県内で発見された新種の「クノムライドケシゲンゴロウ」(左)と「マツヤマイドケシゲンゴロウ」(慶應義塾大学・小檜山賢二名誉教授提供) 地下水層に生息する昆虫を調査している地下水生甲虫研究グループは30日までに、松山、宇和島両市で地下水生ゲンゴロウの4新種を発見したと発表した。うち1新種は新属で、ゲンゴロウ科の新属新種が見つかるのは29年ぶりという。グループ共同代表で昆虫分類学者の柳丈陽氏(25)=福島県=は「愛媛県の地下水生昆虫の多様性や水質の良さを示す発見」と意義を話している。 新属新種は松山市の重信川水系の井戸で発見され「マツヤマイドケシゲンゴロウ」と命名した。ほかの3新種は、重信川水系の井戸で見つかった「マツヤマムカシゲンゴロウ」▽宇和島市の来村(くのむら)川水系の井戸で見つかった「クノムライドケシゲンゴロウ」▽同じく「クノムラムカシゲンゴロウ」。マツヤマムカシゲンゴロウの学名は、同市

大学院の博士課程を対象とした研究者支援プログラムを巡り、これまで留学生にも支給していた生活費の対象を日本人に限定するとした国の方針が「国籍差別」などと批判されている。参院選のさなかには「外国人が優遇されている」と、誤解を招く言説も拡散されたこの問題。大学の研究力を支えてきた留学生への支援切り下げに、教育現場からも疑問の声が上がっている。(福岡範行、太田理英子、安藤恭子) 政府が留学生への支援見直しを検討しているのは「次世代研究者挑戦的研究プログラム」(SPRING)。博士課程の学生の減少や日本人の進学の少なさを背景に2021年度に始まった制度で、博士課程の学生に生活費や研究費を支援してきた。ただし、審査に国籍による差はない。 当事者は何を思うのか。大学院博士課程で中国出身の30代女性は「こちら特報部」の取材に「ショックでした」と声を落とした。女性は2年間、SPRINGの支援を受けた。生活費

白血球の一種であるマクロファージ(中央)が、大腸菌(赤)から放出された毒素によって破壊される様子を走査型電子顕微鏡で撮影した着色画像。一部の大腸菌は、細胞のDNAを傷つける毒素コリバクチンを放出し、大腸がんの発症を促す可能性がある。(MICROGRAPH BY STEVE GSCHMEISSNER, SCIENCE PHOTO LIBRARY) 若い世代の大腸がんの発生率が世界的に増えている。最近の研究によると、日本は、大腸がん患者の増えるペースが、年長の世代より50歳未満の若い人のほうが速い国の一つだ。具体的に何が若い患者の急増を引き起こしているのかについては、これまで多くの科学者や医療従事者が頭を悩ませてきた。(参考記事:「若い世代で大腸がんが増加、見逃してはいけない兆候とは、研究」) しかし、専門家は以前より、大腸菌などの細菌が作る毒素であり、DNAを損傷する「コリバクチン」が関わっ
― 強度の工夫で短時間でも大きな運動効果 ― 発表のポイント わずか40秒の高強度間欠的運動で、全身および筋肉の酸素消費量ならびに大腿部(太もも)の主要な筋肉の活動が大きく増加することを発見した。 高強度運動の反復回数と、酸素消費量の増加は必ずしも比例しないことが判明した。本研究をきっかけに、トレーニング効果をもたらす『最少量』の解明が進み、日本のみならず、世界の運動実施率の向上に繋がることが期待される。 概要 早稲田大学スポーツ科学学術院の川上 泰雄(かわかみ やすお)教授、国立スポーツ科学センターの山岸 卓樹(やまぎし たかき)研究員らの研究グループは、トレーニング効果を生み出す『最少量』のメカニズムについて、強度の工夫によって、短時間であっても大きな運動効果をもたらし得ることを発見しました。健康増進や疾病予防のための運動の重要性は、これまでもメディアなどでたびたび取り上げられていま

現代日本人に至る祖先集団は、弥生時代に朝鮮半島から来た渡来人が縄文人と混血して誕生した――。東京大などの研究グループが15日、弥生人のゲノム解析の結果を専門誌に発表した(https://doi.or…

(CNN) 米ルイジアナ州の学生、ネキヤ・ジャクソンさんとカルセア・ジョンソンさんは2022年、高校の数学コンテストのボーナス問題で、2000年の歴史を持つピタゴラスの定理を証明する新しい方法を発見し、教師たちを驚かせた。しかし、それはほんの始まりにすぎなかった。 23年3月にふたりはジョージア州アトランタで開かれた米国数学会の南東部支部会議でこの方法を発表。同会議での最年少の発表者となり、メディアをにぎわせた。 同年、同州の大学に入学したジャクソンさんとジョンソンさんは、当時の証明に加えて9通りの方法を詳述する学術論文を執筆。ふたりの研究は28日、学術誌「アメリカン・マセマティカル・マンスリー」に掲載された。 ピタゴラスは、2500年前の古代ギリシャの哲学者であり数学者だった。本人の名を冠した定理を考えついたのが本人なのか弟子たちなのかは明らかでない。この原理は直角三角形の2辺の長さがわ

レビュー 日本人祖先の「3系統説」、従来の定説に修正迫る ゲノム解析で進化人類学は「人類、日本人の本質」を探究 2024.07.24 内城喜貴 / 科学ジャーナリスト、共同通信客員論説委員 「日本人の祖先はどこからやってきたのか」。このロマンに満ちた問いに対しては、祖先は縄文人と大陸から渡来した弥生人が混血したとする「二重構造モデル」が長くほぼ定説となっていた。そこに日本人のゲノム(全遺伝情報)を解析する技術を駆使した研究が盛んになり、最近の、また近年の研究がその説を修正しつつある。 日本人3000人以上のゲノムを解析した結果、日本人の祖先は3つの系統に分けられる可能性が高いことが分かったと理化学研究所(理研)などの研究グループが4月に発表した。この研究とは別に金沢大学などの研究グループは遺跡から出土した人骨のゲノム解析から「現代日本人は大陸から渡ってきた3つの集団を祖先に持つ」と発表し、

男性・女性の違いを説明する際に「男性脳・女性脳」という表現が使われることがあります。「男性脳・女性脳」は科学的な根拠に基づく概念なのか、単純化された言説はなぜ問題なのか、認知神経科学者の四本裕子教授(総合文化研究科)に聞きました。 多次元的なヒトの脳 ── 「男性脳・女性脳」という概念に科学的根拠はあるのでしょうか? 「男性脳・女性脳」の概念は、性別による脳の違いについて言及したものですが、そもそも「性」とは非常に多元的な概念です。社会的・文化的に定義される「性」(ジェンダー)が多様であるように、生物学的に定義される「性」(セックス)も複雑です。生物学的に定義される「性」には、遺伝的な染色体で決まる「性」、精巣や卵巣で決まるホルモンの分泌と関係する「性」、セクシュアル・フェノタイプと呼ばれる表現型の「性」などがあり、人によってはそれらが必ずしも全て一致するとは限りません。一方で、男性・女性

本日のポストでは、あからさまには聞いてこないが、皆随分関心があるんだろうな、と感じるお金のことについて書いてみたい。 わかりやすくいうと、私がこの4年間、どのようにお金をやりくりしたのか、ということ。依頼された仕事の報酬について、どんなことを考えてきたかということ。 在野研究者を決意したときに立てた目標 前任校の契約が切れ、在野でやっていこうと考えたとき、私は次のような目標を立てた。 「研究者以外の仕事をせず、これまでと同じだけ稼ぐ」 (とはいえ、前任校で得ていた年収は、話すとびっくりされるほど低かったことは添えておきたい。) 別の仕事を持ちながら、在野の研究者として活動する人は何人もいる。家庭の状況などで、稼ぐことをそんなに考えなくていい人もいる。まず言っておきたいのは、私の目標は、そういう人たちのやり方の否定の上には立っていないということだ。ここは強調しておきたい。 その上で、であるが

金沢大学人間社会研究域附属古代文明・文化資源学研究センターの覚張隆史助教と,中込滋樹客員研究員(ダブリン大学助教),ダブリン大学,鳥取大学,岡山理科大学,富山県埋蔵文化財センター,船橋市飛ノ台史跡公園博物館,愛南町教育委員会との国際共同研究グループは,日本列島の遺跡から出土した縄文人・弥生人・古墳時代人のパレオゲノミクス(※)解析を行い,現代における日本人集団のゲノムが3つの祖先集団で構成されていることを世界で初めて明らかにしました。本研究では,日本列島の遺跡出土人骨から新たに12個体(縄文人9個体・古墳人3個体)のゲノムデータの取得に成功しました。これらのデータに加え,既報の縄文人および弥生人のゲノムデータと大陸における遺跡出土古人骨のゲノムデータを用いて,大規模な集団パレオゲノミクス解析を実施しました。その結果,縄文人の祖先集団はおおよそ20,000~15,000年前に大陸の基層集団

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は25日、緊急記者会見を開き、古川聡飛行士(58)が総括責任者を務めた実験で、参加した研究者がデータを捏造、改ざんする不正行為があったと発表した。JAXAは古川氏を含む関係者を処分する方針だが、2023年ごろに予定している古川氏の国際宇宙ステーション(ISS)滞在計画については変更しない考えだ。 不正があったのは、茨城県つくば市にある宇宙基地を想定した閉鎖環境施設で16~17年に実施した実験。計40人の成人を約2週間滞在させ、精神的なストレスなどを評価したが、いないはずの研究者が参加したように記録するなどしていた。

医師の古川聡・宇宙飛行士(58)が総括責任者を務めた、国際宇宙ステーション(ISS)の生活を模した医学研究に、データの改ざんや捏造(ねつぞう)など多くのずさんな点があったことが関係者の話でわかった。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は重大な不適切行為があったと認定し、25日に文部科学省などに報告した。 古川飛行士は2023年ごろISSに2回目の長期滞在をすることが決まっているが、JAXAは古川飛行士を含む関係者を処分する方針。現役の宇宙飛行士を巡る不祥事が発覚するのは異例だ。 JAXAなどによると、この研究は…


ノーベル賞のパロディーで、ユニークな研究などに贈られる「イグ・ノーベル賞」の受賞者が発表され、ことしはペットボトルのキャップをあけるときなど、ものをつまんで回すときの指の使い方を詳細に分析した、千葉工業大学の研究グループが「工学賞」を受賞しました。 日本人の受賞は16年連続です。 「イグ・ノーベル賞」は、1991年にノーベル賞のパロディーとしてアメリカの科学雑誌が始めた賞で、人を笑わせつつ考えさせる研究に贈られます。 日本時間の16日、ことしの受賞者が発表され、このうち千葉工業大学の松崎元教授などの研究グループが「工学賞」を受賞しました。 この研究では、ペットボトルのキャップやオーディオの音量をあげるつまみなど、ものをつまんで回すとき指をどのように使うのか、つまみの太さを変えて調べる実験を行いました。 そして、つまみの太さと使う指の本数との関係や指の位置との関係を詳細に分析しました。 主催

自然科学の分野で、おととしまでの3年間に発表され引用が多かった論文の数を各国で比較したところ、日本は過去最低の12位に後退し、初めてトップ10から陥落しました。 調査したのは文部科学省の科学技術・学術政策研究所で、おととしまでの3年間に世界で発表された生物学や物理学など自然科学の22分野の論文を国や地域ごとに分析しました。 論文の引用回数は「質」の高さの指標とされ、各研究分野で上位10%に入った論文の数は、おととしまでの3年間の平均で日本は3780本と前回からわずかに増えたものの、韓国などに抜かれ10位から12位に後退。 1981年にデータを取り始めて以降、初めてトップ10から陥落しました。 また、論文の総数でみると、同じく3年間の平均で6万7688本で、前回から1つ順位を落とし5位に後退しました。 文部科学省は、自然科学の分野で日本の存在感が低下しているとしたうえで、要因として、ここ20

東京大学の研究チームはコンクリートのがれきを100%リサイクルできる技術を開発した。がれきの粉末を圧縮し高温高圧で蒸すことで、より強度の高いコンクリートへ再生させる。原料のセメントの追加が不要なため、セメント製造時に発生する二酸化炭素(CO2)を削減できる。工場で固めて現場に運ぶプレキャストコンクリートなどの建築材料で実用化を目指す。一般的なコンクリートはセメント、砂、砂利に水を加えて製造する

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