東日本大震災で被災した半導体大手ルネサスエレクトロニクスの那珂工場(茨城県)を早期に復旧できるかどうかが、自動車生産を左右しかねない状況になっている。 那珂工場はエンジン制御などに欠かせない自動車用半導体(マイコン)の主力工場で、在庫が尽きれば自動車も生産がストップする。マイコン生産の再開を目指し、業界の垣根を越えた総力戦が展開されている。(栗原守、河野越男) ■6月危機 那珂工場は建屋や生産設備が壊れた。マイコンの在庫は5月分までしかなく、生産の一部再開は最短でも7月上旬にずれ込むという。自動車には、エンジンやブレーキ、変速機などを制御するため、1台あたり30〜80個のマイコンが組み込まれている。「自動車用マイコンで世界トップシェア(占有率)のルネサス製を積んでいない車はない」(業界筋)とされる。 マイコンは各車種に合わせた受注品が多いので、在庫がなくなると自動車も生産を止めざるを得ない
「半導体は、PC、携帯電話、インターネットなどの一般汎用技術を支える基幹部品になった。早い話が、半導体はネジ・クギになった」という記事を以前書いた。東日本を襲った巨大地震と津波は、ネジ・クギと化した半導体にどのような影響をもたらすだろうか? 計画停電で製造装置を動かせない 新聞報道によれば、岩手県にある東芝エレクトロニクス、富士通セミコンダクター、茨城県のルネサス エレクトロニクス、日本テキサス・インスツルメンツなどが、工場建屋に亀裂が入るなど直接被災した。この記事を書いている時点では、復旧の目途は立っていない模様である。 また、福島第一原発に大事故が発生し、首都圏は深刻な電力不足に陥った。その結果、東京電力による(まったく「計画的」とは思えない)計画停電が実施されている。どの企業が計画停電に巻き込まれているか詳細は分からないが、直接的震災よりもこの計画停電の方が、半導体メーカーにとっては

米調査会社IHS iSuppliは米国時間2011年3月21日、東日本大震災の影響で世界のシリコンウエハーの4分の1の生産が止まっているなどとする調査結果を報告した。信越化学工業のシリコンウエハー子会社、信越半導体の白河工場(福島県西郷村)が操業を停止しているほか、米MEMC Electronic Materialsの宇都宮工場(栃木県宇都宮市)も停止している。信越半導体では世界のシリコンウエハーの20%を、MEMCでは5%を生産しており、2社の操業停止は世界の半導体業界に大きな影響を及ぼすとしている。 信越半導体はDRAMやNAND型フラッシュメモリーなどの製造に使われる300mmウエハーを生産している。信越化学工業では製造設備の損傷を確認しており、信越半導体グループのほかの工場で生産体制を整備するとしているが、現時点でどの程度の時間を要するか明らかになっていない。MEMCも地震直後から

2009年8月末、光文社より『日本「半導体」敗戦』という書籍を出版した。自分で言うのもおこがましいが、極めて大きな反響があった。実際に起きたことを列挙してみる。 (1)全く面識のない数十人の読者の方から、メールで感想などのお便りをいただいた。 拙著には、メールアドレスやホームページのURLを記載していない(記載したくなかったのではなく、編集者が忘れたためである)。にもかかわらず、読者の方がわざわざ検索して連絡をくれたようだ。そして、多くの方から、「共感した」「驚いた」「面白かった」というお褒めの言葉をいただいた。 (2)出版関係者の話によれば、「半導体と名のつく本は売れない」らしい。そのため、光文社に採択されるまで、半年ほど出版社を回ったが、どこからも断られた。しかし、光文社から出版後、わずか3カ月間で、3刷り目の増刷となった。 出版関係者の話によれば、ベストセラー作家ならいざ知らず、無名

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