不夜城・ラスベガスは、今日も嘘と歓楽に濡れ続ける――。

そこは欲望と紫煙渦巻くカジノ。
そのゲストルームの片隅で、
今日も貴女はルーレットを挟み、男と対峙していました。

今夜こそ勝つのだと意気込む貴女に、
彼はこう囁きます。

"Place your bets."

確かに、ゲームが始まる合図はいつもそれでした。

呼吸が深まり熱くなるのは……。
心と体を快楽で解放するのも……。

いつも、彼とのルーレット・ゲームの最中だった――。

「僕たちのめくるめく時間を始めよう」

貴女はもう戻れない。
なぜなら、ほら……ルーレットが回り始めたから……。

その言葉で、声だけで。

ルーレットの上で踊らされる内に、
貴女はもはやその美しいギャンブラーのことしか
考えられなくなっていく――。