主人公は、浪漫小説家だった叔父の遺言から、叔父所有の小さな孤島に建つ高台の古いホテルを相続することになる。
『琥珀館』と名付けられたその洋館には、怪しい微笑みをたたえる未亡人、フランス人形のような少女、琥珀館の一切を仕切る麗人など、数々の業を背負った者達が集う…。
相続の条件は、《一ヶ月以内に未発表の『憂いの館の虜人』を見つけ出すこと。》
夏休みの暇を持て余していた主人公は、酔人だった叔父らしいと興味本位でその謎解きに挑戦することになった。
外界から隔離された館の心地よさに引き込まれていく主人公。
…が、次第に館の本来の姿、淫靡な倒錯した世界を垣間見ることになる。
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