北陸新幹線が金沢駅(石川県)から敦賀駅(福井県)まで延びて、16日で営業運転開始から1年を迎える。関東や関西、中京圏と福井県の所要時間は短縮され、県内では観光客が増えるなど、経済面では明るい兆しを見せた。 敦賀駅から先、新大阪駅までのルートはどうなるのか。与党内では2016年、福井県小浜市を経由して京都駅や新大阪駅に至る「小浜・京都ルート」を採用している。 だが、24年12月、目標としていた25年度中の着工を断念した。 その中で、カギを握る存在となっているのが「京都」だ。25年度中の着工断念の背景には、京都ならではの事情がある。 京都市長が懸念強める 「(国土交通省の説明に)確信が持てない」 北陸新幹線の延伸を巡って京都市の松井孝治市長がそう発言したのは、24年8月の記者会見だった。 国交省はこの半月ほど前、小浜・京都ルートで京都市内の詳細な計画案を公表していた。 京都市内は三つのルート案