https://wiki.cha-ken.info/スーパータロム
DVD「アニメの王国」版「チャージマン研!」に収録。
どことなく手塚治虫氏の「鉄腕アトム」っぽいのは、手塚氏の版権の問題でアトムを初めとする過去作品の再アニメ化が不可能となっていた1972年当時に、 虫プロダクション出身者であるナック社長の西野くんに「スーパータロムで鉄腕アトムの夢を引き継ぎたい」という意思があった為である。
しかし、肝心の出来は出落ち・超展開・空耳等とナッククォリティ全開であり、チャー研や同じパイロット作品である
「透明少年探偵アキラ」に勝るとも劣らない突っ込み所満載の内容である。そのため、チャーケニストからは「劣腕アトム」と揶揄される事が多い。
とは言え、本作はBGMが既存のナック作品からの流用だったアキラとは違い、既に主題歌やBGMが作られており、結構な資金をかけて製作された事が窺える。
本作の原画(及び演出)を担当したのは、田中英二氏ではなく実際にアトム等数多くの手塚アニメに携わっていた杉山卓氏である。
だが、杉山氏が妥協をせずに作品を作り上げた結果、1ヶ月の予定だった制作期間が2ヶ月まで延びた上に、
パイロットフィルムにしては異例の23分という長さに仕上がった事により予算オーバーとなってしまった為、
慌てたナック側が杉山氏を初めとする制作スタッフが去った後に無理矢理10分程に縮めた結果、現在のタロムが仕上がってしまったらしい。
本来の「杉山氏の本気」だった23分版タロムがどのような内容だったのかは、今となっては確認のしようがないのである。
結局上記の理由に加え、この作品に買い手がつかなかった事により、以降ナックの資金繰りがかなり苦しくなってしまったらしい。
その後、1977年にタロムと同様の経緯で東映動画により制作された「ジェッターマルス」が放映され、1980年にアトム自体が再び
放映される運びとなるが、皮肉にも「アトムの夢を引き継ぐ」はずであったタロムが日の目を見たのは、制作から数十年後に
「アニメの王国」の一編として発売されてからであった。
「チャージマン研!」の変装後の泉研やバリカンのデザインは、この作品の登場人物であるタロムとファイターに似ており、
この作品がチャー研が制作されるきっかけを作ったのかもしれない。一部では「チャー研のパイロット版」とも噂されている。
元々正式にアニメ化をする予定だったからなのか、チャー研同様コミカライズ版が存在しており、秋葉原博士等といったオリジナルキャラクターが登場している。
ナック作品の中ではチャー研、アキラに次いで人気が高いが、「アニメの王国」のジャケットには、
何故かタロム関連のカットは一つも掲載されていない。
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