月曜日の夜。僕こと秋山直道は、彼女と出会った。
下校中、ふと夜空を見上げると、煌々と輝く月が更に眩しく光り、そこには一人の男性が立っていた。
鎧と刀……まるで武士のような佇まいを漂わせるその男は、冷たく言い放つ。
「余の名は謙信。不知火謙信だ」
「顔を見られてしまった以上仕方がない……己の運命を呪うのだな」
僕はその男の言葉を聞きながら、自分の置かれた状況を理解した。
――殺される――
今まさに襲われそうになった、その時――響いたのは、かすかに届く鈴の音……。
「あ~れ~!!」
鈴の音を感じた途端、それは現れた。
夜空に浮かび上がる満月が輝かしく光り、そこから何かが落ちてくる。
落ちてきたのは“女性”で、よく見ると“彼女の顔には、三枚の般若の面がつけられていた。
「――天夢ちゃん、天夢ちゃん聞こえるかしら~」
突然、頭の中に声が響き渡る。その声は僕を無視してとんでもない事を言い出す。
「――もしかすると、この方が天夢に力を与えてくれる地球人かも知れませんわ」
「直道様。さあ、私の手を握ってください」
戸惑いながらも、天夢と呼ばれた少女の手を握り締めると……。
「武装変化(ぶそうへんげ)!!」
天夢の掛け声と共に、僕は彼女がまとう鎧に変化してしまった。
「瑞雲(ずいうん)呼びて龍が昇るとき、悪を殲滅(せんめつ)いたす。
夢と希望の使徒、昇龍戦姫☆天夢、只今見参!!」
天夢は、全宇宙の美しい星を手中に収めようとしている不知火軍と戦っている戦姫だったのだ。
鎧にされてとまどいながらも、本能的に何かを感じた直道。
遠き世界からやってきた天夢と共に、平安界に続き地球侵略をも企てる悪から、地球を守る戦いが今始まる!
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