『炎の蜃気楼』シリーズの幕末編。邂逅編の時代から200年が経ち、冥界上杉軍の使命である怨霊調伏はもはや形骸化。換生を繰り返し、終わりの見えない生を歩む事に葛藤する夜叉衆。
勤王派と佐幕派が対立し血生臭い争いを繰り広げる幕末の京都では、夜叉衆もそれぞれの派閥に分かれて立場上は敵同士になっていた。そんな中で「上杉景虎」を名乗り、勤王派ばかりを襲う人斬りが出没する。お蔦(柿崎晴家)は偽景虎の正体を見極めようとするが……
幕末という理想や希望・夢など、自分たちが忘れかけたものを抱えて「生きる」人々と時代。それらと出会った夜叉衆がどう感じ、生きたのかを描く。シリーズを通した景虎と直江の関係や、本編後半のテーマである「生きる」とは何か?などに繋がっていく布石とも取れる。
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