それは、ごく当り前に始まる日常。
当り前が当り前すぎて、気付かなかった変化。
何かがどこかで変わり、少しずつ表面化する。
それは、夏の始まりだったかもしれない。
不思議と沸き立つ感情のせいだったかもしれない。
誰かを見る目が、いつしか優しくなっていた。
それは、ずっと昔のことかもしれない。
想い出の中に溶けて見えなくなっていただけかもしれない。
振り返ると、必ず側にいてくれたのに。
夏を望む日。
汗ばんだ肌に、風が心地良い。
空は青く、木々は緑に萌えていた。
それらが変わっていく何かを、
思い出したように気付かせてくれた……。
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