Side A: Roaming Memories
海辺の町セルフェナに住む記憶喪失の少年、フェルト。その夢の中で少女の声が響くようになり、これを失われた記憶に関する物ではないかと考えた彼は、親友ティルスとともに世界各地をまわって手がかりを求める。そのさなかで偶然出会ったモリスやルシエを仲間に加え、レオナードと一時的に手を組んだりしながら旅を続ける。ルシエとレオナードもまた、記憶を失い倒れていた所を発見された過去があるらしい。
しかし一向に手がかりは得られない。さらに海底神殿では、アスティというフェルトと瓜二つの男に「死にたくなければシーナ(夢に出た少女)を探すな」と脅され、半殺しの目にあう。が、その直後にレオナードからシーナの居場所についての情報がもたらされ、「星の翼」にて、謎の人物・黒騎士の助力を得てアスティを敗走させ、遂にシーナと再会する。
モリスは自国へ帰り、ルシエは再び旅に出た。セルフェナに住み着いたシーナは、フェルトと楽しくデートするが、その途中フェルトとシーナの体が激しく律動し、それとともに世界を引き裂くような激しい閃光が吹き上がる。
Side B: Remember Your Heart
気がつくとフェルトは遠く離れた地にひとり。助けてくれた親切な人の話では、どういうわけか世界の陸地の一部が消滅してしまった上、ファルス帝国が世界制覇に向けて動き出したという。さらにその後、レオナードが帝国についてしまったことが判明する。
離れ離れになったシーナ、ティルス、モリス、ルシエ(ここで本名エシルが判明)を探しつづけるフェルト。行く先々で帝国と戦いながら順々に再会していき、またエレミア率いるユーディットナイツと戦いこれを改心させる。
そのさなか、アスティが和解を申し出、真実を話す(内容は長くなるため後述)。真実の重さに一時は挫けそうになるも、フェルト達は運命に立ち向かうことを決意する。そしてアスティらの助力により二分された世界をつなぎ直し、元の形に戻った世界へ戻って全ソーサルストーンを集めにいく。
真実
700年前、魔法文明全盛期。アスティは人々の幸せのために、思いを具体的な形状に変換させるソーサルストーン「思念の天使」を完成させる。だが当時人心は荒廃していたために、思念の天使から恐るべき大魔王「癌夢」が生まれてしまう。
癌夢はあまりに強く、繁栄の頂点にあった魔法文明を完膚なきまでに潰してしまう。人類絶滅だけは阻止するため、アスティは一計を案じた。それは世界を、本来絶対的なものである”存在”を四則演算の対象にしてしまえる世界構造「WOP」に変えてしまい、癌夢の存在を否定することだった。
世界をWOPにするために、リュディアが思念の天使を使って、恐怖心から、定義する力を持つ存在「写像主体」を造る。そして写像主体によって癌夢は「存在特性」の偏った4つの「概念存在」に「対概念分裂」させられ、「修正引力」によって元に戻らないようそれらは別個に封印された。フェルトはこの時できた”破壊/男”の概念存在だったのである。同様に破壊/女がシーナ、創造/女がエシル、創造/男がレオナードになる。また、フェルトの姿がアスティに似ているのは、元々似せて作ったからである。
これによって当座の危機は免れたが、話はそれで終わらなかった。写像主体が自我をもち、勝手気ままに世界をいじくりだしたのである。それを阻止するために、アスティとリュディアは写像主体の住む「リュディアの島」に自らの時を止めて固着し、写像主体を700年に渡って抑え続けることになった。
修正引力がアスティの予想以上に大きかったのか、700年たったいまになって急に次々と概念存在の封印が解けだした。フェルト、エシル、レオナードが記憶喪失で倒れていたはこのためである。そしてそれに際して部分的に復活した癌夢が黒騎士。アスティがフェルトを殺してでもシーナとの再会を阻止しようとしたのは、癌夢の復活の阻止、及び二者の接近による破壊概念の実体化をさせないためだったのである。世界の陸地の一部が消えたのは、破壊概念の実体化によって世界が2分割されてしまったからであった(セパレーション)。
癌夢と写像主体を葬れば、フェルトとシーナは憂いなく結ばれる。フェルト達は自らの運命を切り開くため、このとてつもなく大きな戦いに挑む決意をする。
Side C: On Your Mark
まずフェルト達は再会したエレミアを仲間に加え、皇帝の打倒に向かう。そして打倒に成功するが、実は皇帝は黒騎士に利用されていた。しかもレオナードは、今度は黒騎士の傘下に入ったという。
残りのソーサルストーンを集めるなかで、フェルト達はレオナードを遂に改心させる。そして集まった全ソーサルストーンの力で黒騎士の本拠地メタモルフォーゼへ向かい、黒騎士を倒す。続いてアスティがメタモルフォーゼに取り付けたリュディアの島へ移り、唯一写像主体に働きかけることのできる4人の概念存在だけで戦って、とうとう写像主体を葬る。かくして世界は700年来の脅威と束縛から解放された。
だが、写像主体の死により世界がWOPから元に戻ったことで、概念存在は概念に帰化し消えてしまうのだ。それでもエシルとレオナードは創造概念により再生できるが、フェルトとシーナは破壊概念によって完全に消されてしまう。そのことが決戦直前にフェルトがティルスに渡した手紙から判明する。フェルトは知った上で覚悟を決めていたのだ。
しかしティルスらの祈りが奇跡を起こし、フェルトもシーナも生きて元の世界に帰れる。そして彼らの本当の人生が始まるのであった。
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