夏休み最後の日。
主人公・三岳隆一はいつもの様に琴ヶ浜町の写真を撮り回っていた。
彼は自らが通う琴ヶ浜学園に立ち寄りグラウンドの片隅、槐(エンジュ)の木の下に佇む見知らぬ少女の姿を見る。
少女は琴ヶ浜学園の制服を着ていた。
膝裏まで伸びた長い黒髪を惜しげもなく潮風にさらす少女。
隆一は黒髪をかき上げた彼女の横顔を思わずカメラに収めていた。
少女に声を掛けようとする隆一だったが 彼が一瞬目を放した隙に彼女の姿は消えていた。
それから数日後…… 少女は転校生として隆一の前に姿を現した。
夏の終わり。 止まっていた時が動き出したのを 三岳隆一は確かに感じた。
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