脳に興味があるすべての人に心からおすすめできる一冊。デイヴィッド・イーグルマン『脳の地図を書き換える:神経科学の冒険』解説・紺野大地 「天才科学者がたどり着いた境地がここに。イーグルマンの本には、夢と驚きがいっぱい詰まっている」――竹内薫(サイエンス作家)推薦! デイヴィッド・イーグルマン著『脳の地図を書き換える:神経科学の冒険』(梶山あゆみ訳、早川書房)が発売しました。人が視覚や聴覚、または身体の一部を失った時に脳内ではなにが起きているのか? 脳の秘められた潜在能力を「ライブワイヤード」という概念で解き明かし、人類の未知なる可能性について探求した一冊です。発売に際して、『脳と人工知能をつないだら、人間の能力はどこまで拡張できるのか』の著者のひとり、紺野大地さんによる巻末解説を特別公開いたします。 『脳の地図を書き換える』早川書房解説 東京大学医学部付属病院 老年病科 医師 紺野大地 良

アダプティブラーニングソリューションの効果~メリット・デメリット ~一人ひとりに寄り添った教育をすべての学習者に~ 更新日: 2025 / 05 / 13 「アダプティブラーニング(Adaptive Learning) 」は、学習者1人ひとりに最適化された学習内容を提供することで、より効率的・効果的な学びを実現する学習方法です。アダプティブラーニングは理想的な教育を実現する手法として、文部科学省も推奨しています。 従来は、学校の授業であれeラーニングであれ、全員が1つのカリキュラムを同じ順番で学ぶのが一般的でした。テストもあらかじめ用意された問題のセットを解くよう設定されていました。しかしながら、学習者の理解度や弱点は1人ひとり違います。そのため一律に提供される学習プログラムが最適であるという保証はありませんでした。 個々の学習進捗や解答の正誤情報などを蓄積・分析することで、1人ひとりの理
脳は生涯に4回大きな転換点があり、構造を変え、情報処理の方法を再構築することが判明したそう。精神疾患や神経疾患が特定の年齢層で発症しやすい理由を解明する手がかりになる可能性があります。 人間の認知機能は、年齢とともに上昇し、ピークを迎えた後に低下すると考えられています。しかし、そうではなく、人間の脳のネットワークには生涯で4回大きな転換点があり、構造を変化させて情報処理の方法を再構築することが分かったそうです。英国の研究チームが科学誌Nature Communicationsに論文を発表しました。 研究チームは、新生児から90歳までの3802人を対象に脳のMRI画像を解析し、人生のどの時期に脳の配線(神経接続)が特に大きく変化するのかを調べました。その結果、9歳、32歳、66歳、83歳が、明確な転換点になることが明らかになりました。 0歳から9歳までの脳では、灰白質や白質が急速に増大し、不

目が覚めた時「今日は幸せな夢だったな」と続きを見たくなる夢を見る人もいれば、誰かに怒鳴られてハッと「夢か〜」と悪夢のような夢から目覚めた経験は誰しもがあるのではないでしょうか。 夢を見ると「どうしてあのような夢を見たのだろうか」「夢を見ていたような、見ていなかったような」という疑問がわいてくることもありますよね。 そこで今回は、寝ている間にどうして夢を見るのかという謎だらけの夢について解説。それに加え、レム睡眠やノンレム睡眠で見る夢の違い、意識的に良い夢を見ることができるのか、などもお伝えてしていきます。 未だに解明されていないことが多い夢ですが、これを機会に夢の知見を深めていきましょう。 1.人はどうして睡眠時に夢を見るの? 寝ている時に、良い夢を見て目覚めると幸せな気分になったり、悪い夢を見ると恐怖感を得たり、なんだか不思議な夢を見たら、「あれは何だったんだろう」と朝からおとぎの世界に

私たちの脳や体は、驚くべき能力を持っています。それは、変化に適応し、成長する力、つまり「可塑性」です。この概念は、私たちの日常生活や学びのプロセス、さらにはリハビリテーションにおいても重要な役割を果たしています。しかし、可塑性とは一体何なのでしょうか?また、どのように私たちの生活に影響を与えるのでしょうか?本記事では、可塑性のメカニズムを科学的に解明し、その重要性について深く掘り下げていきます。あなたもこの不思議な能力を理解し、活用することで、新たな可能性を見出すことができるかもしれません。 可塑性とは?その基本的な意味と定義 可塑性とは、物体に物理的な力を加えて変形させたとき、その力を取り除いても元に戻らない性質を指します。この性質は、プラスチックのような材料でよく見られます。力を加えられると、物体は新しい形を保持し続けます。例えば、熱可塑性樹脂は、熱を加えることで液状化または軟化するた

うつ病、自閉スペクトラム症、統合失調症......。多くの現代人を悩ませる発達障害や精神疾患について、原因解明や治療法開発のための研究が進んでいます。 今回は、話題の新刊『「心の病」の脳科学』(講談社ブルーバックス)の中から、副作用の少ない精神疾患の治療法として期待される「ニューロフィードバック」についてご紹介します。 *本記事は『「心の病」の脳科学――なぜ生じるのか、どうすれば治るのか』を一部再編集の上、紹介しています。 自分で自分の脳活動を誘導する「ニューロフィードバック」 私たちが2011年に開発したニューロフィードバックの新手法(Decoded Neurofeedback : DecNef[デクネフ])を用いることで、顔の好みを変化させたり、ヘビやクモなど苦手なものに対する恐怖反応を緩和させたりすることができます。 ニューロフィードバックとは、ごく簡単に言うと、脳の情報を解読し、そ

デコーディッドニューロフィードバックの研究と応用 心理物理学的手法、脳イメージング、計算論的神経科学を融合し、 デコーディッドニューロフィードバック(DecNef)の提唱、BMI、 医療、通信への応用研究を推進します。 新しい脳科学の方法、DecNef法 脳の状態を望ましい方向に導くことを可能とする「デコーディッド ニューロフィードバック(DecNef)」法を開発しました。 この手法を使い、脳の機能の理解を深めると共に、慢性疼痛や 脳の様々な病気の新しい治療法の開発を目指します。
ここまでの議論を「論文形式」でまとめます。測定結果を中心に、現在考えられている理論、未解決の課題、関連文献の簡単な説明、そして専門用語集を付けた形で整理します。 --- 神経科学に思うー「シナプスデモクラシー仮説と未解決の課題」(GPTー5との会話から)ー統合失調症等の精神疾患の原点ー --- 1. 序論 神経細胞の発火は、数千のシナプス入力の総合的な結果として決定される。 この「シナプスデモクラシー」仮説は、興奮性入力と抑制性入力のバランスが意思決定の基盤であるとするものである。 しかし、感情体験は一体的に立ち上がるのに対し、神経回路では興奮と抑制が分業され、時間差を伴うことが観測されている。 この矛盾は現代神経科学の重要な課題である。 --- 2. 測定結果の現状 2.1 電気生理学的測定 • パッチクランプ法により、興奮性シナプス後電位(EPSP)と抑制性シナプス後電位(IPSP)が

月浦 崇 京都大学 人間・環境学研究科 認知科学分野 DOI:10.14931/bsd.1417 原稿受付日:2012年5月9日 原稿完成日:2012年5月17日 担当編集委員:定藤 規弘(自然科学研究機構 生理学研究所 大脳皮質機能研究系) プライミング効果とは、先行する刺激(プライマー)の処理が後の刺激(ターゲット)の処理を促進または抑制する効果のことを指す。プライミング効果は潜在的(無意識的)な処理によって行われるのが特徴であり、知覚レベル(知覚的プライミング効果)や意味レベル(意味的プライミング効果)で起こる。前者の処理は刺激の知覚様式(モダリティ)の違いによって、それぞれのモダリティに特異的な大脳皮質によって媒介される一方、後者の処理は側頭連合野などの意味処理に関連する大脳皮質によって媒介される。 心理学的概要 プライミング効果とは、先行する刺激(プライマー)の処理によって、後続
tDCSは効果あり?rTMSとの違い 体に負担をあたえずに脳に対してアプローチする方法として、非侵襲的脳刺激法が心の治療に取り入れ始めています。 当院が行っているrTMS療法(反復経頭蓋磁気刺激療法)もそのひとつで、2008年より欧米で認可され、日本でも2019年にうつ病に効果ある治療法として認可されています。 そのような非侵襲的脳刺激法のひとつとして、経頭蓋直流電気刺激療法(tDCS)があります。 tDCSは、その機器の簡便さから古くから研究目的で行われてきましたが、近年では非承認医療機器として日本でも販売されるようになってきました。 適切に使えば安全性に問題はないのですが、誤った使い方をされてしまったり、誇大広告がなされてしまったりと、学会でも注意喚起がされています。 現時点でははっきりした効果が実証できず、欧米でも治療認可されていないtDCS。ですがtDCSにも、将来的に治療に活用で
両眼視野闘争とは、2つの目でそれぞれ異なる視覚図形を見た場合、どちらか一方の図形が知覚され、時間が過ぎるとともに知覚が切り替わる現象。両眼視野闘争は多義知覚の一種であり、今日では視覚入力に対する気づき(visual awareness)について研究する心理物理学的手法として良く用いられている。両眼視野闘争のデモはこちらを参照。歴史的背景 研究の歴史 両眼視野闘争の歴史は古く、16世紀には既にルネサンス期イタリアの博学者であるジャンバッティスタ・デッラ・ポルタ(Giambattistadella Porta)によって両眼視野闘争に関する記述がなされている(ポルタが仕事の能率を上げるために2冊の本を同時に左目と右目で読もうとしたところ、両眼視野闘争のために両方の本を読むことができなかったという)[1]。19世紀には、チャールズ・ホイートストン(Charles Wheatstone)が両眼視
ベジタリアンは 脳卒中のリスクが高まる 牛乳や肉などの動物性タンパク質の中には、やる気ホルモンであるドーパミンの原料、チロシンというアミノ酸が含まれています。 また、リラックスホルモンのセロトニンを生み出すトリプトファンというアミノ酸も含まれています。肉や乳製品などのタンパク質から必要なアミノ酸を取り込めなくなってしまうと、脳内物質をつくることができなくなり、認知機能の低下を引き起こし、老人脳が加速してしまうリスクがあるのです。 また、動物性タンパク質は、筋肉をつくる原料にもなるため、フレイル(健康な状態と介護が必要な状態の中間の状態)を防ぐ効果もあります。また、筋肉を維持するためにも、動物性タンパク質が豊富に含まれる「肉・魚・卵」を、バランスよく定期的に食べることが最も効果的という報告もあります。 イタリア最高齢のエンマ・モラーノさん(没年117歳)は、長寿の秘訣は1日3個の卵を食べるこ

年齢を重ねても脳をさえた状態に保てるかどうかにかかわる要素が、新たな研究で明らかになってきた。(Photograph by Britt Erlanson, Getty Images) 高齢になっても頭がさえた状態に保つにはどうしたらいいのだろうか。80歳を超えてもなお数十歳若い人と同じくらいの認知機能を持つ「スーパーエイジャー」がいるのはなぜなのか、その秘密が徐々に解き明かされつつある。 2025年8月、米ノースウェスタン大学の研究者らが、過去25年間にわたって行われたスーパーエイジャー100人以上を対象とした調査と、スーパーエイジャー77人の死後の脳の分析から得られた知見について論文を発表した。 この研究は、スーパーエイジャーたちの脳には多くの共通点があり、それらが認知機能を維持するうえで役立っている可能性があると推測している。 また、生活習慣の違いがどの程度の差を生むのかはまだ解明すべ
進撃の理学療法士藤田晋さんに憧れています。 介護分野で会社を立ち上げ、小さな通所介護施設を運営しています。 『全ての人が生きがいを持って生活できる社会を作る』 これを私の会社のミッションステートメントとし、バリバリ働きます!! 脳には妙なクセがある (扶桑社新書)/扶桑社 ¥907Amazon.co.jp 【一部抜粋】 脳を調べると、行動や心理作用に一見関係のない脳回路が共用されているという例にしばしば出くわす。こうした事実は異なる脳機能が系統発生的な根源を共有していることを示唆している。 おそらく生物は、進化の初期の過程で痛みや眼球運動などのごく原始的な生理感覚や基本運動を作り出していて、これが極めて効果的で汎用性の高いシステムであったために、後にほかの目的に応用したのだろう。 ヒトの高度な社会性を生み出すためのモラルや疎外感を制御する神経回路を、まったくの「無」から作り上げるには相当

「脳波」という言葉を知っていても、どのようなものなのか、また睡眠とどのような関係があるのか、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。脳波には主に5つの種類があり、そのときの精神状態や身体の状態によって変化すると言われています。本記事では、脳波の種類やその特徴を紹介し、睡眠との関わりについても詳しく解説します。脳波のことを知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。 脳波とは 「脳波」とは、脳が活動するときに発生する微弱な電気信号のことです。この信号は、脳波計と呼ばれる機械で100万倍に増幅し、記録することができます。 脳波の種類とその特徴 脳波には主に、α波(アルファ波)、β波(ベータ波)、θ波(シータ波)、δ波(デルタ波)、γ波(ガンマ波)の5つの種類があります。ここでは、それぞれの特徴を取り上げて解説します。 α波(アルファ波) 「α波」(アルファ波)は、眼を閉じて安静にしてい

やあ、みんなは脳の中にあるのはニューロンだけなのか、疑問を持ったというわけですね。そう思うのも無理はありません。ちょっとこの図を見てください。これはスペインの有名な神経解剖学者であるラモン・イ・カハール博士が20世紀初頭に描いた脳のニューロンのスケッチです。 ニューロンだけが描かれていますからね。みんなのイメージもこれに近いかもしれないね。昔、1960年代半ばに「ミクロの決死圏」というアメリカのSF映画があったのを知っていますか。敵の襲撃によって脳に障害を負った天才科学者を治療するために、医療チームと潜航艇がミクロサイズに変身して人体に入り込み、脳を治療するというストリーです。でも実際の脳の中は、この図のような隙間があるわけではないので、潜航艇なんて走れないんですね(笑)。

本当は知ってるのに,とぼけて知らないふりをする犯人からいかに真実を引き出すか。その手段の1つがポリグラフ,いわゆる「うそ発見器」だ。心拍や呼吸,発汗に関係する皮膚の電気抵抗などの変化から心の動きを読む。こうした生理的反応の変化をもたらすもとは脳の活動。ならば脳の動きを調べれば,より精度が高い情報が得られるのではないか? 実際,脳は外部から刺激を受けると無意識下で記憶と照合し,過去に体験したことの情報が,受けた刺激の中に含まれていると認識すると,特定の脳波パターンを誘発する。最もよく知られているのが「P300」,別名「脳指紋」と呼ばれる脳波パターンで,犯罪捜査への応用を目指した研究が進んでいる。 再録:別冊日経サイエンス207「心を探る 記憶と知覚の脳科学」 著者中島林彦 / 協力:柿木隆介(かきぎ・りゅうすけ) / 平 伸二(ひら・しんじ) 中島は日経サイエンス編集長。柿木は自然科学研究機

「馬の脳」と呼ばれる「大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)」には、「海馬(かいば)」という部分があります。海馬は、タツノオトシゴのような形をしています。 日常的な出来事や、勉強して覚えた情報は、海馬の中で一度ファイルされて整理整頓され、その後、大脳皮質にためられていくといわれています。 つまり私たちの脳の中で、「新しい記憶」は海馬に、「古い記憶」は大脳皮質にファイルされているのです。 海馬が働かなくなると、私たちは新しいことが覚えられなくなります。つまり、昔のことは覚えていても、新しいことはすぐに忘れてしまうのです。 海馬はいわゆる「記憶の司令塔」とでもいえるとても大切な場所ですが、とても壊れやすい性質を持っています。 例えば酸素不足で脳がダメージを受けるとき、最初に海馬あたりから死んでいくといわれています。 また、とても強いストレスにさらされたときにも、海馬は壊れてしまう性質があります。「
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