ひととあやかしが共に暮らすことができる、最後の聖域。
四国、高知の山奥にある隠れ里。茂伸(ものべの)――
茂伸に古くからあるあなたの家を、そしてあなたを守るため、徳島から山を越えあなたの元にやってきたすみは、やがてあなたの妻となります。
おとまり保育で娘が不在の、夫婦水入らずの夜。
くたくたにつかれきったあなたをすみは、小さな体と、妻であり母であるがゆえの包容力で、まるで赤子をあやすように、あなたを甘やかし癒やしてくれます。
小さな足で一生懸命、けれどもしっかりツボを抑えた背中踏み。
蒸しタオルで目を癒し、オイルマッサージでこころをほぐして、のんびり耳かき。
柱時計のちくたく音に包まれながらの、慣れ親しんだ布団のぬくもり――
すみとすごす一時は、あなたを懐かしい少年時代に、そしてこころのふるさとに、きっと導いてくれるでしょう。
すみに甘えてこどもにもどって――どうぞ、穏やかにやすみください。
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