関東監察医務院から東都医科大学の法医学教室に講師として派遣されることになった監察医の篠宮葉月(高島礼子)は、そこで学生時代の恋人・峰岸誠(鶴見辰吾)と再会する。峰岸は東都医科大学の脳外科で准教授を務めており、同じく准教授の山尾貴一朗(春田純一)と教授昇格を争っている最中だった。
葉月は峰岸に誘われ、峰岸行きつけの「スナック文月」へとやって来る。そこは峰岸が父の代から通うスナックで、葉月はママの中原優子(大空眞弓)とすっかり意気投合し、楽しいひと時を過ごす。
ところが、その夜の2人の様子が何者かによって隠し撮りされ、峰岸が自分の愛人・葉月を講師に抜擢したという内容のビラが大学内に出回ってしまう。教授選に誹謗中傷はつきものだと葉月は気にしないようにするが…。
そんな中、葉月と峰岸の写真を隠し撮りした男・本郷忠志(西興一朗)が遺体で発見される。本郷は石段から転落したものと見られ、解剖を担当した葉月も、死因は頭部を強打したことによる脳挫傷と判断する。しかし、本郷の首筋には、何かで刺された直径2mmほどの穴があった…。
本郷は東都医科大学を卒業した医師だったが、前の病院を解雇されたため、学生時代の恩師である峰岸に大学病院に戻してもらうよう頼んでいたという。本郷の妻・美由紀(矢部美穂)の証言から、本郷が持っていたはずのショルダーバッグが無くなっていることをつかんだ警視庁捜査一課の刑事・風間は、所轄の刑事・大川(掛田誠)とともに、事件当夜の本郷の足取りを追い始める。
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