そうだなあ、高校の教科書程度しか知識のない人間=ぼくが読んだのだが、読みやすいとはなかなか言えない本であった。 関東軍――満洲支配への独走と崩壊 (中公新書 2754) 作者:及川 琢英 中央公論新社Amazon その原因は、人名や役職名、組織名などが多く、それらが織りなす個別事実がたくさん書かれていて、素人には「で、それは一体どういう意味を持つのですか?」と言いたくなってしまうのである。学者からすれば、それらは軽々に規定できるものではないのかもしれない。だから、個別事実を「豊富に」並べることで読者が感じ取るように作られている気がした。 また、ぼくにとって馴染みのある「軍閥」という言葉(概念)は出てこない。最近の歴史学の動向など全然知らないのであるが、どうして使わないのか、説明はない(他方で「馬賊」「巡防隊」などはごく簡単な説明がある)。 張作霖らをリーダーとする「奉天派」というのは、こ

小熊英二さんより『日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学』(講談社現代新書)をお送りいただきました。新書でありながら600ページという常識外れの分厚さにまず目を剥きましたが、中身を読み始めて、これはいったい何という本だ!と叫んでしまいました。どういうことか?というと、私の様々な議論や本と、ほぼ重なるような内容の本になっていたからです。 http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000321617 正直言って、この著者名とこのタイトルから想像される中身とは相当に異なっています。もし本書が学術出版であれば、内容を正確に伝えるタイトルをつけるとしたら、『詳説 日本型雇用システムの形成史』となるはずです。そう、私がいくつかの本で、序説であったり傍論であったりしながら割と簡略に叙述してきた事柄を、(ページ数が増えることを全く顧慮することなく)元

『沙石集』の電子テキストを公開しました。 元和二年刊古活字本『沙石集』:やたナビTEXT 底本は、元和二年刊古活字本(京都大学蔵)です。いつもどおり、翻刻部分はパブリックドメインで、校訂本文部分はクリエイティブ・コモンズライセンス 表示 - 継承(CC BY-SA 4.0)で公開します。 『沙石集』は、鎌倉時代中期に無住によって書かれた仏教説話集・・・ということになっていますが、そう言うと無住に怒られるでしょう。 無住は執筆の意図を、序と最後の述懐に書いています。それによると、一般人のために、興味深い説話をネタにして、仏法を勧めるために書いたと言っています。 読んでみると、説話よりも無住の言葉の方がずっと多く書かれています。この無住の言葉はかなり難解で、とても本人がいうように一般人のために書いたようには思えません。仏典や漢籍の引用も多く、よほど仏教と仏教語の知識がなければすべてを理解するこ

英米軍はドイツ兵捕虜同士の赤裸々な会話を盗聴し、膨大な記録を残した。この画期的史料を歴史学と心理学で分析し兵士の本質に迫る。 第二次世界大戦中の英米軍は捕虜にしたドイツ兵の収容所に盗聴器を仕掛け、詳細な記録をとっていた。その総量は付随資料を含むと15万ページに及ぶ(記録の概説は「補遺」に記載)。 兵士から見た戦争については従来、調書、家族への手紙、回想録などが利用されてきたが、自己を正当化したり後づけの知識で補正されるなど、史料として多くの限界を抱えていた。しかし、盗聴されていることを知らない捕虜同士の会話は赤裸々で、ドイツ国防軍のみならず軍隊一般の心性史に新しい視座を拓く可能性を持っていた。 戦後も保存され1996年に機密解除されながら、書架に埋もれていたそれを発見した歴史家ナイツェルは、史料としての性格を看破し、社会心理学者ヴェルツァーに協力を求めた。人々の内面に触れるこうした史料の可

20世紀の半ば、人類史上最大の集団暴力が、ポーランドからウクライナ、ベラルーシ、バルト三国、ロシア西部にまたがる広大な地域を襲った。スターリンとヒトラーが同時に政権の座についていた1933年から45年までの12年間、この地で独ソ両国の大量殺人政策が重複して進められたのだ。スターリンもヒトラーも、自分の思い描く国造りのため、邪魔者を排除しようとした。ふたつの大国の狭間で、全体主義国家の思惑がぶつかり合い、多くの尊い命が奪われた。 東欧史を専門とするイェール大学のティモシー・スナイダー教授はその事実に着目し、この地域を”流血地帯(Bloodlands)”と名付けて調査に乗り出した。数年をかけて東欧諸国の公文書館をまわり、膨大な資料をあたって、国境で分断されてきた”地域”としての歴史を掘り起こしたのだ。そして、独ソの政策によってこの地で殺害された民間人、戦争捕虜の総数が(少なく見積もっても)14

紹介日本帝国を盟主として企図した大東亜共栄圏、その鉄道と海運・港湾、航空の交通網はズタズタで、兵站・物資流通は確保できないままだった。膨大な史料から、台湾・朝鮮・樺太・満洲の植民地と東南アジアの実態を描き、共栄圏という侵略政策の虚構をあばく。 解説『憎悪の広告』『神国日本のトンデモ決戦生活』『「愛国」の技法』の早川タダノリさん推薦! 早川タダノリ「広大な領土があっても交通網はダメダメだった(驚愕)」 「中学校の地図帳で「戦時中の日本の領土」を眺めて、ものすごくデカいことに驚いたものです。広大な大東亜共栄圏でしたが、実は交通網がズタズタ。制空権・制海権を奪われる前から、満足に物資も運べないありさまでした。鉄道、飛行機、船による戦時下の輸送ネットワークを総合的に検証した傑作です!」 イギリスとアメリカの植民地支配からアジアを解放して、東アジア・東南アジアに日本を盟主とする共存共栄の新たな国際秩

『兵士とセックス 第二次世界大戦下のフランスで米兵は何をしたのか?』 ■戦争が誘発する性暴力とは 1944年夏、フランスのノルマンディー。ここで米軍が行った上陸作戦は、しばしば軍事的側面からのみ取り上げられる。その後のフランスで、米兵がどのような生活を営んでいたのかについては、ほとんど焦点が… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。

『人頭税はなかった』来間泰男著 榕樹書林・900円+税 人頭税はなかった―伝承・事実・真実 (がじゅまるブックス) 「人頭税」とは、担税能力の差に関係なく、各個人に対して一律に同額を課する租税のことである。19世紀末まで、宮古・八重山の先島地域は「過酷な人頭税」に苦しめられてきたとされ、時には「先島差別論」とも重ねて論じられてきた。本書は、新たな歴史像を提示し、これまでの「人頭税」をめぐる議論に一石を投じている。議論の詳細については、実際に本書を読み解いていただきたいが、近世琉球の租税制度や「人頭税」がどのように論じられてきたかを紹介するとともに、「沖縄県旧慣租税制度」などの一次史料を検証し、近世琉球の王府が「間切・村」単位に租税を賦課していたこと、当時は夫役が中心であったために、先島地域のみならず、沖縄本島地域をも含めて「人頭税的」な租税制度ではあったが、決して「人頭税」では「なかった

昭和二十年(1945年)八月十五日正午、玉音放送が流れ大日本帝国臣民は敗戦を知らされた。大日本帝国の崩壊はただ日本の敗北を意味するだけではない。大日本帝国の崩壊によって大日本帝国による植民地支配体制が崩れ、新しい国家、新しい国際秩序が東アジア地域に誕生することになった。その八月十五日前後の経過を通して大日本帝国下の日本、朝鮮、台湾、満州、樺太・千島、南洋諸島、東南アジア諸地域が迎えた敗戦と変化を概観した一冊。 まず序章としてポツダム宣言の公表に至る諸国の駆け引きが、第一章ではそれを受けての日本政府の対応が描かれる。 ポツダム会議の議題はヨーロッパの戦後処理とともに唯一抗戦する日本をどうするかであった。米国内では天皇の地位を保障して早期停戦に持ち込むべきとするグルー国務次官・スティムソン陸軍長官派と天皇の地位保障を盛り込むべきでないとするバーンズ国務長官・ハル前国務長官の無条件降伏派との対立

太平洋戦争へ至る過程で軍部の台頭を許した大日本帝国の制度的欠陥の一つが「臨時軍事費特別会計」である。 臨時軍事費特別会計は大日本帝国下で戦時に戦費支出目的で定められる特別会計制度で日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦・シベリア出兵、日中戦争(支那事変)・太平洋戦争の四度設けられた。それぞれの支出額は日清戦争:約二億円、日露戦争:約十五億円、第一次・シベリア:約八億八千万円、日中・太平洋戦争:約一五五三億九千万円。 その特徴は 「一般会計とは異なり、いずれも戦争の勃発から終結までを一会計年度とし不足分は追加予算で補われる」(P90)こと「戦争の終結までが一会計年度であるので、その間に陸海軍省は議会にたいして決算報告の義務がない」(P96)ことである。 臨時軍事費特別会計法(昭和十二年法律八十四号) 第一条 支那事変ニ関スル臨時軍事費ノ会計ハ一般ノ歳入歳出ト区分シ事件ノ終局迄ヲ一会計年度トシテ特

大谷正、『日清戦争 近代日本初の対外戦争の実像』、中公新書、2014年 日清戦争について知りたい、という人がいたらためらうことなくまずこれを薦めたい、という良書です。清との戦争の影で進んでいた朝鮮半島支配などについてもきちんと目配りされています。 ところで、台湾侵攻(日台戦争)について、本書には次のような記述があります。 日本軍の侵攻に対して台湾側は激しく抵抗した。たとえば、混成第四旅団の占領地域は南進軍の補給の拠点であり、台湾兵站監部所属の軍夫が集中し、徒歩車両や背負子を使い兵站輸送にあたっていたが、抗日軍は少人数の部隊や軍夫縦列を狙って攻撃を仕掛けてきた。(後略) (230ページ) ゲリラ戦で戦うものにとっては当然の作戦ですね。なぜこの記述を引用したか、特に説明する必要もないでしょう。
“耳鼻削ぎ”とは穏やかではない。というか、野蛮。現代人はそう感じるだろう。日本の歴史上で耳や鼻を削ぐといえば、戦国時代の話かな。敵の首をいくつとったか戦功を証明するのに、首だと持って帰るには重いから耳。いや耳だと左右二つ削いで数をごまかせるので鼻になったんだっけ。いやはや、戦国時代は血腥い…。 著者は日本各地の“耳塚”“鼻塚”を訪ね歩き調査する。無惨に討たれた武士たちの耳や鼻が何百と葬られたというのなら、さぞや怨念が染み付いているだろう、怨霊話もあるだろう。耳や鼻を削ぐという行為の意味もみえてくるだろう、と思いきや。 なぜかどこへいっても「耳の神様が耳の聞こえをよくしてくださるところ」という話ばかりだったのだという。 私は日本中の耳塚・鼻塚を訪ねてまわり〜(中略)けっきょくのところ、どこの耳塚・鼻塚からも不気味な怨霊譚が聞かれることはなかった。それどころか〜(中略)土地の人から愛され、ご利

高さ92cm、幅50cm、厚さ22cm、重さ75kg。この巨大な写本は、「ギガス写本」と呼ばれており、現存する中世の写本としては最大のものである。 13世紀初め、ボヘミア(現在のチェコ)のベネディクト会の修道院で作られたと見られているが、中には悪魔の大きなイラストがあり、その製作にまつわる伝説から「悪魔の聖書」 とも呼ばれている。 修道僧が堕天使ルシファーに祈り、悪魔の手を借りる 中世期に伝えられていた話によると、この写本を書いたのは修道僧としての誓いを破り監禁された修道僧だという。 そこでの厳しい刑罰に耐えるため、修道院を永遠に称え、全ての人類の知識を集めるべく、一晩で本を写本することを誓った。 しかし真夜中ごろになって誓いを守れそうにないことがわかった。彼は神ではなく堕天使ルシファーに語りかけた。 どうか自身の魂と引き換えにこの本を完成させてほしいと。この願いを受け、悪魔は写本を完成さ

4月11 平岡昭利『アホウドリを追った日本人』(岩波新書) 9点 カテゴリ:歴史・宗教9点 台風情報などでよく聞く南大東島。この島は周囲を20メートルほどの断崖絶壁で囲まれた島で、人が上陸することはかなり難しい島でした。ところが、1900年になるとこの断崖をよじ登って島に上陸する人々が現れます。しかも、その人々は沖縄の人々ではなく200キロ以上離れた伊豆諸島の八丈島からやってきた人々でした。 「なぜ八丈島の人々は遠い島の断崖絶壁をよじ登ったのか?」これが著者をとらえた疑問だといいます。 また、日本の最東端の南鳥島。台風などが来ればひとたまりもない絶海の孤島ですが、ここにも明治期の日本人は進出していきました。 この日本人を南洋の孤島へと駆り立てたもの。それこそがこの本のタイトるにも出てくるアホウドリなのです。 この本は、「アホウドリを追った日本人」の姿を追うことで、日本の「南洋進出」の原動力

男色の日本史 なぜ世界有数の同性愛文化が栄えたのか 著者:ゲイリー・P.リュープ 出版社:作品社 ジャンル:社会・時事・政治・行政 男色の日本史―なぜ世界有数の同性愛文化が栄えたのか [著]ゲイリー・P・リュープ あったことは感得できる。けれど、どう説明したらいいのか分からない——ということが、歴史にはよくある。その昔は中世の仏教がそうであった。八百万(やおよろず)の神々を祀(まつ)る朝廷で盛んに法会が催され、僧侶が政治的影響力をもつ。これを1970年ごろ、黒田俊雄は「権門体制論」の中でスパッと説明してみせた。 仏教寺院を一大拠点として隆盛を見た(この点でキリスト教の教会とは異なる)男色(なんしょく)も、まさにそうしたものである。高貴な階層から庶民まで、日本人は男色を好んだ。これは疑いなさそうだ。でも、その理由は? 実態は? そこで本書の出番と相成る。 日本史を専攻するタフツ大学教授による

日本の軍歌 国民的音楽の歴史 (幻冬舎新書) 作者: 辻田真佐憲 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2014/07/30 メディア: 新書 この商品を含むブログ (11件) を見る こないだ辻田真佐憲・著「日本の軍歌」を読んだ。僕のような素人にも分かりやすく、新書サイズで日本における軍歌の歴史が書かれており、軍民一体となった一大軍歌大国日本の様相がつかめる面白い本だった。 この本の中で触れられている、有名な軍歌「同期の桜」の元となった歌「二輪の桜」が気になったので、ちょっと国会図書館に行って掲載されている少女倶楽部1938年2月号を読んで図書館カレーを食って帰ってきた。 「二輪の桜ー戦友の歌ー」は西條八十の詩だ。辻田氏はレコード化された時の歌詞を本に載せているが、少女倶楽部掲載版を引用してみよう。 君と僕とは二輪のさくら、 積んだ土嚢の陰に咲く、 どうせ花なら散らなきやならぬ、 見事散

ぼくは1980年代の終わり頃に共産主義者になったので、すでにそのころにはスターリンやソ連に対する憧れというものはほとんどなかった。*1 スターリンとは「共産主義の大義を貶めた極悪人」であるから、ほとんど近づきもしなかったのだ。 この点は毛沢東とは違った事情がある。 藤子不二雄Aが『毛沢東伝』を描いて毛沢東を「英雄」として扱っていたり、本多勝一がかなりの毛沢東や「文革」を肯定的に描いていたり、『銀河英雄伝説』登場人物(ヤンやハイネセン)の下敷きの一人が毛沢東であったり、コミュニストではない知識人に、毛沢東ファンが多い。 しかし、スターリンファンというのはあまり聞かない。「共産趣味」「ソ連趣味」として「スターリン好き」という人々を最近になってネットで見るようになったが、まあアレだ。「愛国戦隊大日本」を一生懸命つくってしまうメンタリティと同じであろう。 したがって、コミュニストになってから読んだ

「魔がさした」ーー世間を震撼させるほどの大事件を起こした人物が、このようにコメントしたことを聞けば「何を寝ぼけたことを」と思うのが普通だろう。だが、昨今のように専門や嗜好といった圏域が高度に細分化した世の中において、同質の集団による無菌状態、あるいは無法地帯を作り上げることなど容易なことである。たとえそのような状況下にあったとしても、人は清廉潔白で居続けられるのか。本書の「魔がさす」には、空虚な自信など容易に打ち砕くようなリアリティがあった。これは僕の話なのかもしれないし、あるいは僕の周囲にいる隣人の話なのかもしれない。 2000年10月に発覚した旧石器捏造事件については、ご記憶の方も多いだろう。当時、論争の巻き起こっていた旧石器時代の存在をめぐり、在野の考古学研究者・藤村新一は次々と旧石器を発見し注目を集めていた。藤村の行く先々で次々に前期旧石器が出土し、「神の手」「ゴッドハンド」など

→紀伊國屋ウェブストアで購入 日本と日本が植民地にしたり占領したりした国や地域との歴史認識問題は、なぜいつまでもつづくのだろうか。その理由の一端が、本書からわかる。それは、日本とそれらの国・地域の責任の考え方が違うからである。日本人は戦争に加担し、害を直接加えた人に責任があると考えている。しかし、害を受けた人びとは、それを止められなかった人や社会にも責任があると考えている。たしかに一般の日本人も被害者という側面があることは事実だが、軍国主義社会を意に反してであっても結果的に容認した日本人ひとりひとりが、間接的加害者になっていたことも自覚しなければならないだろう。ましてや実際に戦場にいた指揮官や加害の現場にいた者は、その責任から逃れることはできないだろう。ところが、戦後の日本では、早くから戦犯に問われた者も、個人的には立派な人たちであったという「物語」が語られるようになり、責任が問われるどこ

「歴史」が日中のいさかいの原因になって久しい。両国関係の冷え込みも続く。ところが、日本人が書いた中国史の翻訳本が、なぜか中国で売れ行き好調だ。 10年ほど前に日本で刊行された『中国の歴史』(講談社)という骨太のシリーズ。中国で翻訳出版されたところ、執筆者や出版社がびっくりするほどの売れ行きを見せている。 同シリーズは全12巻。筆者は原則、時代ごとに専門家1人が1巻を担当。例えば8巻は『疾駆する草原の征服者―遼 西夏金 元』といったように従来の通史にない魅力的なタイトルをつけた。ただ、日本では1冊3千円近い価格ということもあり、実売は各巻平均で1.5万部程度だった。 一方、中国版の出版元によれば、1冊50 人民元(約820円)弱という、中国ではかなり高めの価格設定にもかかわらず、今年1月の刊行から何度も増刷を重ね、現時点で6万5千セットに達し、年内に10万セットまで届きそうな勢いだとい

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