腕に群がろうとする輩は決して少なくなかった。そんな中に、大淀信用金庫の上層部の連中の姿もあった。理事長は、合併問題で揺れる信用金庫の不正融資などこれまでの放漫経営の発覚を恐れて、負債額の返済に内藤を利用しようと企んでいた。初めはそんな理事長の申し出を断った内藤だが、恩人の経営するボクシングジムの競売中止と引き替えに、証券界に復帰することを決意。たちまちかつての勢いを取り戻し、理事長に多額の利益をもたらすのであった。ところがその途端、用の無くなった内藤が理事長の送った刺客に襲われ、それをかばったボクサーの瀬田が車に轢かれて大怪我を負ってしまう。理事長の卑劣なやり方に激怒した内藤は、ジムの後輩である安斉ら借王たちと理事長の金を巻き上げることを計画。ヤクザの絡んだ3億の不良債権の回収に焦る理事長の弱みにつけ込んで、まんまと3億を騙し取ることに成功する。しかし、内藤は1億円を安斉たちに黙ってジムに寄付すると、そのまま姿を消してしまうのであった。
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