病気などで、自分の母乳を赤ちゃんに与えられない母親に、健康な人の母乳を集めて提供する「母乳バンク」の設立を目指し、14日、東京都内でセミナーが開かれました。 「母乳バンク」は、健康状態など一定の基準を満たした母親の母乳を集めて殺菌処理などを行ったあと提供する施設で、欧米やアジアの各国では母乳が出なかったり、感染症にかかっていたりして、自分の母乳を赤ちゃんに与えられない母親の間で広く利用されています。 東京・品川区の昭和大学病院では「母乳バンク」の設立を目指して、14日、セミナが-開かれ、全国から集まった医師ら100人以上が参加しました。 この中で昭和大学医学部小児科の水野克己准教授は、「体重が2500グラムに満たない赤ちゃんに母乳を与えると、重症の腸炎にかかるリスクを抑えられるが、早産の場合は、母乳が出にくい母親が多い。他人の母乳でも安心して活用できるよう、日本にも母乳バンクを作る必要があ
米国精神医学会が近く公表する精神疾患の新たな診断基準「DSM―5」で、子どもや配偶者などを亡くした後の気分の落ち込みを、安易にうつ病と診断する恐れのある改定がなされたことがわかった。 米国精神医学会の診断基準は、日本を含む世界各国で用いられている。病気ごとに代表的な症状が列記され、当てはまる症状の数などで診断する。うつ病は、「抑うつ気分」「興味または喜びの喪失」の一方または両方と、ほぼ毎日の「不眠や睡眠過多」など、計五つ以上の症状が2週間続き、生活に支障がある場合に診断される。ただし、死別の場合は、症状が2か月以上続く場合に診断できる、と規定されていた。 新基準ではこの規定が削除され、脚注で正確な診断のポイントなどが記載される。背景には、うつ病を早期に治療することを重視する流れがある。だが、子どもや配偶者を不慮の事故などで失った時も、2週間で立ち直らなければ病気とされる可能性があり、日本
集団に入ることやコミュニケーションが苦手、興味や考えに偏りがあるなど、発達障害の可能性のある生徒が全国の公立小中学校の通常学級で6.5%に上るという。 言葉が広まる割に発達障害の理解は進まず当事者向けの本は少ない。本書は青年期精神医学が専門の著者が、当事者に向けて、生活や人生が楽になるようにと願って書かれている。 特徴は2つ。1つは障害のとらえ方だ。発達障害と定型発達(普通の発達)は連続し、定型発達者にも発達障害の傾向があるという。一方で両者は異なる物の見方や考え方、つまり異なる文化ととらえることも大切と説く。連続性と異質性の2つの視点が必要なのだ。 もう1つは具体的な助言だ。実践的方法として、当事者には、1度に複数のことを頼まれたら紙に書き出して順番をつけることなどを提示し、周囲の人には、話す際に曖昧な質問を避ける、問いつめないなどの態度を勧める。 根底にあるのは、発達障害と定型発達は対
ロバート・エドワーズ氏(体外受精技術開発でノーベル医学生理学賞を受けた英ケンブリッジ大名誉教授)ロイター通信などによると、10日、死去、87歳。死去の場所や死因は明らかにされていないが、長く闘病生活を送っていた。 25年、英中部マンチェスター生まれ。第2次大戦に従軍後、英エディンバラ大などで生物学を学んだ。78年、世界初の体外受精児を誕生させ、80年には英南部ケンブリッジに世界で初めての体外受精クリニックを開いた。
アイヌ民族遺骨 数百体分が混在 北大、ずさん管理認める (03/29 07:05) 北大は28日、医学部がかつて研究目的で収集したアイヌ民族の遺骨について実態を調べた報告書を公表した。それによると、新たに85体分の遺骨が見つかり、収蔵数は計1014体と判明した。ただ、分類し切れずに散在する四肢骨なども数百体分に上り、北大は遺骨の管理がずさんだったことをあらためて認め、同日、北海道アイヌ協会に報告した。 報告書によると、アイヌ民族の遺骨は1931年(昭和6年)~72年、当時の医学部教授らが、道内各地のアイヌ墓地から発掘、収集した。現在は大学の納骨堂に安置されているが、頭骨と四肢骨がばらばらに保管されるなど未整理の状態だったため、2010年から調査に着手した。<北海道新聞3月29日朝刊掲載> 前の記事 次の記事
医師の立場から農村生活の手助けをしようと活動を続けてきた「青森県農村医学会」(佐藤巳代吉会長)が3日、41年の歴史に幕を下ろした。過重労働や、農薬などによる農家の健康問題などに向き合ってきたが、医療の進歩や支援団体の減少もあり、同日開いた臨時理事会で解散を決定。医学会の活動は今後、県農協中央会が引き継ぐ。 同会は1972年1月、人手不足による労働時間の増大などを背景に、当時「農夫症」と呼ばれていた農家の健康問題を解決しようと発足。県内各地での集会や講演、妊婦検診などを通じて、健康増進の周知徹底を図ってきた。 この日は、青森市で〝最後〟となるシンポジウムを開催。東洋医学や認知症についての講演や意見交換を行い、約130人の参加者があらためて健康管理の重要性に理解を深めた。 佐藤会長は取材に「農家の方が元気に作業できることを目標に活動を継続してきた」とした上で、「組織はなくなるが、これから
58年前、世界で初めてのヒトの臓器の生体移植である腎臓の移植手術を成功させ、ノーベル医学・生理学賞も受賞した、アメリカの外科医、ジョセフ・マレー氏が、26日、亡くなりました。 93歳でした。 ジョセフ・マレー氏は1919年にアメリカ東部・マサチューセッツ州で生まれ、第2次世界大戦中は軍医として、やけどの兵士に死亡した別の兵士の皮膚を移植する治療を行うなど、早くから移植医療に取り組んできました。 そして58年前の1954年、1人が重い腎臓病だった双子の兄弟の間で腎臓の移植手術を行い、世界で初めてヒトの臓器の生体移植に成功しました。 また、移植手術で最大の障害となる拒絶反応についても、マレー氏は、患者が臓器をもらう相手と血縁関係がなくても拒絶反応を小さくできる免疫抑制剤の開発に取り組みました。 これらの功績からマレー氏は、1990年、ノーベル医学・生理学賞を受賞しました。 マレー氏が入院してい
文明―西洋が覇権をとれた6つの真因 [著]ニーアル・ファーガソン かつて東洋の後塵(こうじん)を拝していた西洋は、なぜ1500年ごろから形勢を逆転できたのか。 「近代化に成功したから」「帝国主義を進めたから」といったお決まりの答えがすぐに返ってきそうだが十分とはいえない。まず先に東洋が近代化や帝国主義の牽引(けんいん)役になっていても何ら不思議ではなかったからだ。 この近現代史の壮大な謎に大胆な仮説をもって挑んだのが本書。著者はまだ40代だが、金融史や帝国論の名著を次々に世に問うているスター教授だ。論壇でも国際的な影響力を増しつつある。 古今東西の史話を自由自在に紐解(ひもと)きながら、著者は西洋の覇権を可能にした六つの“キラーアプリケーション”——競争、科学、所有権、医学、消費社会、労働倫理——を抽出する。 一見どれも漠然としているが、明の武将鄭和の外洋探検からジーンズの発明、欧州の世俗
本書では自らの体を実験台にした奇人変人と呼ぶにふさわしい研究者が数多く登場する。血液、薬など医学を中心に17のテーマが収められているが、どこを読んでも驚きのエピソードにあふれている。 寄生虫を飲み込んだり、進んで感染症に罹ったりと、内容は多岐にわたるが、想像するだけで気持ちが悪くなりそうな実験例も少なくない。黄熱病研究ではアメリカ人の医学生スタビンス・ファースは感染経路を調べるために体に患者の尿を塗り、嘔吐物を摂取した。イギリスの外科医ジョン・ハンターは淋病と梅毒の関係性を知るため、淋病患者の膿を自分の性器に塗りこんだ。常軌を逸した行動に映るが、「自説は果たして正しいのか」ということに自らの体を賭けてでもこだわる研究者の強烈な自負も見え隠れする。 著者は彼らの功績はあまりにも評価されていないと指摘する。実際、嘔吐物にまみれたスタビンス・ファースの名前を誰も覚えていないのは事実だ。歴史に埋も
(創元社・2625円) ◇哲学的視点で捉える精神医学の現場アメリカはいざ知らず、ヨーロッパでは、哲学、のみならず、学問の世界で一般に、古典語としてのギリシャ語とラテン語、そしてヨーロッパの主要言語(英・独・仏)に堪能であることは、学者としての基本的な素養であったし、現在でもあまり事情は変わらない。ドイツ語圏のギムナジウム(大学への入学資格を与える中等教育機関)は、確かに近来一部の理工系で古典語の必修を外すようになったが、大学院入試でさえ、英語の試験しか課さず、しかもアメリカ式の標準語学テストでとった点数の提出で代行するところが多い日本の現状には、強い危機感を持つ。 こんなことを書いたのも、著者が、現代日本には希(まれ)になってしまった、ヨーロッパ学界の基礎資格を充分に備えた研究者であることに、本書でも強く印象付けられるからである。「哲学」という学問の源が古代ギリシャにあることは、誰もが首
不死細胞ヒーラ ―ヘンリエッタ・ラックスの永遠(とわ)なる人生 [著]レベッカ・スクルート[評者]辻篤子(本社論説委員)[掲載]2011年7月17日著者:レベッカ・スクルート 出版社:講談社 価格:¥ 2,940 ■細胞は誰のものか、「彼女」と家族追う 「ヒーラ」という名前に全く覚えがなくても、私たちの誰もがその恩恵を被っていることはほぼ間違いない。 ヒーラ細胞は、世界で初めて培養に成功したヒト細胞で、がんや肝炎、遺伝子の研究からインフルエンザの薬の開発まで、20世紀後半以降の生命科学と医学の飛躍的な進歩を支えてきた。本書は、その細胞をめぐる、科学と人と社会、とりわけ、人種や貧困などの根深い問題を抱えた米国社会の驚くべき物語である。 そのエッセンスは、当時16歳だった著者の心をとらえた、地域短大の生物学の授業での教官の言葉に集約されるだろう。 彼は「ヒーラ細胞は、過去100年に医学界で
2009年06月06日21:17 福島章教授が足利事件の精神鑑定録音テープを破棄した心理 幼女がレイプ殺害された足利事件で、無期懲役となった菅家利和さんは冤罪であることが確定するみたいですが、私が興味を惹かれたのは犯罪精神医学者・福島章教授の精神鑑定に関する顛末です。こういうことがあったとは知りませんでした。 福島教授は菅家利和さんが「代償性小児性愛者」であり、本件犯行は「小児性愛を動機として行われたもの」という精神鑑定書を裁判所に提出して、これが判決に大きな影響を与えたようです。 弁護団はこの鑑定書が間違っているとして、それを正すために福島教授に対し精神鑑定の録音テープの開示を二審の段階から11年も求めてきたけど応じないので、2006年に民事訴訟を起す。すると福島教授は法廷に於いて、録音テープはすでに破棄したという、それまでとは違う答弁をしたようです。 いまならともかく、最高裁で刑が確定
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