正義と天秤の女神であるアストライアは、ふさわしい憑依先を選んだ。
人の上に立つべく生まれついた者――
そういう概念を認めるならば、彼女のことだ。
正義という権能を己の義務として受け入れた彼女は、権利として暴走することがない。
……ただしそういう美質とは別に、希少なもの、貴重なものを見つければ、自分が優先的に保護すべき対象と考えるふしがある。
つまり、天空でも最も優美(なハイエナ)。
身長/体重:160cm・49kg
出典:ギリシャ神話
地域:ギリシャ
属性:秩序・善 性別:女性
今回の現界にあたっては、原典のアストライアより、後の時代の正義の女神(レディ・ジャスティス)としての側面が強く出ている。
源流はギリシャ神話におけるホーラ三姉妹のひとり。
ゼウスとテミスの娘などとされるが、神話上の記述は少ない。
悪徳がはびこる鉄の時代となり、次々と去っていく神々の中で最後まで地上に踏みとどまって、人々に正義を訴えたという伝説。そして後には彼女の持った天秤が天秤座となり、自らは乙女座になったという話のほかは、ほんのわずかである。
しかし、後世になって、彼女や、彼女と同一視される母のテミス、ローマ神話のユースティティアには別の名と意味合いが与えられる。
すなわちレディ・ジャスティス。
正義の女神。裁判所や法律事務所などの前に、剣と天秤を持つ女神像を見つけたならば、彼女たちのことだ。
本来機能としての側面が強く、融通がきかない性質だったのだが、憑依先の少女に影響されて、自分自身で人を導こうとしている。
肉弾戦にやたらとこだわるのも同じ理由であり、剣と天秤を手にしたサーヴァントだが、ここぞというときは両方放り投げて、素手格闘(プロレス)こそが彼女の正義。
困ったことにというか、憑依先として選ばれた必然というか、裁判機能を持つ神霊として強靭無比たるアストライアとそのスタイルはマッチしており、単純な格闘性能ではサーヴァント屈指に至ってしまった。
○天秤の護り:A+
神霊アストライアの権能に由来するスキル。
アストライアの象徴たる天秤がその身に宿り、裁かれるべき対象からの絶対防御を展開するスキル。しかし、憑依された人間の意向によって、肉弾戦向けのスキルに変更されてしまっている。つまりプロレスラーは倒れない。
○星の裁き:A
星の権威をもって、地上の人間はおろか、裁判の対象になった場合に限り、神霊にさえその裁きを受け入れさせる。
『裁きの時はいま。汝の名を告げよ』
ランク:A+ 種別:対罪宝具
レンジ:1~100 最大捕捉:100人
クストス・モルム。
本来の権能である天秤を実体化させ、裁くべき相手を星空の法廷まで連れ出し、その罪に応じた星屑を落とす宝具。
金星の概念を渾身の一打で撃ち出すイシュタルに対して、アストライアは夜空に広がる幾多の星の概念を惜しみなくぶちまける。
「星の正義とは!
すなわちバックドロップですわ!」
もとより人間にとっての正義の具現でもある彼女は、人理を立て直す貢献を惜しまない。
未熟なマスターならば、なおさら導かねばならないと発奮する。
同時に、憑依された少女の性格もあいまって、マスターの振る舞いへの指摘は厳しい。
マスターの振る舞いが下品と感じたならば、躊躇なく(ドロップキックを含む極めて物理的な)指導に入るだろう。
彼女とともに歩むなら、鍛錬は怠らぬ方がよい。
出演

配角Fate/Grand Order 藤丸立香想不明白 第2季