二人の名は《アンジェリカ》と《ネーデルリーゼ》。
今ではない場所、ここではない世界、かつて在り、今はもう無くなってしまった世界に生きた二人の少女。
彼女達の物語をここに再現したいと思います。
すべては贋作、真作とは似て非なるもの。

曰く付きの宝物ほど、人を惹き付けるもの。
今回、道理を捻じ曲げ無理を通す代償として、私達の言葉は不自由に制限されています。
輪郭を曖昧に辿る様な表現ばかりを繰り返すことになり、申し訳なく思っております。
それでも、忘却の淵に沈んだ、呪われし宝石に今も焦がれる方のもとに、この歌が届くことを願っています。