近所で見かけた人懐っこい茶虎柄の野良猫。
その猫を「うに」と名づけ、
仕事帰りに会いに行くのがあなたの日課となっていた。

決まった時間に会いに来ては、うにと戯れ、
人には言えない愚痴や悩みを打ち明ける。
徐々に親しい関係になっていくふたりだが、
うにはある日を境に忽然と姿を消してしまう。

野良猫である、うにの身に何かあったのでは……
心配と同時に心にポッカリと穴が空いてしまったあなた。

そんなある日、自宅のチャイムが鳴り、
玄関の扉を空けると、そこには見知らぬ和装の男が立っていた。

「ん？　吾輩のこと見てわからないのか？　うにだよ！」

この日から、うにと名乗る男との奇妙な同棲生活が始まる。