銀行の“黒い秘密”が詰まった“頭取の手帳”――。
盗んだ犯人の真の狙いとは!?
多加賀主水(高橋克典)は、『第七明和銀行 高田通り支店』の庶務行員。悪事を見逃すことができない性格のため、不正を追及しては職を転々としてきたが、ひょんなことから庶務行員として働きはじめ、いまや街の人気者となっていた。
ある夕方、主水と事務課の生野香織(夏菜)は『高田稲荷神社』の裏手で怪しい人影が走り去るのを目撃。駆け付けると、本店の総務部長・神無月隆三(神保悟志)が何者かに後頭部を強打されたらしく倒れこんでいた。神無月が意識不明で運び込まれたことを知り、急ぎ病院にやって来た秘書室長・新田宏冶(葛山信吾)は、ある事実を主水に告げる…。
新田によると、神無月は第七明和銀行に伝わる“頭取の手帳”を捜していたという。実は、第七明和には歴代頭取の間で受け継がれてきた1冊の手帳が存在したが、半年前に何者かに盗まれた上、3カ月前には本店人事部の行員が「すべては頭取の手帳のせいだ」というメールを残して謎の自殺を遂げたのだ。噂では、手帳には銀行の根幹を揺るがしかねない重大な不祥事が数々記されているらしく、犯人は何らかの目的のために手帳を盗み、そこに名前が載っていた行員を脅しまわっているのではないか…。そう案じた神無月が行方を捜しはじめた矢先、「高田稲荷神社の裏の祠を見ろ」という謎の文書が舞い込み、その指示に従って神社を訪ねたところ、神無月は何者かに襲われてしまったようだ。
犯人ともみあったときに手帳の1枚が破れたのか、神無月が握りしめていた紙片には“不正取引”や“規律違反行為者”という文字の下に、謎の数字とイニシャルが並べられていた。主水は神無月の代わりに、手帳の謎を調べはじめる。
折しも、高田通り支店は統廃合の危機にさらされていた。本店の営業統括部長・浅葉亮平(尾美としのり)が新たに導入した“支店評価システム”によって、高田通り支店は最低ランクに位置付けられていたのだ。浅葉のライバルで“立て直しのスペシャリスト”として知られる支店長・山内貴恵(高島礼子)が赴任してきたものの、行員たちはやはり浅葉が導入した“融資審査プログラム”に頼りきりで営業努力もせず、貴恵だけが焦っている状況だった。
手帳の行方、そして犯人を探るうち、主水は紙片に書かれていたイニシャルが高田通り支店の面々と一致することに気づく。しかもその疑惑のメンバーが全員、同じ社宅に住んでいることを知り…!?
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