『イーハトーヴォ物語』(イーハトーヴォものがたり)は、1993年3月5日にヘクトから発売されたスーパーファミコン用ゲームソフト。メーカーの公称ジャンルはRPG。宮沢賢治の童話を題材としている。
童話作家の賢治が、作品の舞台として創造した幻想郷イーハトーヴォの旅を描いたゲームである。発売時にメーカーが公表したゲームジャンルは「RPG」となっている。しかし、ゲーム本編の表示が『ウルティマ』(1981年)や『ドラゴンクエスト』(1986年)に代表される「2D見下ろし型」のマップであるものの、一般的なRPGのシステムとして頻出する「戦闘」「レベルアップ」「買い物」などの要素は全く存在しない。移動と会話、そして少数のアイテムの活用という実際の進行は、RPGというよりアドベンチャーゲームに近く、当時のゲーム雑誌などではアドベンチャーゲームとして紹介されていた事もある。また、ゲーム内容それ自体も複雑な推理やパズル要素などは無く、元となった童話作品の筋書きに従って登場人物との会話を重ねていけば、自然と話が進む程度の難易度である。全体的には、ゲームとして意思決定や射幸心の充足を楽しむことより、原作世界の再現という要素が大きい。
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