『むすぶ、浮気は許さない……あの本を燃やして、灰を楼閣からまいて。むすぶに手を出した罪を思い知らせる。でなければ一頁ずつ切り刻んで、鍋でとろとろにとかすか、一文字ごとに針を刺してゆくか、赤いボールペンで文字を塗りつぶしてゆくか、すべての角に穴を開けて、そこに紐を通して、馬で四方向から引っ張って引き裂いてもいい。それとも表紙の上から硫酸を振りかけてぼろぼろにして、絶対にむすぶが読めないようにするのがいい? 山羊の群れに投げ込んで、生きたままむしゃむしゃ食べさせるのがいい? それともむすぶの目に硫酸が落ちてくるよう呪いをかける? そしたら浮気できないから。そのくらい浮気の罪は重いし、むすぶとわたしの愛の巣で、むすぶがわたし以外の本をめくるのは、絶対絶対許さない。呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪う、呪うったら呪う、絶対、呪う、浮気ダメ』