アメリカのトランプ大統領は、アメリカ軍がシリアで行った軍事作戦の結果、過激派組織IS=イスラミックステートの指導者、バグダディ容疑者が死亡したと発表しました。そのうえで「世界はずっと安全な場所になった」とISの壊滅を政権の優先課題として取り組んできたみずからの成果を強調しました。 発表によりますと、バグダディ容疑者は潜伏先でアメリカ軍に追い詰められてトンネルに逃げ込み、身につけていた爆発物をみずから爆発させて死亡し、現場で行ったDNAの分析によりバグダディ容疑者本人と確認されたということです。 作戦にあたったアメリカ軍の兵士に死者は出なかったということで、トランプ大統領は「バグダディ容疑者は泣き叫び、臆病者のように死んだ。世界はずっと安全な場所になった」と作戦の成果を強調しました。トランプ大統領としてはウクライナをめぐる疑惑や、シリア北部からのアメリカ軍の撤退決定などで厳しい批判にさらさ

「中東の歴史こそが、世界の現代史の縮図」。発売即重版となった中東政治の第一人者・酒井啓子氏の著『9.11後の現代史』の冒頭部を特別公開します。 中東はいつから危ない場所になった?筆者が教鞭を執る大学で、ときどき、中東報道に携わるジャーナリストや中東勤務の外交官、NGO職員などをお呼びして、話していただくことがある。 その際、学生たちから必ず出る質問がある。 「なぜ危ない場所だとわかっていて、行くのか」 なぜ危険地に行くような仕事をするのか、という、就職活動を間際にした学生の疑問である。 筆者とお呼びした講師の先生は、その都度苦笑いする。 筆者と同じ年代かその前後の世代にとっては、未知の場所に赴くとか、途上国で援助活動をするとか、誰もやったことのない国との商談にチャレンジするとか、そういうことは青臭い学生の夢だったからだ。 だが、危険への心配がまず頭をよぎる今の学生も、仕方がないかもしれない

過激派組織IS=イスラミックステートは、イラク北部にあるメソポタミア文明の遺跡を爆破したとする映像をインターネット上に公開しました。 撮影された日は分かっていませんが、インターネット上に公開された映像では、ISの戦闘員とみられる男たちが、遺跡に刻まれた彫像などをハンマーや重機などを使って破壊しています。そして、男たちが爆薬とみられる粉末を詰めた複数のドラム缶を遺跡に沿って並べ、そのあと、大きな爆発が起きて遺跡全体が爆風に包まれ、跡形もなくなってがれきになった様子が映されています。 ニムルド遺跡を巡っては、イラク政府が先月、ISによって破壊されたと発表していましたが、どの程度破壊されたのは分かっていませんでした。 ISは、同じくイラク北部にある世界遺産のハトラ遺跡を破壊したとする映像などもインターネット上に公開していて、ユネスコ=国連教育科学文化機関が「戦争犯罪だ」として強く非難しています。

ニューヨーク(CNN) イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が臓器売買を行っているとの指摘を受け、国連が調査を開始する方針であることが19日までに分かった。国連の高官が明らかにした。 ISISは殺害された一般市民から臓器を摘出し、その売買によって資金を得ている可能性があるという。 ライアルグラント英国連大使によれば、この問題はまだ公式には議論されていない。問題を提起したのはイラクのハキム国連大使だが証拠はないという。 ハキム国連大使は17日、安保理に対し、同国北部の都市モスルで12人の医師が死亡した事件の調査を呼びかけた。ハキム大使によれば、医師らは遺体から臓器を取り出すことを拒んだのちに殺害された。

(以下の文章は週刊金融日記 第147号「恋愛工学で読み解くイスラム国」の一部抜粋です。) 「イスラム国」に日本人ふたりが誘拐され、日本国政府やヨルダン政府の努力も虚しく、殺害されてしまった。後藤さんは、信念のあるジャーナリストで、日本中が彼の功績を称え、彼が亡くなってしまったことを深く惜しんでいる。オバマ大統領は、後藤さんを殺害する動画がYouTubeにアップされると、異例の早さでコメントを出した。 "Through hisreporting, Mr.Goto courageously sought to convey the plight of the Syrian people to the outside world. Our thoughts are with Mr.Goto's family and loved ones, and we stand today in sol

(英エコノミスト誌 2014年6月14日号) イラク第2の都市が武装組織の手に落ちた。この組織は、世界中でジハードを遂行する拠点となる国家の樹立を目指している。 イラク軍はモスルで完敗を喫した。兵士たちが街中で制服を脱ぎ捨て、逃げ出したほどだ。あとには、燃え尽きた装甲車の間に遺体が散らばっていた。手足を失った遺体もあった。 ジハード(聖戦)主義組織「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」の約1500人の武装集団が、イラク軍の15分の1以下の兵力であるにもかかわらず、軍用ヘリコプター「ブラックホーク」6機を奪ったほか、モスルにある銀行の金庫から莫大な金額を略奪したと報じられている。 彼らはモスルの刑務所にいた数千人の受刑者も解放した。ジハードの黒い旗が行政機関の建物の上に掲げられるなか、50万人に上る住民が安全な場所を求めて街から逃げ出した。 米軍の最後の部隊がイラクから撤退した2年半前、

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