久しぶりに都会の風を感じたくなった。
そんな気まぐれで訪れた街で……俺は一人の女性と出会う。

色鮮やかなイルミネーション、楽しげな音楽、クリスマスの夜はその寒さを忘れたかのようににぎわっていた。
自らにぎやかな場所に訪れたというのに性分なのか静かな場所を求める。

偶然通りかかった小さな広場、そこは静かに愛を語り合う恋人たちでいっぱいだった。
男一人で居心地が良いとは言えなかったが、素敵な場所には変わりない。
座る場所を探すと、隅のベンチに一人で座っている女性がいた。

暇つぶし、寂しさを埋めるためのひと時の恋人ごっこ。思いがけず楽しいクリスマスのひと時を過ごした。
気が付いた時……俺は彼女の事を一人の女性として見ていた。

でも……彼女は結婚している。冬の寒さをいいわけに……俺たちは身体を寄せ合う……。
とめどなく溢れる想いを絡ませ合う、あなたと永久の冬の物語。

踏み込んではいけない禁断の領域に足を進めたふたりの切ないラブストーリーをお楽しみください。