「後のことは君が決めるといい」

ご主人様とよく似た面差しの男はそう言い残すと妻を連れて屋敷を去った。
玄関先で二人を見送り、その場で立ち尽くしたまま貴女は、数々の出来事を思い返す。
やがて、冷たい雨が貴女の体温を奪い、聞き覚えのあるエンジン音が聞こえてくる――。