コンサルティング会社大手のDeloitte(デロイト)が、AIの落とし穴を身をもって示す事態となった。同社オーストラリア法人は2025年10月、オーストラリア政府の雇用・職場関係省向けに提出したレポートに、AI生成による重大な誤りが含まれていたことを認め、契約金44万豪ドル(約4,400万円)のうち最終支払分の返金に応じた。 問題のレポートは、同省が運用する福祉制度の自動化システムを検証するもので、2025年7月に公開されていた。しかし、シドニー大学の研究者クリストファー・ラッジ氏が精査したところ、引用文献に深刻な欠陥が浮かび上がった。存在しないシドニー大学法学教授による架空の論文が12回も引用され、スウェーデンの教授による実在しない研究も2件参照されていたのだ。さらに、重要なロボデット訴訟に関する連邦裁判所判決の引用も誤っており、判事の名前すら誤記されていた。Deloitteは後に、Az