あんたは、特別な子だから。生きて、生き延びて-この腐った世界に。復讐するのよ。頭の中に響く、かつて告げられた言葉に、クラウ・クロムは苦笑する。「どうやら俺は、それほど特別じゃなかったみたいだぞ、母さん」エーミレル私設兵団の実験場で、5歳のクラウは、"絶対的な死"に直面していた。完全に閉鎖された広間で、炎の鳥の化け物に殺されていく子供たち。そんな中、クラウの横でルークと名乗る少年が、飄々と笑った…。後にシオンと深く関わることになる、クラウとルーク。二人の知られざる出逢いが語られる、伝勇伝サーガ。
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