美織レイ子(天海祐希)は、東洋の小さな真珠とたたえられた美貌で世界を魅了するトップモデルだった。しかし同時にそのエキセントリックな言動と奔放な恋愛遍歴で、常にスキャンダルでマスコミの注目を浴びる文字通りのスターでもあった。
そんな彼女がある日、自室で死体で発見される。第1発見者は家政婦の太田道子(キムラ緑子)。レイ子の体内からは青酸カリが検出され、警察は捜査を始める。
笹原信雄(段田安則)という大病院の内科部長が容疑者として浮上。笹原はレイ子に出会ってその美貌に魅せられ妻子、そして社会的地位も捨てて婚約したが、わずか3カ月で婚約を解消されたのだった。マスコミはレイ子に振り回された愚かな中年男の末路を大々的に書き立てた。笹原は婚約解消後も度々レイ子の部屋を訪れるが相手にされず「殺してやる」と叫んでいるところを道子に目撃されていた。レイ子の死体が発見された寝室に落ちていたクラスからは笹原の指紋が検出、灰皿に残っていた吸い殻も笹原のものとの鑑定結果が出る。さらに、笹原が勤務先から青酸カリを持ち出したことも判明。動機、物的証拠、証言が揃い、警察は笹原を殺人の容疑者として逮捕。これで、本人の自白があれば事件は解決、と思われたが、笹原は容疑を頑に否認した。
そんな中、レイ子を自社のイメージキャラクターとして起用して大成功を収めたアパレル企業・ネイチャー繊維の社長、沢森英二郎(遠藤憲一)が自殺したという衝撃的な情報が飛び込んでくる。そして残された遺書には「私はレイ子に脅迫されていた。レイ子を殺したのは私だ」とあった。警察が捜査を進めると、確かに事件当夜、沢森はレイ子の部屋を訪れていたという目撃証言が出てきた。
そんなさなか、警察に匿名の手紙が届き、レイ子が脅迫していた人間は笹原を含め複数いて、彼ら全員がレイ子を殺す動機を持っている、と書かれていた…。
いったい誰がレイ子を殺したのか!?華麗なファッション業界を舞台に、世界を魅了した一人の美しい女をめぐる複雑な人間関係と衝撃の結末が待ち受ける…。
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