二流ピアニストとヤクザ。住む世界の違う二人の青年。心を繋ぐのは、ピアノの旋律『あんたが壊れた人間であっても、俺はあんたを―』ピアノの演奏中、俺の頭の中を占めているのは、歌も演奏も聴かず、ただ誰かを見ているあの男の目。両親の営むカフェでケーキ作りを手伝う絹川祐介は、しがない二流のピアニスト。祐介には気になる男がいた。クラブで演奏している自分に鋭い視線を向けてくる青年・深見。見るものに畏怖を与える彼の視線に、いつしか心を囚われてゆく祐介。だがある日、深見が突然やってきてピアノを買ったから弾き方を教えてくれという。心の赴くまま彼のマンションへ足を運ぶようになった祐介だったが、悲しい現実を突きつけられることに。深見は同性から恋情を向けられることを、激しく嫌悪する人間だった。そして何より、彼の生きる世界は祐介の理解を遥かに超えていた……ピアノを弾いて、ずっと側にいられれば、それだけでいい―想いを秘めたまま深見の側にいる祐介。そんな時、深見への異常な執着を見せる敵対暴力団幹部・有島が動く―!深見への想いに突き動かされてゆく祐介の人生は果たして―!?
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