主演の永瀬正敏はキティフィルムの『ションベンライダー』でデビュー。脚本の高星由美子はこの後に『タッチ』のシリーズ構成を手がけた。
同時上映はあだち充原作の『ナイン』のアニメ版。後にあだち充原作のテレビアニメ『タッチ』を手がけるスタッフが制作し、既にフジテレビの日生ファミリースペシャルで放映されたテレビスペシャルである。
監督である井筒和幸は、受諾してから初めて原作漫画に目を通したが「内容のなさにあきれた」という印象を抱く。仕事にとりかかったものの、まもなく鬱病を発症して精神科医に「仕事のストレスでの離人症のため、最低2カ月の療養が必要」と診断されるが、3日延期したのみで以後は抗鬱剤を服用しながら撮影をしたと語っている。
映画は、真人が高校2年生の夏休みから始まり、2学期が始まるところで終わっており、その中に原作のエピソード(冒頭 - 翌年の母の日、コミックの1巻 - 3巻に相当する部分)が散りばめられている。また、謎の女子大生や家庭教師など、原作にはない登場人物の設定がある。
真人が高校2年生の夏休みに(父親所有と思われる)海沿いの別荘に、鹿島みゆき、竜一、矢内清美、三原佐知子、村木の6名が集まっているところから始まる(原作では、海沿いの民宿でのアルバイト)。真人と若松みゆきの再会シーンも異なり、逆ナンパはない。また、再会時の年齢も原作よりそれぞれ1歳上である。そのほか、エピソードの設定に相違点が多々ある。
more...