まずは、なぜ米価の高騰が起きているのか。その背景と今後の展望を正しく理解したい。「令和の米騒動」が始まったのは昨年8月。スーパーの棚から米が消えた。 「新米が出回れば、品薄は回復する」 当時の坂本哲志農水相はそう語ったが、新米が出回る秋を迎えても米価は上がり続けた。農林水産省が公表する全国のスーパー約1000店での平均価格は2月中旬に5kgあたり3892円を記録。これは前年同期の2044円の1.9倍という数字だ。現在では、店頭価格が5kgで5000円を超えるところも珍しくない。 小川さんは米価急騰の原因について「需要と供給の両面で、2023年産の米が例年の動向から大きく変化があったことが影響しています」と語る。 「記録的猛暑の影響で、米の品質が大幅に低下しました。さらに、これまで減反政策や生産調整で生産面積を減らしすぎたことが仇となり、主食用米の生産量が農水省の見通しを8万t下回った。その