山靴の画文ヤ 辻まことのこと [著]駒村吉重 辻まこと。この人の著書や絵やイラストの原画、あるいは肉筆原稿などは、古書界でべらぼうに高価である。熱烈なファンが多いということである。亡くなってから、一挙に人気が出て、現在に続いている。何がかくも魅了するのか。そもそも辻まことは、何者であるか。誰にも師事せず、何のグループにも属さず、独自の画境を開いた絵師である。主として、山の絵を描いた。 一方、不思議な語り口の名文を書いた。肩書をつければ画家であり随筆家だが、一概にそう断じられないものが、この人にはある。言葉に表せないそれが辻まことの魅力なのかも知れない。 そのあたりを解明したのが本書で、わかりやすい辻まこと伝であり、辻まこと論である。私たちがまず彼に注目するのは、その生い立ちだろう。 ダダイストの辻潤と、女性解放運動家・伊藤野枝の長男に生まれた。三歳の時、母は離縁し、無政府主義者・大杉栄と再
フリーダム [著]ジョナサン・フランゼン小説は何のために読まれるのか? 娯楽? 暇つぶし? 自分が主役の自由な世界をせっせと拡張すべく、スマホの画面の上を滑らせるのに忙しい指先には潰すだけの暇すらないのだから、現代のアメリカの地方都市に暮らす一家を描く800ページ近いこんな分厚い本は読んでられない? ウォルター・バーグランドはミネソタの田舎町出身。家が貧しかったため苦学を重ね、大学時代に出会い結婚した妻を愛する良き夫だ。アウトローのミュージシャンの親友を持つ一方で、生真面目で堅物な彼は、世の中をよりリベラルで公正な社会に変えたいというやや青臭い理想に忠実に自然保護協会で働いている。妻パティは対照的に、ニューヨーク州のリベラルなインテリの富裕家庭出身。バスケット部で活躍し、虚言癖の友人につきまとわれて困ったことはあるが、経済的な苦労は知らない。結婚後は家庭に入り、男女二人の子供を育てる専業
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【有近隆史】15年ぶりに3万人を下回った2012年の自殺状況について、内閣府と警察庁は14日、その分析結果を発表した。すべての世代で自殺者数が前年を下回り、30歳代では約15%減少していた。 自殺者数は1998年から3万人を超えていたが、12年は確定値で2万7858人。前年より2793人(9・1%)減った。男女比では男性は約69%、女性は約31%だった。 年代別で減少幅が大きかったのは30歳代で15・1%減。50歳代(13・2%減)、60歳代(10・3%減)も1割以上減った。20歳代は9・2%減、40歳代は8・6%減だった。 また自殺の未遂経験のある人の自殺が前年より713人減の5491人で、統計を取り始めた07年以降もっとも少なかった。 自殺の原因・動機を推定できた2万615人について分析すると、病気など「健康」が原因となった自殺者が1万3629人で、3分の2を占めた。倒産や失業
町を歩いていて、ふと、窓ガラスに自分が映るのを見る。ああ、自分はキレイだなって思う。ものすごい美人ていうわけじゃない。でも私は自分の容姿を気に入ってるし、多くの他人にもそれなりに見えるっていうことも分かる。 その瞬間にいろいろなことを思い出す。 昔は自分の姿を見るのが、とても嫌だった。町中で唐突に鏡に出くわすと、ぎょっとして心臓が止まるかと思うほどだった。自分は家庭でも学校でもいつも醜い子供だった。少なくとも自分を醜いと思って生きていた。思春期になるころには、学校の男子にありとあらゆる方法で容姿をけなされた。母親は、顔の整形手術を進めてきた。少しずつ自分の身体が女らしくなってきたとき、それを私は嫌悪した。できるかぎり身体の線の出ない服、ダボダボな男の子みたいな服を選び、髪も五分刈りにしていた。女として見られるのが嫌だった。女じゃなくなれば、醜くても、そんなに傷つけられることはないから。きっ
■食べ物から振り返る人生 落語の定席の支配人から、「客席で一日過ごすと、自分の人生を振り返れますよ」と聞いたことを思い出した。それと同じ味わいが、本書にあるからだ。 「家庭料理の80年」が副題。昭和初期から現在まで、人々は家で何を食べてきたのか。雑誌、映画、テレビドラマなどに登場した料理をたどった本だ。著者は、生活史研究家。家族や社会の変化など家庭料理の背景も解説されているから、読みながら、「なるほど」と何度も膝をたたいた。 コロッケやカレーなどの洋食が、都市部で広まったのは昭和の初めだが、全国スタンダード化は、昭和32年に始まったNHK「きょうの料理」の功績が大きいという。放送開始の翌年にテキストが創刊され、「ツホンニョユアン」「チキンフリカッセ」という名の未知の料理が登場する。「肉団子の野菜むし」「鶏肉と野菜の洋風煮込み」を指すそうで、バタ臭い料理名は、「家つき、カーつき、ババアぬき」
あけましておめでとう。昨年はどんな年だったかな?僕は母親が一ヶ月前に自殺したから最悪だったよ。 そして、僕は呪いのメタファーだよ。 2013年も君たちは呪われている 僕は人の正体がわかった。 去年、一ヶ月前、僕の母親が自殺したんだ。それで僕は気づいた。僕はこの世界が嫌いなんだって。 それについては、先月ブログを書いたから、それを読んでくれたまえ。 純と愛とテレビと政治と世界を呪詛する - 玖足手帖-アニメ&創作- おやおや、長文を読むのが面倒だっていうのかい?まったく、君たちは仕方のない愚民だね。 では母親の自殺の原因を要点をかいつまんで説明しよう。 母親は父親の退職金をあてにして新しく大きな家を建てようとした 母親は貧乏人は家を買え!というライフハック本を信奉していた。だが、このライフハック本はある程度の資産の余裕のある程度の中の下の資産家向けの本であり、フェイク本だった。 貧乏人は家を
今週の日本版ニューズウィークのカバーは「男の子はなぜ女の子より劣るのか」である。さて、男の子はなぜ女の子より劣るのかって問われるなら、私は即答できる。そりゃ女の子が男の子より優れているからだよ。私なんか幼稚園から大学……そして社会に出てからも痛感していることだ。こんなことに疑問をもつやつがいることが不思議……とまでは言い過ぎかもしれないが、知能という点では総じて女のほうが男より頭がいいとしていいのではないか。少なくとも私なんかそういう前提で生きている。 ただ現実の社会の場になるとある種の一般的な男のバカと一般的な女のバカの一般的特性というのが強くなって、そこを超える知的に優秀な人とそうでもない私のような人という差異のほうが大きくなる。ほかにも権力のシステムがあったりするので、社会ではあまり一般的な知性の男女差というのは問題にならなくなる。 問題になるのはやっぱり学校だろう。平均的なサンプリ
Author:くるぶし(読書猿)twitter:@kurubushi_rm カテゴリ別記事一覧 新しい本が出ました。読書猿『ゼロからの読書教室』NHK出版 2025/5/23刊行読書猿『独学大全』ダイヤモンド社 2020/9/29書籍版刊行、電子書籍10/21配信。 ISBN-13 : 978-4478108536 2021/06/02 11刷決定 累計200,000部(紙+電子)2022/10/26 14刷決定 累計260,000部(紙+電子) 紀伊國屋じんぶん大賞2021 第3位 アンダー29.5人文書大賞2021 新刊部門 第1位 第2の著作です。 2017/11/20刊行、4刷まで来ました。読書猿 (著) 『問題解決大全』 ISBN:978-4894517806 2017/12/18 電書出ました。Kindle版・楽天Kobo版・iBooks版韓国語版 『문제해결 대
「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだ」と考える人が、2009年の前回調査に比べ、10・3ポイント増の51・6%となった。世代別では、20歳代が19・3ポイントの増加で、伸び率が最も高かった。2011年3月の東日本大震災を機に、家庭を大切にしようとする意識が若い世代を中心に広まっているとの見方が出ている。 20歳代を男女別で見ると、「妻は家庭を守るべきだ」と考える男性は55・7%(前回比21・4ポイント増)、女性は43・7%(同15・9ポイント増)に上った。宮田加久子明治学院大教授(社会心理学)は、「長引く就職難や景気低迷で、若者たちは先行きに強い不安を抱き、家庭をよりどころにしようとしているのでは。東日本大震災の後、家庭を大事にする意識が強まったことも要因として考えられる」と分析している。
国家に注目をして経済を語るのではなく、都市を中心にみることで経済の流れがわかると、端的に言ってしまえばそういう話だ。そしてタイトルになっている発展する地域と衰退する地域の境目はどこにあるのかといえば、それは「輸入置換」を通して輸入したものに新たな価値を付け足して新たに輸出していく家庭=インプロヴィゼーションが出来るか否かにあるという。 この考え方、僕が知ってきた知識にはまったく、どこからも触れられていなかったもので面白いのだが、本職の経済畑の人たちはどう捉えているんだろう。1986年の本でもあり、今本書で述べられている理論がどれだけ適用に値するのかもまだわからない。たとえば今では常識とされている(と習った)比較優位が批判されている。 たとえばブラジルが延々とコーヒー豆を作りつづけて、コーヒー豆だけを作り続けているとすればそれは都市からそのように要請されているから、その方が儲かるからであって
私の趣味はボードゲームで、休日には友だちと集まってわいわい遊んでいる。 ボードゲームはいい。まずカネがかからない。そして一晩中でも遊んでいられる。学生、サラリーマン、フリーター、派遣、ニートetc... かなりヘテロな仲間たちがゲームひとつで仲良くなれる。 あれは友人宅でドミニオン合宿を開いたときのことだ。その家の本棚のすばらしさに目を奪われた。 ◆ その友人は――自分より一回り以上年上の人を「友人」と書くのは抵抗があるけれど、四十路を回ったばかりのイケメンなおっさんで、職業はデザイン関係、国立K大学の出身であり今はフリーランスで活躍している。広々とした一戸建てに暮らし、小学生の子供が二人。絵に描いたようなリア充だ。爆発すればいいのに。家の内装は彼自身の手でデザインしたという。 そして、本棚があまりにも理想的だった。 腰ぐらいの高さの本棚が、リビングの壁の一面に沿って並んでいた。薄くて固い
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