2019年夏、生態学者のパトリック・サリバン氏は軽飛行機スーパーカブで、米国アラスカ州北部ブルックス山脈の峡谷を飛行し、サーモン川の源流へと向かっていた。目的は、急速な気候変動の証拠であるツンドラ地帯への樹木の侵入を調べることだった。そのとき、驚くべき光景を目にした。澄んだ冷たい川とブルーグリーンの淵を期待し、釣り竿まで持ってきていたのに、水は濁り、川岸が鮮やかなオレンジ色に染まっていたのだ。「まるで汚水のようでした」とサリバン氏は振り返る。 サンプルの採取を終え、パックラフト(可搬型ゴムボート)で下流へ向かう間も、濁ったオレンジ色の水は続いた。川沿いでは、痩せ細ったクマを何頭も見た。 ある静かなよどみで、特に痩せたクマが近づいてきた。その暗い瞳にじっと見つめられ、サリバン氏は不安を覚えた。川の劣化が魚を減らし、クマの食料を脅かしているのではないだろうか。「私たちは生態系の崩壊を目の当たり
細菌感染症の治療や手術時の感染予防に使われ、医療現場には欠かせない薬剤が抗菌薬です。しかし近年、その抗菌薬が原料の調達不安から欠品に至るというケースが発生しており、医療関係者の間で危機感が高まっています。 ペニシリン系抗菌薬で多くのシェアをもつMeiji Seika ファルマは、この供給不安を解消すべく、厚生労働省の「医薬品安定供給支援事業」に応募。採択を受け、岐阜工場で約30年ぶりにペニシリン原薬の製造に着手しています。 抗菌薬は替えが利かない 「20世紀最大の発見」とも言われる「ペニシリン」。1928年、イギリスの細菌学者フレミング博士によって青カビから発見された、世界で初めての抗生物質です。12年後の1940年にはフローリーとチェインという二人の研究者が大量生産に成功し、以降1世紀の間に、少なくとも数百万人の命を救ってきました。現在でも呼吸器疾患の治療や外科手術の前後で用いられ、あら

毎日新聞写真部 @mainichiphoto #ノーベル化学賞 の受賞が決まり、#京都大学 の時計台の前に祝福のために集まった一般学生らと笑顔で記念撮影をする #北川進 ・京都大特別教授です 写真特集→mainichi.jp/graphs/2025100… pic.x.com/lU0RJsUGCn 2025-10-09 02:56:49 リンク 毎日新聞 ノーベル化学賞受賞の北川さんが学生から祝福、揮毫(きごう) [写真特集1/10] | 毎日新聞 ノーベル化学賞の受賞が決まり、時計台の前に祝福のために集まった一般学生らと笑顔で記念撮影をする北川進・京都大特別教授=京都市左京区の京都大で2025年10月8日午後11時23分、小関勉撮影 1 user 6

タピオカやカエルの卵ではありません。 英国のノッティンガム大学(UoL)で行われた研究により、希ガスであるクリプトン原子(Kr)をカーボンナノチューブの内部に閉じ込めることで「一次元の気体」を作成し、その様子をリアルタイムで視覚的に捉えることに成功しました。 実際に撮影された映像では、クリプトン原子が狭いチューブ内である種の「交通渋滞」に巻き込まれており、数珠つなぎに配置されている様子が見て取れます。 研究者たちは「希ガス原子がチューブ内部で一次元ガスとして生成されている様子を撮影したのは今回の研究が世界初である」と述べています。 しかし、研究者たちはいったいどうやって希ガス原子をチューブに詰めたのでしょうか? そして一次元ガスを生成することに、いったいどんな意義があるのでしょうか? 今回はまず実験に使われたカーボンナノチューブとフラーレンについて解説しつつ、研究の興味深い点を紹介したいと

異性化が何かも知らないくせに! なにか、性転換か何かだと思ってるだろ?女体化したからコーラの瓶の形状が、ってか?バカが!! 異性化ってのは元素の組成を変えずに構造、つまり分子の並び方を変えることだ マッチ棒3本を並べ替えて、△の形を4の形にしてください、みたいなパズルと同じようなもんだと思えばいい あれが異性化だ グルコースとフルクトースは、どちらもそういう名前の糖で、元素の組成は同じなんだけど、その並び方が違うから違う性質の、違う名前の糖なわけだ なので、グルコースって糖をフルクトースって糖に変えるのが異性化ってわけだ それに何の意味があるかって? めちゃくちゃ意味があるんだよ いいかい?糖ってのはスーパーに勝手に出現するんじゃない 誰かが植物から抽出して糖を作るんだ いわゆるお砂糖、これはスクロースって名前の糖なんだけど、これはサトウキビとかの汁から抽出するわけだ じゃあそれ以外に糖を

正倉院の宝物の1つで、織田信長をはじめ、時の権力者たちが求めたことで知られる「蘭奢待(らんじゃたい)」と呼ばれる香木の詳しい調査が行われ、ハチミツやシナモンのような甘い香りなど、300種類以上の香りの成分が含まれていることがわかりました。 「蘭奢待」は全長が1.5メートルほどある香木で“天下の名香”とも言われ、織田信長や足利義政など時の権力者が求め、その一部を切り取った跡が残されています。 宮内庁正倉院事務所は、樹木の研究者や香料メーカーの専門家らとともに去年10月から科学的な調査を行いました。 その結果によりますと、300種類以上の香りの成分が検出され、最も特徴的な香りとして「ラブダナム」という香りに似た成分が含まれていることがわかりました。 「ラブダナム」はハチミツやシナモンのような甘い香りが特徴とされ、この香りが全体の香りに強く影響しているとみられるということです。 「蘭奢待」は東南

6月15 N₆が合成された話 さとうです。ものすごく久しぶりに、化学ブログらしいことを書いてみようと思います。 エナジェティック・マテリアルと呼ばれる分野があります。ヒドラジン(N2H4)やアジド(N3-)など、窒素をたくさん含んだ化合物は安定性が低く、取り扱いに危険を伴います。窒素原子は非共有電子対同士の反発があり、互いに弾き合うため不安定なのです。本サイトでも、テトラアジドメタン(C(N3)4)や、ペンタゼニウムカチオン(N5+)などの話題を取り上げてきました。 テトラアジドメタン 最近では、ペンタゾール(N5-)の塩の合成と単離(論文)、窒素6つが環になったヘキサジンの塩K2N6の合成(論文)などが話題になりました。 とはいえ、窒素原子だけでできたN2以外の分子というのは難しく、これまで合成・単離された例がありませんでした。N4という分子が検出されたことはありますが、極めて不安定であ

作品概要 制作:日本ビジュアルコミュニケーションセンター 企画:化学技術研究所 カラー 21分 東京工業試験所は、数々の化学工業製品を生み出した日本の化学研究の重要な拠点でした。この施設は、近代日本の科学技術発展を象徴する存在として、1970年代まで活動を続けましたが、その後閉鎖されました。その歴史と功績は、映像『現代の夢のゆりかご』によって詳細に描かれています。 東京工業試験所は、科学の進歩と革新的な製品開発において日本をリードしました。以下は、試験所から生まれた主要な成果の一部です。 水素、窒素、アンモニア: 基礎化学の重要成分として、多くの産業領域で活用されました。 肥料: 農業の発展に寄与し、日本の食料生産を支えました。 人絹: 織物産業に革命をもたらした人工繊維の一つです。 メタノール: 化学工業の原料として幅広く利用されました。 石炭の液化石油: エネル

令和7年3月13日 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 世界初! ウランを用いた蓄電池を開発 ―劣化ウランの資源化で再生可能エネルギーとの相乗効果を最大限に発揮― 【発表のポイント】 ウランは、化学的特性から、電池の活物質として潜在的な可能性を秘めていると考えられてきました。本研究では、実用化に向けて世界で初めてウランの化学的特性を利用した「ウラン蓄電池」を開発し、充電と放電の性能を確かめました。本成果により、原子力発電の燃料製造工程で発生する当面使用予定のない「劣化ウラン」の新たな資源価値を提供するとともに、メガソーラーなど再生可能エネルギー発電の変動調整に活用することで、脱炭素社会の実現への貢献が期待できます。 【概要】 ウランは様々な化学的状態を取ることができることから、その状態変化によって充電や放電をする電池の活物質としての活用が有望視されてきました。本研究では、ウランを活

Prince Rupert’s drops have curious properties.pic.twitter.com/g0aSz6QRAx — TheSwanLeavitt (@TheSwanLeavitt) August 1,2022 銃弾で撃っても、プレス機で加圧されても壊れない、涙のような形をした謎のガラス。 このガラスは、「オランダの涙」もしくは、「ルパートの滴」と呼ばれる物体です。 しかし、このオランダの涙は尻尾のような部分を折ると全体が砕け散ってしまいます。 極端な頑丈さと、明確な弱点を持つこの不思議なガラスはなんなのでしょう? 今回はなぜこのガラスがこれほど頑丈なのか、また、なぜ尻尾部分を折ると全体が爆発的に破砕するのか解説します。

白蔵 盈太/Nirone @「一遍踊って死んでみな」文芸社文庫で発売中! @Via_Nirone7 カネカのPHBHじゃん! 生分解性プラって陸地では分解するけど微生物が少ない海中では分解できないのがほとんどな中、PHBHは海中生分解を達成したレア素材で、もっと売れていいのにと思ってたんだ。よかったねカネカ! スタバ、紙ストローやめます 25年1月からバイオプラにnikkei.com/article/DGXZQO… 2024-12-06 22:04:52 リンク 日本経済新聞 スタバ、紙ストローやめます 25年1月からバイオプラに - 日本経済新聞 スターバックスコーヒージャパン(東京・品川)は2025年1月から、店舗で提供するストローの素材を紙から植物由来のバイオマスプラスチックに切り替える。ストローを刷新するのは紙製に移行した20年以来5年ぶり。紙製に比べて飲み心地が改善し、廃棄物の削

東京大学の西林仁昭教授らは、常温常圧でアンモニアを安価に合成する技術を開発した。反応物を砕いて反応しやすくし、高価な有機溶媒を使わずに合成する。コストを抑えた実用的なアンモニア合成手法の開発につながると期待される。アンモニアは医薬品や肥料など窒素原子を含む化合物の原料として使われる。燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しないため、発電や船舶の燃料として使える。水素に比べて容易に貯蔵や運搬ができ、

ゆるふわ怪電波☆埼玉 @yuruhuwa_kdenpa北海道の札幌国際情報高校で生徒が小型爆弾を作製 ↓ 教師が回収してグラウンドに安置 職員室とかじゃなくて処理しやすい安全な場所に置いたのは優秀 先生もたまげたでしょこれ 学校の先生でも生徒が爆弾を作って持参した場合の対処マニュアルなんて無い pic.x.com/mCceGKoEXR 2024-11-22 16:25:33 リンク FNNプライムオンライン 【緊迫】「生徒が小型爆弾作った」高校グラウンドに爆弾とみられる不審物 爆発物処理班出動も「爆発の危険性低い」北海道・札幌国際情報高校|FNNプライムオンライン北海道・札幌市の高校で22日、生徒が作ったとみられる小型爆弾がグラウンドの中央付近に置かれていた。機動隊の爆発物処理班が出動し、緊迫の回収作業が行われた。爆弾とみられる不審物が明らかになったのは、22日午前11時ごろ。きっか

maman @daughtersmaman 少し前にリアルお友達をブリ堂のパーティールームにお招きしたんだけれど、 その広さを見た友達が「ここなら100人規模のパーティーが出来る!」っていうので、 「ぜひご購入いただいてパーティーしてみてください」とお伝えしておいた。 私個人は自身の所有するマンションの共有施設はせいぜい10人までくらいしかお招きできない。 それ以上になるとおもてなしもできないし目が行き届かない。 特にブリ堂なんかはアートがたくさん置いてあり、盛り上がってとんでもないことにもなって誰かが損傷などしたら大変なことになる。 ちなみに小耳に挟んだ話では某タワマン共有部でのパーティーで吐いた人がいてその物を弁償するなら何百万円とかの話もある。 タワマンパーティーは所有者が絶対の責任を負わなくてはならない。 たくさんお招きして喜びもたくさんだけれど何が起きるかはわからないので注意必要

自然人(しぜんびと) @shizenbito_ 昔の陶器は、手作りで有害な釉薬を使っていないから、 安心して使えます。 これらの食器は、 江戸、明治、大正、昭和戦前のもの。 だいたいガラクタ屋さんで 100円から500円で買ってます。 近年こんな価格では買えないことが多いですが、 タイミングとご縁でこの価格で買えます。 2度と作れない手書きの無害な陶器は、私の宝物です。 #自給自足 #田舎暮らし #昔の文化 2024-10-25 11:05:47猫田に小判 @nekotanikoban 昔の物は安全って間違い。特に赤絵の磁器は鉛の入った上絵を使っていて、昭和には鉛の含有量が問題になって海外輸出が出来なくなった有田ショックというのがあった。セレン顔料も販売規制が強化されたりと、製造業の不断の努力により日本の陶磁器は骨董よりも現在の方が安全性は高くなっている。 x.com/shizenbit

2024年のノーベル化学賞は「コンピューターを用いたタンパク質の設計」の功績で米ワシントン大学のベイカー(David Baker)教授に,「コンピューターを用いたタンパク質の構造予測」で英国Google DeepMindのハサビス(Demis Hassabis)氏とジャンパー(John Jumper)氏に授与される。 タンパク質は20種類のアミノ酸が数珠つなぎになった分子だ。それがくねくねと折りたたまれて,複雑な立体構造をとる。この「数珠つなぎ」と「立体構造」の間に,「50年来の生物学のグランド・チャレンジ」と呼ぶべき,大きな未解決問題があった。タンパク質の立体構造予測だ。 タンパク質の立体構造予測は,タンパク質の生化学はもちろん,創薬や医学研究の観点からも実現が望まれてきた。タンパク質の形状や表面の微細な凹凸などがタンパク質の機能を左右するからだ。 構造予測の歴史 1970〜1980年代

このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 東京大学と北海道大学に所属する研究者らが発表した論文「Direct evidence for a carbon-carbon one-electron σ-bond」は、炭素原子間の新しい結合様式を発見した研究報告である。炭素と炭素が電子1つだけで結合できることを実験で実証した。この発見により、1世紀前に提唱された理論が実証された。 従来の理解では、原子間の共有結合は2つの原子が価電子を出し合い、電子対を形成することで成立すると考えられていた。これは有機化合物の骨格を構築する上で重要な概念であり、医薬品やタンパク質など、生命に関わる物質の構造を説明する

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