東京から新幹線で1時間ほどの地方都市にある、前崎家庭裁判所――。ここへ新任判事としてやってきたのは、東京への転任を断った、つまり“出世の道を蹴った変わり者”という噂の桑田義雄(船越英一郎)だった。
なんと桑田は着任当日、大きな植木を背負って現れ、司法修習生の樋口日向子(足立梨花)や調査員たちの度肝を抜く。桑田によれば、たまたま庭の植木を伐採中だった家の前を通りかかり、木のことがかわいそうに思えて譲り受けてきたという。
さっそく所内にある小さな庭に、その木を植えはじめた桑田に、一同はぼう然。しかも調停では判事らしからぬ発言ばかりを繰り出し、調査員も調停員もペースを乱されていく。
そんな中、地元の名士・佐々木建造(西岡德馬)が殺害される事件が起き、19歳の少年・立花晃(望月歩)が自首、前崎家裁に送致されてきた。実は、晃は1年ほど前、暴行事件を起こして家裁で審理が行われたことがあったのだが、戸張調査官(山中崇)が彼の本質を信じ「更生の意思あり」としたため、不処分の決定が出ていた少年だった。期待を裏切られた思いの戸張は今回こそ厳しく調査すると意気込むが、池上所長(角野卓造)が岡本調査官(佐藤仁美)を指名したため、家裁に不協和音が生まれはじめる。
晃は遊ぶ金ほしさに佐々木の家に押し入り、もみ合った末に殺害したことを認めるが、桑田は“侵入の際、佐々木家の庭にあったビワの木の枝を折った”という彼の証言に疑問を抱き…!?
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