人を殺し、その脳を食べるという「マッドクック」事件が世間を騒がす中、もう一つの連続殺人事件が密かに進行していた。連続放火殺人――「パイロマニア」事件。現場の状況から、人体が自然に発火したとしか考えられないという奇怪な殺人事件だった。しかし、これが「マッドクック」事件と相俟って市民にパニックを招きかねないと考えた警察組織上層部は、殺人の絡まない単純な放火として発表。かくして警視庁は「マッドクック」事件の解決に総力を挙げて取り組むこととなり、「パイロマニア」事件の捜査は、ごく少数の人間の手に委ねられた。
「パイロマニア」事件を担当する長谷川浩一郎刑事は、相棒の西谷夏子刑事とともに捜査を進めるうち、「マッドクック」事件との奇妙な共通点を発見する。さらに、浩一郎のプライベートなメール友達であるマコトとおぼしき人物が「パイロマニア」に殺害されてしまう。のちにマコトからメールが来たことから犠牲者は別人と分かり、ひとまず安堵する浩一郎。しかしその後も、事件は浩一郎やマコトが加入するメーリングリストのメンバーを中心に進行していく。いったい「パイロマニア」とは何者なのか? どのようにして人を焼き殺しているのか? そして、「パイロマニア」と浩一郎の間には、何らかの接点があるのだろうか?
more...大家将 アナザヘヴン〜memory of those days〜 标注为