ロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始してから5カ月が経った。ロシア側は当初、短期決戦を計画していたが、ウクライナは現在も自国の主権を維持し、複数の地域でロシア軍を押し返している。7月初めにロシアがウクライナ東部ルガンスク州を掌握して以降、長距離砲撃や都市部を狙ったミサイル攻撃が戦闘の中心になっている。 この記事では、シンクタンクのオーストラリア戦略政策研究所(ASPI)から得られたデータと現地のロイター記者による取材、そして商業衛星の画像を頼りに、ロシアが始めたこの紛争がどのようにして袋小路に追い込まれたのかをひもといていく。 突然の開戦 2月24日の夜明け前、ウクライナの人々は空襲警報、砲撃とミサイルの音、そしてロシアが全面的な侵攻を始めたとのニュースで目を覚ました。開戦直後の数時間に起きた一連の出来事は、ウクライナが早期に敗北する可能性を思わせた。 装甲車両の車列が抵抗らしい抵抗を受け

ウクライナの予想外の「善戦」 ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから、すでに1ヶ月以上が経過した。ロシアが侵攻を開始した場合、72時間以内に首都キエフは陥落するという予測が、侵攻前は真実味をもって語られていた。しかし、キエフは未だに陥落せず、ロシア国境に近いハリコフもウクライナは保持している。逆にロシア軍は多数の兵士が死傷し、将官にも戦死者が出るなど苦戦が続いており、ウクライナ北部から撤退するなど再編を余儀なくされている。 大方の予想を覆したこの事態に対し、「ロシア軍の稚拙な作戦」などロシア側の不手際に原因を求める報道や、ウクライナ善戦の要因を欧米による支援、中でも携行対戦車ミサイル“ジャベリン”や携行対空ミサイル“スティンガー”、またはドローンといった装備の活用で説明される例も多い。しかし、ウクライナの「善戦」はそうした外部の要因だけで説明がつくのだろうか? 「善戦」の要因はなにか?

極端な内容・真偽不明の情報でないかご注意ください。ひとつの情報だけで判断せずに、さまざまな媒体のさまざまな情報とあわせて総合的に判断することをおすすめします。 また、この危機に直面した人々をサポートするために、支援団体へのリンクを以下に設置します。 ※非常時のため、すべての関連記事に注意書きを一時的に表示しています。 これぞまさに「予言の書」。プーチン、ウクライナ侵攻、そしてオリガルヒを理解するための決定版、『億万長者サッカークラブ』と『ULTRAS』を期間限定で無料公開!書影はAmazonへリンクします『ULTRAS 世界最凶のゴール裏ジャーニー』 著者 ジェームス・モンタギュー 訳者 田邊雅之 判型 46 定価 2750円 税込 ISBN 9784862556110 出版社 カンゼン 発売日 2021年11月18日 第8章ウクライナ 民主革命を支えた極右勢力のこれから5:「素朴な正義

2022年3月23日、ウクライナのゼレンスキー大統領が日本の国会向けに異例のオンライン演説を行いました。本記事では、同時通訳された演説の全文書き起こしをお届けします(ウクライナ語原稿の翻訳全文とは異なります)。 世の中の「本当」の様子を見ることができたゼレンスキー氏:細田衆議院議長、山東参議院議長、岸田総理大臣、日本の国会議員のみなさま、日本の国民のみなさま。本日は私がウクライナ大統領として、史上初めて(国会で演説する)外国の国家元首として、直接みなさまに対してお話できることを光栄に思います。 両国の間には8,193kmの距離がございます。経路によっては飛行機で15時間はかかります。ただし、お互いの自由度を感じる気持ちの差はないです。また、生きる意欲の差もないです。これは2022年2月24日に実感しました。日本はすぐに援助の手を差し伸べてくださいました。心から感謝しております。ロシアがウ

アンドレイ・グラチョフ(80)は、ソ連最後の最高指導者ミハイル・ゴルバチョフのもとで1991年12月のソ連崩壊まで報道官を務めた人物である。その後はパリに住み、ロシアの新聞社の特派員として活動した。なぜウラジーミル・プーチンは隣国に戦争を仕掛けたのか。根本にある要因を掘り下げて解説する。ロシアと西側諸国は良質な関係を築けなかった ──ウラジーミル・プーチンの決断に驚きましたか。 プーチン露大統領はかつてソ連崩壊を「20世紀最大の地政学的大惨事」だと言いましたが、そのプーチン大統領本人が躊躇なく自国を新たな地政学的大惨事へと突き動かしました。ウクライナの現状や国際社会で孤立を深めるロシアを見れば、まさに「大惨事」というべきです。 ただ、今回の戦争について、これを単にウラジーミル・プーチンの妄想じみたビジョン、常軌を逸したビジョンから生まれたものだと考えてはなりません。この危機は、錯乱状態の

ロシア軍の攻撃を受けるウクライナ。同国の各地から、世界中の記者が現状を伝える日々が続いている。 英国のメディアを中心にニュースを追っていた筆者は、ウクライナの首都キエフの英語表記が「Kiev」ではなく、「Kyiv」になっていることに気づいた。Kievはロシア語発音に基づいた表記であり、後者はウクライナ現地の発音に基づいた表記だという。 BBC記者などによる発音をカタカナで表記すると、Kievは「キイエブ」(kee-yev)、Kyivは「キイブ」 (kee-yiv)(同時に、最後の「ブ」が「フ」に聞こえるときも)。筆者の耳にはそれほど大きな違いとして聞こえておらず、デイリー・テレグラフ紙の記事(2月24日、有料閲読)を読んで、遅まきながら、その違いを初めて知った。 その理屈が分かってみると、英語による報道(BBC、ITV、スカイニュース、ユーロニュース英語、アルジャジーラ英語、フランス24英

ウクライナの首都キエフにある聖ソフィア大聖堂とボフダン・フメリニツキーの像(2022年2月28日撮影)。(c)Sergei SUPINSKY / AFP 【3月3日 AFP】ウクライナ首都の名前は「キエフ」か、それとも「キーウ」か──?ロシアのウクライナ侵攻を受け、欧米メディアの間では、同市の表記をロシア語由来の「キエフ(Kiev)」からウクライナ語の「キーウ(Kyiv)」に変更する動きが広まっている。英BBCに続き、今週には仏日刊紙リベラシオン(Liberation)も表記変更を発表した。 リベラシオンは1日の発表で、読者が慣れている都市名の表記変更は難しいと認めつつも、政治的理由を優先して表記変更を決めたと説明。キエフという呼称は「ウクライナの地名のロシア化を象徴するものとなった」と指摘し、BBCが1月29日からキーウと表記するなど、英語圏の主要メディアの大半も表記を変更していること

当方はウクライナやスラブ研究者では無く、米国大学にてホスピタリテイ・観光経営分野で研究系博士教員をしている日本人米国永住者です。ウクライナには縁があって旧ソ連崩壊後数年であった1995年から往訪しており、渡航回数は30回程度です。過去5年は年に数回のペースで渡航していました。 普段ウクライナの名前が出るのはチェルノブイリ原発事故に関連した話程度で、ここ数か月のロシア軍国境集結と侵攻のニュースで突然によく名前を聞くようになった人が多いのではと思います。 ウクライナとロシアの関係を理解するには、歴史文化の背景を知っておくと深く理解が出来ると思いますので、それがこのメモを書く動機です。気軽にご笑納頂ければと幸いです。 1. スラブ文化の発祥ロシア語、ウクライナ語は似ていますし、教会の外観や聖職者の服装も似ています。プーチン大統領は同じ民族だと言っています。果たしてどうなのか、歴史俯瞰が役立ちます

ロシアのプーチン大統領は21日、ウクライナの東部2州のうち、親ロシア派が事実上支配している地域について、独立国家として一方的に承認する大統領令に署名しました。ロシアがこの地域への影響力を一段と高めることに、欧米の批判がさらに強まるとみられます。ロシアのプーチン大統領は21日、クレムリンで緊急の安全保障会議を開きました。 この中でプーチン大統領は、ウクライナ東部のドネツク州とルガンスク州の親ロシア派が事実上支配している地域について、ウクライナ政府側が停戦合意を守らずに攻撃を続け、治安情勢が悪化していると主張し、強く非難しました。 また「ウクライナが、NATO=北大西洋条約機構に加盟すれば、ロシアに対する脅威が何倍にもなるだろう」と強調しました。 そして、ウクライナ東部2州の親ロシア派が事実上支配している地域について、それぞれ独立国家として承認することを検討するよう要請を受けたとしました。

ロシアが支援する親露派武装勢力とウクライナ軍の紛争が続くウクライナ東部のドネツク、ルガンスク両州で17日、銃撃や砲撃などの停戦違反行為が相次いだ。親露派、ウクライナ軍共に相手からの「挑発行為」があったと主張し、非難の応酬が続いた。紛争地域での緊張は、ウクライナ国境付近に集結するロシア軍が介入する口実となりかねず、国際社会から懸念が出ている。ウクライナ軍によると、東部の停戦ライン周辺では現地時間の17日夕の時点で、親露派武装勢力からの停戦違反行為が少なくとも39件確認され、このうち30件で迫撃砲などの重火器が使用されたという。付近の幼稚園などが被害を受け、兵士2人のほか、民間人5人が負傷したとしている。

世界の目は現在、ロシアとウクライナに注がれている。 10万人規模のロシア軍が、昨年11月からウクライナの東部国境付近にとどまっている。ウクライナの北の隣国ベラルーシでは現在、ロシア軍とベラルーシ軍の合同軍事演習が行われている。南を見ると、黒海にロシア艦隊が展開している。ロシア軍は、ウクライナを北南東、三方から包囲し、侵攻の準備が完了しつつあるように見える。 プーチンの要求は、「ウクライナをNATOに加盟させない法的保証」だ。米国もNATOも、「この要求を受け入れることはできない」とロシア側に回答した。しかし、その後も侵攻回避のための交渉が続けられている。 そんな中、ロシアでは、将校をまとめる団体、「全ロシア将校協会」が「プーチン辞任」を求める公開書簡を発表したーー。 大軍を展開するプーチンの動機まず、なぜロシアは、大軍をウクライナ国境付近に展開しているのか、その経緯を簡単におさらいしてお

2020年9月ナチス占領からドンバス地方解放77周年の式典。自称ドネツク国の人々(写真:ロイター/アフロ)ロシアがウクライナに、来年2022年早々にも軍事攻撃を計画しているという、物騒なニュースが入ってきた。アメリカの『ワシントン・ポスト』(電子版)が12月3日、米情報機関が作成した報告書の内容などとして、ロシアが大規模なウクライナ侵攻を計画していると報じたのである。 最大17万5000人を動員した多正面作戦になる見通しだと指摘しているという。 なぜこうなったのか:NATOとEU そもそもなぜこうなったのか。 一言で簡単に言うのなら、ウクライナは北大西洋条約機構(NATO)に入りたい、ロシアは阻止したいーーということだ。 その前をたどると、ウクライナは欧州連合(EU)に入りたかった。だから、加盟国候補になるための正式な手順の一歩として、EUと連合協定というものを結ぼうとした。 これにロ

ウクライナに「新国家」宣言=親ロシア派が一方的に 【モスクワ時事】ウクライナ東部の親ロシア派武装勢力は18日、現在のウクライナに取って代わり「マロロシア(小ロシア)」という名称の「国家」を樹立すると一方的に宣言した。ウクライナは帝政ロシア時代に小ロシアと呼ばれていた。 〔写真特集〕緊迫! ウクライナ情勢 インタファクス通信によると、ウクライナ東部の親ロ派「ドネツク人民共和国」の幹部は「地域の代表がウクライナの後継国として新たな国家を樹立することに合意した」と主張。現在のウクライナは「破綻している」とした上で、「平和と安定をもたらすことはできない」と決め付けた。 親ロ派はウクライナ東部しか実効支配してないが、国全域を対象とした「新国家」を樹立するとしている。また「新国家」に向けて「憲法」に関する住民投票を行い、「首都」は東部のドネツク市に置く方針という。(2017/07/18-22:39

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(2015年2月10日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 自ら志願してウクライナ軍第25大隊長を務めるアレクサンドル・ダシュケビッチ氏は金曜日、8日間にわたって親ロシア派勢力による攻撃を必死に食い止めた後、ウクライナ東部の戦線に位置するニキシノ村とリドカドブ村を警護していた。降ってわいたかのように、突如、部隊に撤収命令が下ったのは、そんな時のことだ。 第25大隊は数百人のウクライナ兵とともに、さらに北へ行ったところにあるデバリツェボに再配備されることになった。デバリツェボは、ロシアの支援を受けたウクライナ東部の分離主義勢力の支配領土という海に張り出す、キエフの支配下にある半島として存在する戦略的な鉄道の要衝だ。 発電用の石炭供給のカギを握る都市 長期化した泥沼の膠着状態の末に先月末に親ロ派勢力がドネツク空港を掌握したことで、デバリツェボが最前線として浮上し、この戦いにおける大きな転換点にな

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