時は近未来――
世界を掌握するのは、神の役割を代行しようとする量子人工知能だった。
その人工知能〝アダム〟が考える神の機能とは畏怖の対象――
つまり圧倒的な恐怖だった。
機械仕掛けの神とも畏れられる自立型機械兵器『デウスエクスマキナ』が、
世界各地の都市を占拠し、従わない人間を虐殺していく。
人類最後の砦〝東京アーク〟の近郊では、
〝アヴァター〟と呼ばれる強化人間達が攻防を繰り広げている。
彼らの主戦武器〝スケイプゴート〟は、仲間の強化人間の遺体から製造される。
誰かの死が残された誰かを強くする。だから彼らは決まってこう口にするのだ。
「骨は拾ってやる――」と。
彼らの使命は、機械兵団による東京アーク侵入を防ぐこと。
敵軍が最深部に到達すると大神災〝リマスタリング〟が起き、人の歴史が終わる。
機械兵団が迫る中、〝その人物〟は培養ポッドの中で目覚める。
強化人間アヴァターの中でも特別な新型として作り出された。
輪廻計画――
戦死者の人格を移植し続けることで戦闘の経験値を未来へ引き継ぐ。
人類最後の希望であるその強化人間は、世界を救う力を得るために、
これまで積み重ねられた多くの〝死〟を追体験することになる。
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