▼ストーリー▼
優しくて面倒見の良い課長への憧れを、少しずつ募らせていた私。
社員旅行で訪れた温泉宿で、そんな日常がひっくり返された。
宴会の席で同期入社の三峰君が、私の飲むピッチを心配して声をかけてくれて。
以前はなんでも他愛なく話し合えた存在の彼。今ではなかなか会えないし、綺麗どころの女子社員にモテる三峰君は、いつの間にか手の届かない存在になった。
だから嬉しくて、封印していた恋心をくすぐられ舞い上がって、思ってもいないことを言ってしまって。
後に引けなくなった私が、夕食会を抜け出し課長のいる部屋へ向かうと、そこには酔いつぶれた誰かがいた。
課長か、それとも違う誰かなのか、確認しようと覗き込むと突然、暗闇の中パシャリとフラッシュが光る。
現れたのは、三峰君だった。
「課長って、婚約してるんだって。知ってた? 寝てる課長にキスしてるこの写真、どうしよっか?」
さっきは、応援してくれると言った彼の、思ってもみない言葉に、驚いて立ち竦む。
「写メ、消して欲しかったら、俺のお願いも聞いて」
耳元へ、毒のように流れ込んだ彼の条件。
こんな彼、知らない。
言葉で、その腕で縛られた私に、逃げる選択肢なんてどこにもなかった。
ーーそして毒は、媚薬に変わるーー
▼キャラクター▼
三峰尚輝(みつみねなおき)
25歳、入社3年目。学生時代は野球部。櫻澤≪ワンコな後輩の獣欲≫と同期。
身長185cm、シャープに調った顔立ち、涼しげな目元と普段寡黙なことから一匹狼系に見られ、人を寄せ付けない雰囲気が逆に女子社員達の注目を浴びる。
しかし実際は、男子校出身で男三兄弟の真ん中という環境だった為、女性の扱いが不器用を通り越してわかっていないから近づかないだけ。
どちらかというと奥手だったが、失恋を切欠に眠っていた本能が目覚め牙を剥く。
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