西暦2125年、太陽系外縁の開発に着手していた太陽系開発機構(SSDO)は、エネルギー問題の解決と開発のシンボルとして、2140年の実現へ向けて「木星太陽化計画」(JS計画)を進めていた。その前線基地であるミネルヴァ基地に、宇宙飛行士ホジャ・キンと、宇宙言語学者ミリセント・ウィレムが計画主任・本田英二を訪ねて来た。
ミリセントは英二に、「火星の極冠の氷をとかしたところ、ナスカの地上絵にそっくりの地上絵が発見された。それは太陽系にやって来た宇宙人からのメッセージのようで、それを解く鍵は木星の大気内にあるようだ。ついては調査に協力して欲しい」と申し出る。
また、キンは、「彗星源探査に行くことになった。ここ数年、冥王星軌道の外から来る彗星が異常に減っている。無人探査機を2機飛ばしたが、2機とも消息を絶った」と友人でもある英二に告げる。
その後、英二はミネルヴァ基地の説明会で、キンやミリセントと同じ長距離貨客宇宙船「TOKYO-III」でミネルヴァ基地の調査団としてやって来た、長らく音信不通だった恋人マリアと再会を果たすが、彼女は過激な環境保護団体「ジュピター教団」の破壊工作グループのメンバーとなっていた。
英二はミリセントに協力し、木星大気圏探査母船「MUSE-XII」と深部探査艇「JADE-III」で数万年前に太陽系を訪れた宇宙人の母船「ジュピターゴースト」の探査を行う。
一方、キンとミリセントのかつての想い人である天文学者・井上を乗せて彗星源探査に向かっていた長距離高速宇宙船「スペース・アロー」が謎の遭難を遂げる。計画責任者のマンスールによる調査の末、原因はミディアム・ブラックホール(太陽の質量の十分の一程度)との接触によるものであり、しかも太陽に衝突するコースをとっていることが判明する。
月の対策本部には、地球連邦大統領、副大統領、長官、世界天文学連合理事長、SSDO総裁が集結した。恒星間宇宙船によるバーナード星への人類移住も提案されたが、それではほんの一握りの人間しか救えない。絶望の中、対策本部に来た英二が提案した。「木星太陽化のプロセスを応用して急激な核融合反応を起こし、木星を爆発させてブラックホールに衝突させ、ブラックホールのコースを変更させる」。太陽系を救う方法は、それしかない。英二に与えられた時間は2年だった。
英二は少年科学者・カルロスらと共に木星爆破計画を進めるが、ジュピター教団の破壊工作員は爆破阻止のために最終段階を迎えていたミネルヴァ基地に潜入する。その中にはマリアの姿もあった。
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