3年前に、図解の基本をまとめた本『図で考える。シンプルになる。』を書きました。その内容から、エッセンスを抽出したのが本noteになります。 (1)「幕の内図解」と「イチオシ図解」 図には、大きく分けて、2つのアプローチがあります。 ひとつは、幕の内弁当のように、いろんな要素を盛り込んだ図で、もうひとつが、唐揚げ弁当のように、イチオシのおかずにフォーカスした図です。 たとえば、桃太郎の話を「幕の内図解」のアプローチでまとめてみたのが、つぎの図です。 登場人物とエピソードをフラットに扱って、網羅的に盛り込んでいます。 この図を使って、人に説明しようとすると、「まず、お婆さんですが……」「つづいて、お爺さんですが……」といった具合に、「お婆さん」「お爺さん」「桃太郎」それぞれの視点に切り替えが必要になり、話す方も話しづらければ、聞く方もまどろっこしく感じてしまいます。 相手がじっくり聞く耳を持っ
はじめに コンピュータやインターネットの発展によって、大量のデータを集積し、分析することが容易になってきました。しかし、データそのものに関心が集まる一方で、データの「見せ方」については、あまり注意が払われていないのが現実ではないでしょうか。 データは、人が理解することで初めて価値を持ちます。そして、その理解のカギを握っているのは、データを人の目で知覚可能な形へと「可視化」するプロセスに他なりません。データはただ表示すれば良いと安易に考えるのはやめて、表現力豊かな可視化のテクニックを追求してみませんか?本連載では、具体例やサンプルコードを交えながら、情報可視化の基礎から実践までを解説します。 情報可視化とは何か 「可視化(Visualization)」とは、画像やアニメーションのような視覚的表現を使用し、人に何らかの意味を伝達することです。特に「情報可視化(Information Vi
さて、今回は「独自の物語と地図を持つ」という観点から、これまでやったことを総復習しながら整理します。自分の現状と展望を世の中の色んな局面との関係において前向きに物語ることができるようになり、自分の関心を他人にも分かりやすい「地図」として描いてみせることができるようになるためのきっかけをつかんでもらうことが、この講義の目的の一つなわけでした。 この講義の今までの関連エントリーを挙げておきますから、一通り目を通しておいてください。 講義概要 2007-09-24 第1回 はじめに 2007-10-01 第2回 世界と物語 2007-10-15 第3回 物語とは何か 2007-10-22 第4回 方法論1:述語的世界観 2007-10-29 第5回 方法論2:編集的世界観(知識と物語) 2007-11-05 第6回 インターネットは未曾有の情報デザインの現場である 2007-11-12 第7回
その日本地図を見ると何かおかしいことに気づく。いや、気づかぬわけがない。 神奈川県がまるごと「横浜」となり、千葉の北半分が「ディズニーランド」になっている。宮城県が「仙台」、愛知県が「名古屋」という誤解はいかにもありそうだが、福島県一帯などは「謎」となんともいい加減な表記もある。 ひどいのは北海道で、「函館」が著しく拡大して長万部の上まで広がっているばかりか、襟裳岬を突端とした苫小牧、帯広の三角地帯はなぜか「ムツゴロウ王国」になっている。ありえない地図だ。 このばかばかしい地図──その名も「バカ日本地図」は、基本的に読者からの投稿をもとに構成されたものだ。第1回目の“黎明編”は2167件もの投稿で完成している。 「『おそらくバカはこう思っているに違いない!』という(カン違いした)日本地図の構成を投稿してもらう。その投稿の内容や反応を見ながら、地図を構成していくわけです」 「バカ日本地図」を
これは読んで、なるほど、と思いました。 装飾には、教養が必要ですが、現代のデザインには、文化人類学的な発想が非常に少なくなってしまいました。ファンクションが勝ちすぎています。 西林克彦さんが『わかったつもり 読解力がつかない本当の原因』で書いていたように、文脈がわからなければ「わからない」のです。「わかる」ためにはある程度、記憶としての教養の蓄積が前提となります。目の前で見たものが自分の中に蓄積された記憶の文脈とつながってはじめて「わかった」となる。「そこにどのような意味があるのかという視点が加わると、突然、別のものが見えてきます」と内田繁さんも言っているのはそういう意味でしょう。そして、教養がないから現代人には装飾の意味がわからない。そして、現代のデザインからは装飾が消えてしまうのでしょう。シンプルがいいなどといいつつ、単に装飾、飾りのもつ意味を読み解く力が退化しているだけかもしれません
0過去資料 資料:地図・ダイアグラム(2007年10月21日) 資料:地下鉄路線図に見る情報デザイン(2007年10月16日) 1時間軸変形地図が示唆する情報デザインとしての地図 (1)杉浦康平の時間軸変形地図*1 『idea アイデア』(2007年9月号)より (2)'Travel Time TubeMap' by Tom Carden(http://www.tom-carden.co.uk/):時間軸変形地図の応用 Travel Time TubeMap (3)杉浦康平関連記事 「ふと…(セレンディピティ)」のブログ(2006年08月18日) 無限と祝福REI NAITO(2007年03月01日) 杉浦康平『アジアの本・文字・デザイン』の書体は何?(2008年03月07日) 活字を通して、活字の彼方へ(2008年03月08日) ページネーションとは何か(2008年03月13日) ル
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